2022年3月15日 予算特別委員会
医療局に対する質疑(大要)
・県立病院の新型コロナ対応について
【斉藤委員】
最初にですね、県立病院の新型コロナ対応についてお聞きをしたいと思います。本会議でもお聞きをしました。県立病院は、コロナ感染症病症239床確保して、これは全体402床の中で59.4%を占めるということでありました。今年度、また1月以降、コロナ患者の入院受け入れ実績はどうなっているでしょうか。
【医事企画課総括課長】
今年度の新型コロナウイルス感染症患者の入院受け入れの実績でございます。令和3年4月1日から令和4年2月末までの累計で、16病院におきまして1724人の患者を受け入れてきたところでございます。今年1月以降の受け入れ状況でございますが、1月に11病院において272人、2月には15病院におきまして395人の患者を受け入れてきたところでございます。
【斉藤委員】
県立病院は、PCR等の検査もできる病院となっておりますけれども、PCR等検査の実績はどうなっているでしょうか。
【業務支援課総括課長】
県立病院におけるPCR等検査の実績につきましては、南光病院を除く19病院に計35台のPCR検査装置と7台の抗原定量検査装置を配置いたしますとともに、機器が不要で簡易に測定可能な抗原検査キットを適宜併用しながら、本年2月末までの累計では、地域診療センターを含む23施設におきまして、検体採取への協力を含め、県全体の検査件数のおよそ4分の1にあたります45880件の検査に関与し、陽性者の早期発見による感染拡大防止につなげてきたところです。
【斉藤委員】
県立病院は、自前で短時間で検査結果が出るという、そういうことだと思いますので、入院患者の受け入れと合わせて積極的な役割を果たしていると思います。
同時に、今回県立病院を含めて医療機関のクラスターが発生をしています。県立病院でのクラスター発生病院数とそれへの対応、教訓を示してください。
【業務支援課総括課長】
県立病院におけるクラスターの発生状況についてでございますが、これまで2件のクラスター発生を確認しているところでござまして、クラスターの発生を確認した病院におきましては、病棟等の消毒、入院患者や対応職員のPCR検査の実施、当該病棟にかかる入退院の停止などの対応を行ってきたところです。
クラスターの発生要因につきましては、いずれの病院も、入院した時点では発熱などの感染を疑う症状がなかった患者につきまして、入院後に陽性が判明したことによるものなどが考えられ、一般の患者として他の患者と病室等を共有していたほか、職員も標準的な防護策は行っていたものの、個人防護具の着用など感染患者としての対応を行っていなかったことによるものと考えているところです。
クラスターの発生を受けた教訓といたしましては、これまでも厚生労働省の指針をもとに、発熱等の症状や感染者との濃厚接触歴など、感染が疑われる患者に対してPCR検査等を実施してきたところではございますが、クラスターの発生事案を踏まえまして、市中の状況を注視し、感染の拡大が見られる時期等におきましては、入院する患者のスクリーニング検査の実施ですとか、入院患者へのマスク着用の依頼、また職員に対しましては、普段から休憩時等の感染対策の徹底はもちろん、家庭から持ち込まないよう就業前のスクリーニング検査の実施などの感染防止策を行ってきたところでございます。
今後も、クラスター発生病院での経験を全県立病院、全職員で共有しながら、引き続き院内感染防止に努めてまいります。
【斉藤委員】
いま特に保育所のクラスターが3月急速に広がっています。残念ながら中央病院の院内保育所でもクラスターが出て、これは自主公表されていますけれども、100人規模の職員が当面出勤できないという状況の中で、さまざまな規制もあると思いますけれども、これは県立病院全体ではどのぐらいの影響が出ているか分かりますか。
【経営管理課総括課長】
学校等の休校による診療体制への影響についてでございます。中央病院以外では、学校・保育施設などの休校等により直接診療に影響があった事例は発生していないところでございます。
・医師、看護師の増員計画について
【斉藤委員】
新型コロナの対応のもとで、医師、看護師の増員はどう図られてきたでしょうか。
【職員課総括課長】
今年度の医師、看護師の増員についてでございますが、医師につきましては、経営計画において12人を増員する計画に対し23人の増員としたところであります。
看護師につきましては、医療の質の向上で4人を増員する計画に対しまして34人の増員。産育休に対する代替職員確保で15人を増員する計画に対し15人の増員とし、合計で19人を増員する計画に対し49人の増員としたところであります。それとは別に、加えて今年度看護師については、病院間の応援体制を強化するため、県北および盛岡、県央・県南・沿岸の4つの圏域に各8名、計32名を配置するとともに、地域病院の感染症対応強化のため、4つの地域病院に各1名、計4名を配置し、新型コロナウイルス感染症患者の受け入れに対応しているところであります。
【斉藤委員】
私いただいた資料では、今年度の看護師の増員は全体で+9、しかし実績は−10だったと。計画に対して−19となっているんじゃないですか。
【職員課総括課長】
看護部門が当初計画より減員となっている理由についてでございますが、これまで患者数の減少等を踏まえた病床適正化を進めてきた結果、令和3年度までの実績が当初計画の33名を上回る42名の減員となったことによるものであります。一方、病床適正化が当初計画以上に進んだことも踏まえまして、医療の質の向上等にかかる増員を前倒しした通り、今回の見直し案では、計画期間全体で当初計画を18名上回る57名の増員を図ることとしているほか、産育休取得者等に対する代替職員についても、当初計画通り90名の増員を図ることとしており、今後とも看護師の負担軽減、良質の医療提供および医療の安全を確保するための体制整備に努めてまいりたいと考えております。
【斉藤委員】
