2022年8月2日 文教委員会
教育委員会に対する質疑
(大要)


・県立福岡工業高校の統合問題について

【斉藤委員】
 若干高校再編について、補足して聞きます。
 1つは、7月21日に二戸市長・二戸市議会議長が知事に対する要望書を出しています。この要望書の14項目目が「県立福岡工業高校の単独校での存続と2学科の維持について」という中身でありました。15項目目は「県立福岡高等学校校舎の全面改築について」と。この要望を把握しているでしょうか。どのように受け止めていますか。

【教育長】
 詳しい日にちまでは存じ上げていないんですけれど、市町村が振興局を通して、要望内容については全て聞いておりまして、その時点と、実際に今回の一戸高校との統合にあたってですね、2学科2学級維持での統合については、地元としても最終的にはその方向でということになったということで、その時点、日程の違いだと受け止めております。

【斉藤委員】
 5月13日に一度要望が出て、これは7月21日だからまったく最近なんです。それでもこういう形で単独校での存続と2学科の維持が出てくるというのは、思いがここにあるということなんですよ。統合計画は、1つは決まったことだと。これについて2学科2学級維持ということが県教委の対応として示されたので、統合については柔軟に対応するということだけれども、知事要望でこのように出されたという思いはしっかり受け止めていただきたい。
 福岡工業高校が新しい校名になったときに、福岡工業高校のこれまでの実績、これが本当に継続されるのかと。私はかえって、せっかく今まで頑張ってきた実績の継承というのが、逆に困難になるんじゃないかと感じを受けています。福岡工業高校にしてみれば、これは単独存続の方が2学科維持の展望は開けると、私自身もそう思っていますので、これはすぐに答えられないでしょうけれども。
 あとは、福岡高校の全面改築についてはいかがでしょうか。

【学校施設課長】
 委員ご指摘の通り、福岡高校はかなりの年数が経っておりまして老朽化していると承知しております。いま全県的な、トータルでどうしたらいいかということを検討しているところでございます。

【斉藤委員】
 これも統合と関わるんですけれども、特別支援学校を単独校で整備すると。この計画は現段階でどうなっていますか。

【特別支援教育課長】
 二戸地区の小中高一体型の特別支援学校については、福岡工業高校敷地内に設置する方針を定め、具体的な整備内容について検討を進めているところでございます。
 今後は、児童生徒数の推移見込みに応じた施設設備、教室の必要数や配置、開校に向けたスケジュール立案等について検討を進めていくところでございます。

・学校における新型コロナウイルス対策について

【斉藤委員】
 次にですね、学校における新型コロナの感染状況と対策について、感染状況、クラスターの発生状況、県教委と学校の感染防止対策、対応状況について簡潔に答えてください。

【保健体育課総括課長】
 学校における感染状況についてでありますが、8月1日時点の公立学校における感染状況は、児童生徒11276人、教職員676人、クラスターの発生は162件でございます。
 感染防止対策、対応状況についてでありますが、学校は現在夏期休業中でありますが、夏期休業に入る前に、7月12日文部科学省から「夏期休業期間中における留意点」が示されたことから、7月13日付で各県立学校・各市町村教育委員会宛に通知したところでございます。内容につきましては、部活動について、共用エリアの一斉利用や部活動前後での集団での飲食を控えるなど、学校・プール等の解放にあたってについて、熱中症事故の防止について、家庭・保護者に対して、体調不良等が見られる場合には自宅で休養するなど理解・協力を呼びかけるなど、改めて感染症対策の徹底について周知したところでございます。

【斉藤委員】
 7月が全国も県内も感染爆発というべき状況で、いま児童生徒11276人とありましたけれども、7月だけで3241人、これは今までの最高が4月の1933人でしたから、1.5倍以上の感染者でありました。クラスターはこれまでで162件ですけれども、7月は32件ということで、この32件のクラスターの特徴、部活動関連が多いのか、家庭内から学校に持ち込まれるケースが多いのか、そういう特徴が分かれば示してください。

【保健体育課総括課長】
 感染の状況についてでございますが、感染の場面を分析すると、教育・保育施設で子どもが感染し、次に同居する家族が感染し、兄弟・姉妹が通う学校に感染が広がっているケースが多数確認されているところでございます。

