2022年3月22日 文教委員会
教育委員会に対する質疑
(大要)


・県立高校におけるタブレット配備について

【斉藤委員】
 最初に、県立高校におけるタブレット端末の配備についてお聞きいたします。
 保護者から私のところに連絡がありました。高校受験生にこういうチラシが配られたと。これどういうものかというと、「生徒1人1台端末を活用した新たな学びを推進していきます」と。それで、3種類のパソコンを「買える人は買ってください」と。これ「買ってください」というチラシなんですよ。高校入るだけで、制服とかその他20万30万経費かかっているんですよ。「さらにパソコンだとかそういうものを買えというのはあまりにもひどいんじゃないか」というお話でした。ここには「必ず個人所有の端末を購入することを求めているものではありません」と小さく書いています。しかしこれは「買ってください」というチラシなんですよ。3種類の規格も示して。こんなチラシ配ったら、買ってくださいということにしかならないんじゃないですか。なんでこうなったんですか。

【教育企画室長】
 生徒1人1台端末の通知でございますが、県立学校におきましても、1人1台端末を活用した新たな学びを推進するために、公費で整備した端末のほか、令和4年度から個人所有端末を学校でも使用できるようにすることといたしまして、県立学校の生徒および、委員からご紹介ありましたけれども、来年度の新1年生となる中学校3年生への周知のためのパンフレットを作成し、2月に通知を各学校にしたところでございます。通知の中では、1人1台端末やアプリケーションの活用イメージを紹介するほか、生徒がすでに所有している端末、あるいは今後購入を予定している端末が学校で使用できるかどうかを判断する際の参考としてお知らせしたものでございまして、委員からもご指摘がございましたが、新たな端末の購入を求めるものではないという風に注意書きもしてございます。

【斉藤委員】
 簡潔明瞭に答えてください。時間がないので。これは「買ってください」というチラシなんですよ。さっき私が言ったように「必ず個人所有の端末を購入することを求めているものではありません」と。「必ず」ですよ。「できれば買ってください」という意味でしょう。
 どのぐらいの規格かというのを調べてみました。だいたい7万円ぐらいしますね。レベルは決して高くないので、個人所有だったらもっとレベルの高いものを買いますよ。そうすると10万円以上します。
 なぜこんなことになるかというと、高校生の7割しかタブレット配備しないからなんですよ。全国の状況をどう把握していますか。すべての高校生に配布するという県は、私の把握だと18県、青森・秋田含めて。「自費購入を含めて」というのが21道県で、「検討中」が8県になっていましたが、把握していますか。

【教育企画室長】
 文部科学省が2月に調査した結果によりますと、設置者負担を原則とするのが24自治体、保護者負担を原則としているのが23自治体。東北で見ますと、秋田・青森・山形は設置者負担、宮城・福島は保護者負担を原則という形になってございます。

【斉藤委員】
 24県が設置者負担ですよね。これ県負担です。なんで岩手県はそうしないんですか。中途半端な7割しか確保しないと。おかしいんじゃないですか。平等な教育にならないんじゃないですか。小中は全員ちゃんとやるわけだから。なんで7割なんですか。他の県のようにやったらいいじゃないですか。

【教育企画室長】
 先ほど申し上げましたが、調査結果、生徒の3割は所有している状況にあるということで、その使い慣れた端末を学校でも使用できる、あるいは高校を卒業して進学・就職した後でもそのまま端末を使用できるという良さもありますことから、そういった整備の割合としたものでございます。

【斉藤委員】
 全国は24県で一番多いんですよ、設置者負担でやることが。小中はみんなに届くようにやっているじゃないですか。なんで岩手だけ3割の人は自分もち。ましてやこれから高校に入る子どもたちが3割持っているという保障1つもないじゃないですか。これ目的違うんですよ、個人所有というのは。学校で使う程度というのは限られているんですよ。
 教育長、なんで7割なんですか。多数の県のように、全高校生にきちんと配備するようにやるべきじゃないですか。

【教育長】
 東北各県でも100%設置者負担というところもございます。本県でも可能であればそのような形も目指したいところではございますが、これは小学校・中学校については義務教育ということ、それに対して高校については義務教育ではないということも1つはございますし、それから財政状況も非常に厳しい中で、いかに活用等を踏まえていくかと。本県ではWi-Fi整備とかICT機器の整備を進めてまいりました。そういったところで、既存の自己所有の物もうまく活用してやっていきたいという考え方でございます。

【斉藤委員】
 全国でも多数が、東北でも半分以上が設置者負担でやっているんだから、3割の人にはタブレットありませんと、こういうやり方はおかしいと。この指摘だけにとどめておきます。このチラシは「買ってください」というチラシですよ。これおかしいですよ。こういう生徒を選別するようなやり方はやってはいけないと。