あのね、昨日いただいた資料なんですよ、私が言っているのは。令和3年度、病床適正化等で59人減らしているんですよ。だからプラスマイナスで−10になっていると。なんでそのことをはっきり言わないんですか。
病床適正化といっても、これは釜石・久慈・千厩、しかしここはコロナ病棟として使っているんですよ。だから減らすどころかそこに配置しなくちゃならなかった。私いま本当に新型コロナで看護師さん、医師も含めて、応援に行ったり自分の病院で看たり、大変過酷な仕事をしていますよ。その時に全体で10人減らすなんていうことがあっていいのかと。おかしいと思いますよ。血も涙もないというぐらいですよ。先ほど答弁があったように、あれだけのコロナの患者を受け入れて、検査もやって、頑張っているわけでしょう。その時に看護師さん減らすと。本当に逆行していると思う。病床適正化で減る分をコロナにまわせばいいだけの話だったんですよ、今回は。結果的にマイナスと。
医療局長、本当にあなた方の表を見て驚いた。増やすどころか減らしているんだから。新型コロナに対応している中で。おかしいと思いませんか。そもそも看護師の増員計画そのものがきわめて少なかった。貧弱だった。それは私は一貫して指摘をしてきた。医療局長答えてください。
【医療局長】
令和3年度は、実際に患者数の減少、それからコロナに対応していくために、3病院で病棟を縮小したところであります。その生まれた看護師をコロナ対応、それからさまざまな医療の質の向上、これは救急体制の強化にも充てております。そういったことで対応しておりまして、結果的には10名減った形にはなっておりますけれども、病棟を減らしているということで回しておりますので、現場としてはそれほど減っているという実感を与えているかどうかということになります。
【斉藤委員】
コロナ患者をあれだけ受け入れているということは、コロナの病棟をつくっているんですよ。釜石もそうでしょう、千厩もそうでしょう。だから千厩どうなったかというと、一般病床1病棟で100%近い患者になっているんですよ。だから減らすどころか、そういうところがコロナに対応してやっているんです。それ以上にコロナ病棟を設置して頑張っているからこれだけの患者が受け入れたんじゃないですか。そういう新型コロナの対応のもとで、本来減らすべきではなかったと。
今どういうことになっているかというと、看護師さんは月8日以内の夜勤が、今年度の第三4半期までに1303人が9日夜勤ですよ。令和2年度は1年間で1112人だった。もうすでに令和2年度の1112人を上回る9日夜勤をやっているんですよ。一方で、超過勤務手当は「申請しづらい」と。私が遠野病院の不払い問題を指摘したのに、県立病院全体でその教訓が生かされていない。1316人の県立病院の職員のアンケートをとりました。ここで「超過勤務が申請しづらい」というのが30%ありました。勤務前の残業、これを申請しているのはわずか8.5%ですよ。ほとんどが勤務前の30分、1時間超過勤務をやっても申請できない。勤務時間が終わってもその後の超過勤務も申請できないという声が多い。最大の理由は、「請求できない雰囲気がある」「圧力がある」ということですよ。
看護師さんの切実な声を1つだけ紹介しましょう。「毎月のように退職者が出ている。人員不足がどんどん悪化している。ベテラン・中堅看護師辞めている。この2年間コロナと闘い続けて、行きたいところも行かず、我慢に我慢を重ね、医療従事者ということもあり、なるべく外出もせず、子どもも遊びに連れて行けず頑張ってきたのに、今度はボーナスカット。はっきり言ってふざけるなと言いたい。なんでいつもしわ寄せ看護師に押し付けるのか」と。やはり頑張っているんだから、ここに応える看護師さんの大幅増員をやらなかったら、看護師さんこれから確保できませんよ。
今年の退職者、普通退職者含めて何人ですか。来年度の採用数あわせて示してください。
【職員課総括課長】
看護師の今年度の退職者の状況でございますが、看護師につきましては141名の退職者数となる見込みでございます。結婚や家族の介護等、家庭事情による普通退職者の増などにより、前年度比で16名の増となっているところでございます。
看護師の今年度の中途採用、来年度の採用見込みでございますが、今年度の中途採用につきましては、職員採用選考試験において採用内定とした者のうちから、計7名の資格所有者を前倒しにより採用したところでございます。来年度の採用見込みでございますが、令和4年1日付で計148名の採用を予定しているところでございます。
【斉藤委員】
今年141名の看護師さんの退職があったと。内訳を言いましょう。定年退職26人、勧奨退職者19人、普通退職者―これが中途退職です。96人ですよ。141人も年間辞めたら、いくら採用したって増員にならないんですよ。今そういう中途で辞めざるを得ない、この職場環境を本気で改善しなかったら、看護学生に県立病院が選ばれないと思いますよ。あそこで働きたいと。頑張っている病院だから魅力あると思いますよ。しかし先ほど私が声を紹介したように、「なんぼ頑張っても報われない」と。そこを抜本的に改善していただきたい。
今度看護職員対象に月4000円やるということは評価をします。しかし一時金のカットで年間47000円減るんですよ。47000円減ったらプラスマイナスでマイナスなんです。ここも大きな問題で、せっかく国が看護師の処遇改善だと言っているときに、その看護師の一時金は大幅にカットして、こういうやり方もまた見直すべきだと。
最後時間がないので、局長、本当に看護師さんが元気で、希望を持って働ける職場にすべきだと思いますけれどもいかがですか。
【医療局長】
前にも答弁した通り、一時金の引き下げについては、給与改定については、地方公営企業法などで定めるルールが示されておりますので、人事院勧告を尊重した県職員の給与改定に準じて取り扱うことが適当と考えたものであります。
職員のコロナ対応などのご労苦などに対しましては、防疫等の作業手当の額を特例で引き上げているほか、職員に対する人事考課や表彰などで配慮しているところでございます。
今後も、モチベーションとなるような必要な対応を考えてまいります。