2022年3月15日 予算特別委員会
保健福祉部に対する質疑(大要)
・県内の感染状況の現状について
【斉藤委員】
最初に冒頭に、部長さんに今の感染状況の現状をどうとらえているかをお聞きをいたします。
昨日は174人でしたが、この1週間だと1713人、連日クラスターも多発していると。こうした状況をどのように受け止めているか、お聞きをいたします。
【保健福祉部長】
県内の感染状況でございます。全国的には、2月上旬ぐらいに首都圏などがピークアウトをして、いま緩やかに減少しているものの、本県を含む東北各県を見ますと、一旦下がったかなと思ってもまた若干上昇に転じる県もあります。地方部によっては、まだ明確な下降局面に入ったと言える状況にはないと認識しています。
岩手県においても、2月26日に404名と過去最高を記録して以降、それを超える日はまだないんですが、やはり200名を超える日が連日続いている状況でございまして、感染状況についてはいわゆる高止まりの状況ということで、引き続き対策が必要な状況というのは変わりないと考えております。
・3回目のワクチン接種について
【斉藤委員】
それで一般質問でも取り上げたんですけど、当面の緊急課題は何かと言えば、やはり3回目のワクチン接種をどう早期に実施するのかと。
そこで、2月末までに実施すべき対象者に対するワクチン接種状況、これはどうなっているでしょうか。また直近の接種状況も示してください。
【医療政策室長】
2月末までの対象者に対する接種状況ですが、3回目接種の対象となっている約41万人のうち、約26.7万人の方に接種を行っており、接種率としては約65%となっております。また65歳以上の高齢者への接種状況ということで、2月末までの対象となっている32.4万人のうち19.4万人接種を行っておりまして、接種率は60%となっているところでございます。
【斉藤委員】
それでですね、私は優先すべき課題は高齢者施設、高齢者のワクチン接種だと思いますが、3月2日の一般質問のときには高齢者施設の接種率は約7割と。そのときに高齢者の接種率は40%でした。これは今どこまでいっているでしょうか。
【医療政策室長】
高齢者施設の接種状況でございますけれども、3月8日に実施した調査でございますが、県内の高齢者施設等776施設のうち、2月末でに接種が終了したのは22市町村・639施設で82.3%となっております。高齢者の接種率については先ほどもご答弁申し上げましたが、32.4万人に対しまして19.4万人ということで接種率は約60%となっております。
【斉藤委員】
高齢者施設の接種率が82.3%ということでした。7割から半月であまり増えていないんじゃないか。対象がはっきりしているんですから、有料老人ホームが多いと思うんだけれども、早急にこれは100%やらせる具体的な手立てが必要なんじゃないでしょうか。遅れている理由はありますか。
【医療政策室長】
高齢者施設への接種ということでの遅れの理由ということでございますが、それぞれの市町村での取り組みの部分でもちょっと差があったというところで、それにつきましてそれぞれの市町村に接種の促進ということでは、県の方でも求めながらやってきたところでございますので、引き続き接種状況の遅れが見られる部分につきましては、各市町村とも連携しながら取り組みを進めていきたいと考えております。
【斉藤委員】
18%、約2割弱残っていますから、本当に個別の対策をとって、高齢者施設は1日も早く100%やり切るという手立てをしっかりとっていただきたい。
それで、高齢者施設のクラスターの状況、施設内での療養状況、これはどうでしょうか。おそらく高齢者施設は3回目接種した高齢者多いと思うんですけれども、3回目接種でも感染しているという風に思われますが、その状況も示してください。
【理事心得】
高齢者施設のクラスターにつきましては、1月以降、3月13日現在でございますが、15件のクラスターが確認されておりまして、そちらに含まれる感染者数は374名となっております。施設内での療養状況でございますが、本日現在でございますけれども、高齢者施設内では療養者は23人となっております。
ワクチン3回目接種後の感染につきましては、新型コロナウイルス感染者等情報把握管理システム=HER-SYSによれば、1月から2月の65歳以上の感染者、これは入力がなされていない方を除く有効データということでございますけれども、461名のうち55人、約12%となっております。
【斉藤委員】
分かりました。3回目でも感染している高齢者がいるということで。
・PCR等検査について
【斉藤委員】