・福岡工業高校と一戸高校の統合問題について

【斉藤委員】
 次に高校再編問題についてお聞きいたします。
 教育長にお聞きします。本会議の答弁で、「入学者選抜の結果を受けて、入学者の分析・検討をします」となっておりました。これいつやるんですか。

【教育長】
 入学者の状況分析でございますけれども、今後また二次募集が行われることとなってございます。その二次募集の結果、入学者が確定した後に行いたいと考えてございます。

【斉藤委員】
 福岡工業高校と一戸高校の統合計画は、この2年間の福岡工業高校の入学者、そして資格取得の実績、部活動も素晴らしい実績をあげています。統合する理由がなくなったと思います。高校生のそういう努力、実績、そして二戸市の通学費負担の支援、こういうことを含めたら、福岡工業高校を2学科を1学科に減らして専門高校の機能を大幅に縮小するようなやり方をやるべきじゃないと思いますが、教育長、この2年間の実績どう受け止めていますか。

【教育長】
 本年の入試ですね、60人の受験生と合格者ということになってございまして、前年度より増と。これは委員ご指摘の通り、資格取得の実績も素晴らしいものがございますし、それから二戸市における学校の魅力発信であるとか通学支援の取り組みということで、それがこの一定の受験者数の増に至った面もあるととらえてございます。

【斉藤委員】
 二戸ブロックの合格者を見ますと、1学科分減っているところが、軽米高校・福岡高校・一戸高校です。40人以上欠員になっている。福岡工業高校は2年連続して2学級維持しているんですよ。増やしているんですよ。この二戸ブロックの中で、見直すんだったら今言った40人以上欠員になっているところを学級減にするとかというのが筋じゃないですか。2学科というのは、専門高校で最低ギリギリのところだと思います。専門教育を維持する上で。維持している福岡工業高校の学科を減らして統合するという根拠は、二戸ブロックだけ見てもないと思うんだけれども、教育長、見直すことを検討すべきじゃないですか。

【教育長】
 今これまでの取り組み等について評価をさせていただきました。そして私どもが将来の二戸ブロックの中学卒業予定者数の減少というものが大幅に見込まれていくという中で、その地域における多様な学びの選択をしっかり確保していかなければならない。これは他の学校のさまざまなより良い教育環境の整備という面でもですね、さまざま課題を抱えてございます。そういった中で、今後県北地域の、特に二戸地域のですね多様な学びの確保ということについては、しっかり地元の二戸市および関係者とも丁寧な意見交換を行いながら進めて、慎重に判断しながら進めていきたいと考えてございます。

【斉藤委員】
 高校再編計画については、最終計画が決まる前から地域検討会議をやって、地元は一貫して福岡工業高校の存続を求めていたんですよ。一貫して求めていました。そして結果も出した。そして高校再編計画の基本的な考え方、何回も言いますけどこうなっているんですよ。「生徒の希望する進路の実現、地域や地域産業を担う人づくり」これが基本的考え方です。福岡工業高校で学びたい、資格を取りたい、部活動もやりたい、だから入学者が増えているんです。そして唯一の専門高校ですから、今年は県内就職率も高めました。就職もちろん100%です。高校再編の考え方からいって、この方針をその通り実施している福岡工業高校を統合したり学科減ということは、あなた方の方針からいったっておかしいんじゃないですか。

【教育長】
 福岡工業高校の専門校としての取り組みというものは素晴らしいものがあると思います。また一方で、中学卒業予定者数が減っていく中で、いかに県北地域、二戸地域の地域産業を担う人材育成という観点に立てば、専門高校である工業の学び以外にもですね、農業・商業・福祉関係の学びと、そういった系列のがございますから、それを今後の生徒数の減少に応じたより良い教育環境を維持していくんだということがございます。そういった意味でも、これからさまざま進めていくわけですけれど、やはり地域や地域産業の担い手をいかに育成していくか、それを地域の方々とともに話し合いを持って検討を進めていきたいと考えてございます。