【斉藤委員】
 それで、臨時休業等の措置状況について、7月1日以降でいいのでどういう状況でしたか。

【保健体育課総括課長】
 臨時休業についてでございますが、昨日8月1日時点におきまして、公立学校における臨時休業は150校・延べ187回でございます。あわせて学級閉鎖は、184校・延べ442回、学年閉鎖につきましては、139校・延べ179回でございます。

【斉藤委員】
 7月以降はどうだったかと聞いたんですけれども。

【保健体育課総括課長】
 臨時休業等の措置状況、7月以降についてでございますが、学級閉鎖は39件、学年閉鎖については22件、臨時休業については5件でございます。

【斉藤委員】
 今朝もらった資料でも、昨日一日の生徒の感染が108人と。学校は夏休みなんですけれども、こういう規模で出ていると。7月の多いときは170〜180だったと、こういう報告を受けております。夏休みに入ってもこういう感染が継続しているので、しっかり必要な感染防止対策は徹底していただきたいし、インターハイ始まっていますし、国体の予選なんかも始まると思うんですけれども、各種大会での感染防止対策を徹底していただきたい。いま最高の感染リスクの時期を迎えていますので、今まで以上の徹底を強く求めたいと思います。

・不来方高校自死事件の処分問題について

【斉藤委員】
 次に、不来方高校自死事件の処分問題について、改めてお聞きしたいと思います。
 この顧問教師は免職処分になったんですけれども、その理由は「生徒に対する不適切な言動」ということでした。しかし処分規定を見るとですね、「生徒に対する不適切な言動」だけで、「免職」というのはないんですよ。「そういう不適切な言動が生徒に対して重大な心理的・精神的打撃を与えた場合」、こうなっているんですよ。ところがあなた方の発表した文書にはそれがないし説明もない。
 そこでお聞きしますが、それでいいんですか。懲戒処分の基準から見て、不適切な言動の様態だけで、免職処分にならないんじゃないですか。不適切な言動が、この対象の生徒にどういう精神的、さまざまな打撃・影響を与えたのか。それをどのように教育委員会は判断したのか示してください。

【教職員課総括課長】
 この元顧問教諭の言動と被害生徒の自死との関係についてでございますが、第三者調査委員会、これは県教育委員会は重く受け止めていると前回も答弁させていただいておりますが、この調査報告書によりますと、自死した生徒に対する元顧問教諭が発した、「バレーするな」とか「背が一番でかいのにプレーは下手だな」など、一連の発言というのは、「人格を否定し、意欲や自尊感情をも奪う発言だった」と評価されています。中でも、「セッターとミドルのせいで負けた」という発言につきましては、「試合に負けた責任を被害生徒らに押しつけるとともに、自信を喪失させ、自尊感情を奪い、人格を否定するもので、独善的かつ精神的負荷を与える発言である」と評価されているところでございます。さらに報告書では、「被害生徒が3年生になった4月以降、厳しさを増し、集中的に行われるようになった元顧問教諭の叱責が被害生徒のバレーボールに対する意欲を害され、さらには自分の運動能力への劣等感と、大学のバレーボール部でやっていけるはずがないという思いを増大させ、絶望感を一層深めさせることになった」とされているところでございます。

【斉藤委員】
 だったら、不適切な言動が生徒の自死にどう関わったかということを、処分理由で明記すべきではないんですか。それがなくて、ただ、こういう発言をした、これだけで懲戒免職になるわけないでしょう。
 私は懲戒処分の処分例をいただいたけれども、こう書いているんですよ。「不適切な言動」、「児童生徒を傷つけ、または児童生徒間のいじめを助長するなどの不適切な言動、かつその対応が特に悪質であった職員、もしくは常習的に行っていた職員または当該不適切な言動により、児童生徒に重度の精神的苦痛を与えた職員」は「免職」または「停職」なんですよ。ここが大事なんですよ。「児童生徒に重度の精神的苦痛を与えた」、その認定がなかったら免職にならないんですよ。そこが曖昧だと思う。第三者委員会の調査結果は、いま答弁した通り書いていますよちゃんと。だから、あなた方がそれを重く受け止めるんだったら、直後に懲戒免職処分に値したということなんです。だらだらと4年間も放置することは間違いだったと言わなければならない。そしてあなた方が4年間もかけて、処分するときに、不適切な言動を箇条書きに並べただけで「免職処分」というのも、あまりにもお粗末じゃないですか。これ教育長に聞きましょう。不適切な言動を列挙するだけでは免職処分になりませんよ。懲戒処分規定からいっても。そのことをきちんと明記すべきだったんじゃないですか。