PCR等検査体制の実績についてお聞きをいたします。感染者が発生している医療機関、クラスターが発生している医療機関でのPCR等検査体制はどうなっているでしょうか。
【感染症課長】
PCR検査体制についてでございますけれども、新型コロナウイルス感染症による患者が確認された場合の感染情報に基づき、保健所において積極的疫学調査による濃厚接触者の特定を行い、行政検査を実施しているところでございます。医療機関におきましても、感染者が発生した場合も同様の取り扱いとなっておりました。これに加え、濃厚接触者等の行政検査対象者以外でも、院内感染対策の一環として、医療機関独自の判断で、職員や入院患者等に対して検査を実施していることが多いということを承知しているところでございます。
【斉藤委員】
民間医療機関が独自にそういう検査をしている。これは病院もちでやっているんですよね。こういうところにきちんと県の支援が届くようにすべきだと思いますが、検査料を含めて、いかがですか。
【感染症課長】
行政検査で実施したものについては全額公費負担の対象になるということと、医師の判断により診療の一環として実施されている場合については、検査にかかる費用負担の自己負担分を公費負担とさせていただいているところでございますけれども、民間企業を含む職場において、職場の感染対策を( )事業者に対して、定期的な検査を実施する場合については、行政検査の対象にならないことから、その費用については自己負担をお願いしているところでございます。
【斉藤委員】
医療機関で感染者が出た、クラスターが発生したと。しかし、例えば民間で感染症のベッドを持っていないところでも、発生すればそこで診るんですね患者を。そして必要な頻回の検査をやっているんです。医療を継続させるためです。私はそういう点でいけば、そうした病院に対しても、検査料だとか必要な物資だとかきちんと、危険手当も含めて支援されるべきだと考えますがいかがですか。
【感染症課長】
そういったところも含めて、当該病院の意見や保健所の意見を聞きながら調整させていただければと考えてございます。
【斉藤委員】
よろしくお願いします。
それで、感染が今部長の答弁にあったように、高止まりしていると。オミクロン株のもとで、本当に経験したことのないような感染の急拡大が続いているといってもいいと思います。こういう時に、高齢者施設や教育・保育施設、学校で定期的・頻回の検査を実施すべきだと思いますが、どれだけ実施されていますか。されていないとすればなぜですか。
【感染症課長】
高齢者施設等での定期的な検査についてでございますけれども、高齢者施設に勤務する方を対象とする一斉・定期的な検査については、本県がまん延防止等重点措置地域に指定された場合や、地域の感染リスクが高まって必要と判断される場合等に実施することとしており、その頻度は、厚生労働省の事務連絡において、週1回から少なくとも2週に1回とされているところでございます。現在、県内一部の市町村において感染情報に基づく行政検査とは別に、高齢者施設、保育施設ほか、社会福祉施設等にかかる定期的な検査を実施しているほか、国が配布する抗原検査キットや市町村が独自に調達した検査キットを活用した検査が行われているものと招致してございます。
県といたしましては、検査方法を的確に組み合わせて運用するとともに、検査を支える保健所の適切な業務執行体制を確保することなどにより、効果的・効率的な検査の実施を推進してまいります。
【斉藤委員】
3月8日の予算総括質疑で、高田県議の質問に対して野原部長はこう答えました。「我々としても今まさに感染拡大、検査前確率が高まっていますので、従事者の方々に関しましては、国の事務連絡が示す通り、週に1回程度の検査というのは必要性が高まっている時期と認識しており、国や市町村、県の方で調達した検査キットの有効活用について市町村とも連携して使用してまいりたい」と。これ3月8日の答弁です。今まさに感染拡大、そういう状況だと。定期的検査必要だと、こういう答弁でした。これなんでやられないんでしょうか。
【感染症課長】
高齢者施設等における一斉・定期的な検査の判断につきましては、新型コロナウイルス感染症対策専門委員会の見解において、新型コロナウイルス感染症対策分科会が示すステージ3または4の指標を目安とされており、この同分科会が示した新たなレベル分類では、レベル3に相当するものでございます。現時点におきましては、県内の感染状況はレベル3に相当するものではないものの、今後の感染拡大の状況を注視しつつ、必要に応じて専門委員会の意見をうかがいつつ、高齢者施設等の一斉・定期的な検査を行うことを検討してまいります。