【斉藤委員】
 実は生徒減少は二戸ブロックだけじゃないんです。すべてのブロックで。私は再編計画を決めるときに言いましたけれども、今回の最終計画というのは統廃合計画しかなかった。統廃合計画ないところは生徒減少があっても何も手を付けないというのが高校再編後期計画なんですよ。あなた方本当に片手落ちなことを言って、統合だけを進めたいというのが最終計画でした。二戸ブロックに限って見れば、一番の矛盾は実績も成果もあげている福岡工業高校を2学科から1学科に減らして、統合してしまう。これは実態からも、実績からも、まったく矛盾していると私は指摘をしてきた。
 県教委の信頼が問われていると思いますよ。生徒が、学校が努力して、国家資格取得でも全国トップクラスで、就職も県内就職も高めて、部活動でも素晴らしい実績をあげているんですよ、2学科で。そして二戸市が福岡高校も工業高校も守ろうといって、通学費の半額を補助すると。こういう努力にあなた方が応えなかったら、県教委の信頼を失いますよ。そういう現場の努力に背を向けるようなことをやったら。このことは厳しく指摘をしておきます。
 今までの県教育委員会は、そういう地元の努力があったところは統廃合してこなかった。久慈工業高校だってそうでしょう。今回だけは「見直し」と言わないんですよ。教育長の姿勢にかかってますよ。そういう現場の努力に応える県教委であってほしい。

・不来方高校バレー部員自死事件にかかる顧問教師の処分問題について

【斉藤委員】
 不来方高校自死事件の問題であります。
 これは今日は3回目ですから、本会議での答弁、先の常任委員会での答弁を踏まえて聞くので、同じ事を絶対答弁しないようにやってください。主に教育長に聞きます。
 顧問の教師の処分のための調査は、どう行われてきたでしょうか。残された調査は何でしょうか。

【教育長】
 本事案にかかる懲戒処分等の措置に向けてですね、当該校の事案、その他にも不適切な指導がなかったか、これは前任校赴任時までさかのぼって、元部員等多くの関係者を対象として調査を行っているところでございます。

【斉藤委員】
 具体的にどこまで調査をやってきたかと聞いているんですよ。教員の調査は何人やったのか。当時の部活の部員の調査は何人やったんですか。通告しているんだから。正確に答えてください。

【教職員課総括課長】
 これまでの調査では、約80名の元部員の方々に事実関係の調査の協力をいただいているところでございます。

【斉藤委員】
 まじめに答えてください。80人のうち何人答えたんですか。教職員は何人調査して答えているんですか。

【教職員課総括課長】
 先ほど申し上げました通り、80名の方の協力をお願いしているとことでございまして、その状況につきましては、これから調査お越しいただく方、あるいは調査していただいた方への影響も考えなければならないということを考慮させていただきまして、その詳細につきましてはお答えしかねるところでございます。
 教員は、県関係者ではございますが、35名となってございます。これにつきましても調査の中身につきましては、措置への影響がございますので、差し控えさせていただきたいと思います。

【斉藤委員】
 そんな答弁拒否しちゃだめですよ、この期に及んで。3年8ヶ月経過しているんですよ。本来なら免職処分される顧問教師が今も給料もらっているんですよ。あなた方の怠慢だと私は指摘してきた。調査の状況も答えられない。中身を聞いているんじゃないんです。80人の部員、何人の聴取ができたのか。35人の教員の何人の聴取ができたのか。答えられないんですか。

【教育長】
 ただいまのご質問につきましては、これまで協力していただいた方、これから聴取日程を調整して、協力をいただく予定を立てている方もございます。そういった方々との聴取に応じる対応等にも支障等がないように配慮する必要もございますので、その点について答弁を控えさせていただいているところでございます。
 ただ一方では、これからも処分に向けた調査、対応等についてはですね、これまでの遅れ等もございますので、スピード化を図って誠心誠意対応してまいりたいと考えてございます。

【斉藤委員】
 3年8ヶ月経って、調査の状況も答えられないと。部員のことについて言えば、2018年6月に仙台高裁で陳述書が出された。この中身は本会議でもリアルに紹介をしました。この陳述書、日常的な暴力・暴言の実態が確認されたら、これは証拠採用されているものですからね。十分懲戒免職に当たる陳述だと思いますよ。80人も調査しなければ裏付け取れないなんてことは絶対にない。ましてやあなた方の管轄下に教員の調査が35人でしょう。終わっているでしょう普通。3年8ヶ月も経っているんですよ。陳述書は、第4回の策定委員会の時にあなたがくれた。何ヶ月経っていると思うんですか。もう5ヶ月6ヶ月経っているんですよ。それで調査が進まないっておかしいじゃないですか。
 教育長は本会議で「速やかにやります」と。顧問教師とも協議が整って、聴取もやりますと。どのように協議が整って、いつやれる見通しなのか。いつまでにあなた方はこの調査をやり切るのか。ここをはっきり示してください。

【教育長】
 まず、部員等に対する質問につきましては、先ほどのような形での答弁にさせていただきたいと思いますが、教職員に関しましては、ほぼほぼ聴取等は進んでございます。
 それから当該顧問に対しては、現在聴取の日程、具体的な日程についても詰めてございます。そういったことから、当該顧問に対するヒアリング等も行い、そしてこれまでの調査結果等も踏まえて、できるだけ早期に判断できるよう努めてまいりたいと考えてございます。