【教育局長】
 ただいま、免職の基準として不十分じゃないかというお話があったと。先ほど、免職とした数々の言動については八重樫参事の方から説明があった通りでございますが、これらの非違行為は、県教委が定めております懲戒処分等の標準処分例におきまして、標準的な認定を「免職」または「停職」とする、児童生徒に対する不適切な言動に該当する行為であると判断いたしました。さらに本事案については、その至る経緯において、前任校の事案にかかる一審判決におきまして、部活動指導の一部の違法な行為または社会的協調性を欠く行為と認定され、元顧問教諭のこれを承知していたにも関わらず、再び同様の行為を行った等の事情を考慮して、懲戒免職処分といたしましたところでございます。

【斉藤委員】
 なんか正面から答えてくれないんですね。私が処分規定を今説明したじゃないですか。不適切な言動が児童生徒に重度の精神的苦痛を与えた―その場合に「免職」「停職」なんですよ。そこがはっきりしなかったら、不適切な言動だけでは免職にならないんですよ。ここが本質的な問題です。
 もう1つは、盛岡一高事件ありましたが、盛岡一高事件は一言も触れられていないじゃないですか。それで、盛岡一高事件の処分がきわめて不正確だった。裁判で明らかになった暴言・暴力の実態をあなた方は調査しないで処分をした。それが被害を大きくしたんだと思いますけれども、その点についてはいかがですか。

【教職員課総括課長】
 一高、前回の処分につきましては、前回6月の議会の中でも答弁させていただきましたけれども、数ヶ月にわたる生徒への不適切な言動および体罰ということで減給処分としたものでございまして、今回の処分と比較しますと、対象となる期間が短かったということと、前歴、前回の処分の前に処分されたというようなことがなかったという事情を踏まえてそのような処分としたものでございます。

【斉藤委員】
 私は何度も聞いているけれども、盛岡一高事件の調査は終わっていないんですよね。あなた方は今調査しなくちゃならない。調査不徹底の中であの中途半端な処分を決めた。これはきわめて重大だと思います。
 そして新たな赴任先の不来方高校で、同じようなことをやって、ああいう自死事件を起こしてしまった。盛岡一高に対する県教委の対応、この不来方高校への転任問題、不来方高校への指導の問題、裁判に対する対応、県教委の責任はきわめて重大だと思いますよ。県教委の対応の検証・調査、処分、これは速やかにやると、7月1日には答えていますけれども、どういう調査が今行われて、速やかにいつ頃、これは処分をする予定ですか。だいたい処分される人たちが調査したらだめなんです、本当は。そこは明確にして、県教委自身がそこを反省をして、徹底した解明を行うということが必要だと思うけれども、県教委のこれまでの対応、そして調査・処分の見通しを示してください。

【教職員課総括課長】
 一高事案の部分についての調査、これは処分ということではなくて、どういうことが問題点だったとされたのかという部分につきましては、いま現在、岩手モデル策定委員会の部会の中で、外部委員の参画を得ながら、前任校の事案を含めて解明を進めているところでございます。7月17日に開催されました第6回策定委員会におきましても、外部委員さんの方からご意見等をいただきました。その意見を踏まえて中間報告としてまとめた内容から、さらに確認を要する点等につきまして、当時の関係者にも再聴取を実施しているところでございます。今後再聴取により確認された事実につきましては、外部委員と共有の上で、当時の学校および県教委における対応状況や、不足した点を改めて整理して、再発防止の検討につなげていきたいと思っております。
 あとは、処分有無につきましては、この策定委員会とは別に、処分権者として速やかに調査を進めた上で検討を進め、できるだけ早期に処分の実施ができるように進めていきたいと思っております。

【斉藤委員】
 私7月17日の策定委員会を傍聴しました。7月8月に調査をすると。9月の策定委員会に報告すると。ということは、県教委の対応の問題点、処分も、それとは別に、それ以上遅くならない形でやられると、こう理解していいですか。

【教職員課総括課長】
 先ほども答弁させていただきました通り、できる限り速やかに調査を実施できるように進めていただきたい思っております。