【斉藤委員】
いま検討の時期じゃないと思うんですよ。いままさにやるべき時期なんだと思います。
クラスターの発生状況を言いますと、1月は29件・779人、2月は103件・3070人、3月は13日までで57件・1105人。特に一番多いのが学校で71件・1967人、教育・保育施設は57件・1802人、高齢者施設15件・374人、衣料施設6件・194人です。いわば、2月3月どんどん増えているという。特にこれは自主公表されているから言ってもいいと思いますけれども、中央病院の院内保育所でクラスター発生しました。そのために看護師さん等100人が出勤できなくなったと。医療制限せざるを得ないと、こういう事態が今起きているんですよ。保育所で感染・クラスターが出ますと。私は本当にこういう保育所とか必要な学校とか、特に高齢者施設で定期的・頻回の検査をやって事前に防止する、クラスターにならないように食い止める。部長さん、こういう手立てが今こそ必要ではないですか。
【保健福祉部長】
先ほど課長から答弁しております通り、また総括質疑でも答弁した通り、行政検査としての枠組みはそうなんですが、一方で、国や市町村の方で配布しているキットありますので、これはまだ十分活用されていないと我々も認識しておりますので、それについては今まさに活用する時期だと考えておりますので、しっかりある資源について、職員の方々に適切な活用については市町村とも連携しながら活用を進めてまいりたいと思いますし、また行政検査のあり方についてもですね、例えばどの部分にクラスターが多いのか、どういう施設に多いのか、リスクがどういった方が高いのか、そういったことを十分見極めながら検討を進めていきたいと考えております。
【斉藤委員】
ぜひこの2月3月というのは、本当に大変な時期なんだと思います。だからこういう時に後手後手にならないように、ある意味先手先手で手を打つということが必要なのではないかということを強く指摘しておきます。
それで無料検査の状況ですけれども、2月20日段階では15000回でしたが、今もっと進んでいると思いますけれども、この無料検査でも陽性患者の確認状況というのは分かりますか。
【感染症課長】
PCRの無料検査についてでございますけれども、3月6日までの実績が出ておりまして、20428件となっております。この検査において、全体は約1.5%にあたる315件の陽性者を確認しているところでございます。
【斉藤委員】
無料検査、これは無症状の人ですよね。これだけ出ているわけですよね。だから本当に検査が必要だと。だからこの無料の検査をもっと大規模に県民の方が受けられるようにすべきだということを指摘しておきます。
・死者数の推移について
【斉藤委員】
1月以降の死者がじわじわと増えているのではないか。1月以降の死者の数、その要因、分析はどうなっているでしょうか。
【理事心得】
1月以降に亡くなった方、本日まででございますが、13名でございます。全員が65歳以上の高齢者の方で、いずれも基礎疾患をお持ちの方となっております。特に80歳以上の方が9名という状況でございます。
また、クラスターが確認された高齢者施設や医療施設に入院・入所されていた方については、この13人のうちの10人となっております。
【斉藤委員】
やはり高齢者、高齢者施設、この対策が本当に命を守るうえで切実だと。
・自宅療養者について
【斉藤委員】
それでいま自宅療養者が大変急増して2000人を超えております。自宅療養者に対する医療支援、状態が悪化して入院したケースというのは何件あるでしょうか。
【理事心得】
自宅療養者につきましては、マイHER-SYS等を活用した健康観察のほか、保健所や健康観察のご協力をいただいている診療検査医療機関において、電話により健康状態を確認させていただいております。
自宅療養中に調子が悪くなった場合は、そのご協力をいただいている診療検査医療機関におきまして、電話等による診療をして、必要に応じ薬の処方をしていただいております。その上で、自宅療養中に発熱が続き解熱しない方ですとか、食事が思うように摂れない方等、入院となった方につきましては、3月12日現在で58人となっております。
【斉藤委員】
自宅療養者は、希望も多いようですし、軽症も多いということで、本当に1月以降というか2月以降というんでしょうか、新たな対応をしているんだと思います。
そういう点では、全体とすれば効果的な対応になっていると思いますけれども、それでも今答弁あったように58人が入院せざるを得ないということもありますから、自宅療養者に対する、手遅れにならない医療・健康観察の支援、しっかり継続していただきたい。