2022年10月24日 決算特別委員会
商工労働観光部に対する質疑(大要)
・物価高騰対策、中小企業対策について
【斉藤委員】
それでは物価高騰対策、中小企業対策についてお聞きをいたします。
最初にですね、昨年度の事業者支援の実績はどうなっているでしょうか。
【経営支援課総括課長】
令和3年度に実施いたしました主な事業者への直接的支援の実績でございますけれども、中小企業者に対する支援として実施した「地域企業経営支援金」の実績は、令和2年度第7号補正予算によるものが、7,460事業者に対し30億9,000万円余の支給、令和3年度第2号補正及び第6号補正予算によるものが、10,671事業者に対して36億6,000万円余の支給となっております。
このほか、「いわて飲食店安心認証制度」の認証を受けた飲食店に対する10万円の経営支援金の支給実績につきましては、4,137事業者に対し、4億7,000万円余の支給となっております。
【斉藤委員】
昨年度は合計しますと70億円を超える事業者支援をやったんですよ。ですから、事業所調査、毎月の調査で何が一番使われているか、第1位は地域企業経営支援金だった。県の補助が一番使われた。これが中小企業を支えた。今年度はどうなっていますか。
【経営支援課総括課長】
令和4年度に実施しております主な事業者支援の取り組みと実績についてでございますが、4年度の2号補正で予算措置した貸切バス事業者運行支援緊急対策交付金事業でありますが、9月末現在、65事業者に対し2400万円余、同じく2号補正で予算措置した運輸事業者運行支援緊急対策費事業の9月末現在、652事業者に対し2億6000万円余を支給したところであります。
3号補正で予算措置した物価高騰対策支援金の10月21日現在は、原材料等支援金が10件・125万円、家賃が33件・281万2千円、合計で43件・406万2千円の支給となっております。
【斉藤委員】
運輸関係は若干ありましたけれども、その他の事業者にはたった10億円ですよ。それが使われていない。使えない。深刻な話ですね。先ほど答弁があったので、今回の物価高騰支援金ですね、改めて、原材料支援金が10件・125万円、家賃等支援金が33件・281万円と。これは使われない、使えない制度だということなんですよ。書類が少し改善されれば使われるか、そういうもんじゃないですよこれは。事業者から聞けば。周知徹底されないから使われていないんじゃないんです。制度を調べたら「使えない」と。これが事業者の声ですよ。これは申請期限が11月30日、あと1ヶ月しかありません。使われないままになったら大失敗でしょう。見直しするというんだったら今すぐ見直ししなかったら、使われないまま終わりますよ。本会議でもやりとりがあって、見直すという答弁がありましたが、いつまでに、何をどう見直すんですか。
【経営支援課総括課長】
物価高騰対策支援金の制度の当初の趣旨でございますが、物価高騰は等しくどの事業者の方にも影響が生じております。その中で特に売上の減少が生じて収入も減る、コストが上がるという事業者の方が存在いたしますので、その方々に対しましての支援金ということで設定をさせていただいたものでございます。
先ほどの答弁の繰り返しになりますが、家賃等支援金につきましては、売上減少、これは過去の地域企業経営支援金と同じ要件でございますが、売上が減少し、 一品目でも上がっていれば家賃等支援金の申請は可能でございます。
そのあたりの流れについて、まだまだ私どもの説明が不足しているということでございますので、先ほどの具体例でもタマネギやジュースなど申し上げましたが、1個でも上がっていれば家賃等支援金の方はお使いになれます。そのあたりを詳しく広く丁寧に、まずは御説明してまいりたいというふうに思っております。
そのうえで、確かに書類の方が多くなっているところはあるかと思いますが、早急にそのあたりは改善を図りながら商工指導団体と連携して周知を行い、広めてまいりたいと思います。
【斉藤委員】
11月30日までの申請期限になっているんだから、そして原材料支援金はたった10件でしょう。だいたいこのチラシを見て、10万円〜50万円未満の上昇額の場合は定額5万円、50万円〜100万円未満の場合は10万円、100万円〜150万円未満の場合は15万円ですよ。50万円未満でたった5万円しか出ないんですよ。それを前年の単価と比較して5品目、物価上昇分いくらかと。こう計算して出すんですよ。とてもやってられないと。2ヶ月分調べるんだから。だいたい今市町村はどうなっているか把握していますか。深刻なのは、大船渡市と滝沢市は、県の支援金を受けていることを条件にしているんですよ。だったら使えないでしょう。これは罪深いですよ。八幡平市は一律10万円、釜石市は10万円以上の物価高騰があったら5万円、花巻市は飲食店ですけれども10万円、紫波町は5〜20万円。面倒なことをしないで、だいたい10万円以上の物価高騰分があったら支援しますと。物価高騰なんて分かっているんだから公的資料で。そんなものを事業者にいちいち単価計算させて2ヶ月分出させるなんて、こんなことやるべきじゃないですよ。本当に今月中にもこの見直しをしなければ、10億円使われないまま残ってしまう。県政に汚点を残してしまう。去年70億円も立派な制度を作った商工労働観光部がこんなことでいいんですか。部長に聞きましょう。本当に汚点残しますよ、このままやったら。
例えば、53億円の新たな地方創生臨時交付金を活用して、額も増やして、もっとシンプルな支援制度にすべきではないですか。そういうことは考えてますか。
【商工労働観光部長】
現在の物価高騰対策支援金につきましては、今定例会の一般質問でも答弁いたしましたとおり、限られた財源の中で制度構築してきたものでありまして、委員のおっしゃるような、物価高騰は皆分かっているから何も確認せずに一律10万円を配るというような仕組みにした場合には、今の予算では全く足りなくなるという問題がございましたので、物価高騰に対して一定の要件をつけて限られた財源という中で、実績が低いというのは委員のおっしゃるとおりでございます。
こうした状況を踏まえまして、課長答弁しているとおり周知徹底等はしていきますが、国も10月末を目途に総合経済対策を策定し公表するということを聞いておりますので、その内容を十分に踏まえまして、必要な支援策等がどういうものがあるかといった検討も併せて進めてまいりたいと考えております。
【斉藤委員】
国の経済対策を待っていたら来年の話になりますよ。年内のものにならないんだから国の経済対策は。だから私が提起したように、53億円の臨時交付金を活用して、上乗せして、先ほども紹介したけれども、釜石市だって花巻市だって「物価高騰分の10万以上の上昇分があれば」となっているんですよ。まったく無条件とは言っていないんですよ。これだけ物価高騰しているんですから、だいたい影響額はっきりしているんです。
そういう意味で、本当に使いやすくて、即効性がある、そういう対策を年内に講じる必要があるのではないかと。これは私の提案です。国の経済対策は国の経済対策でちゃんとやればいいんですよ。ただ、これから出てくる、これから審議をされる。12月に決まるんですよ。年内のものにはならないんですよ。そういう意味で、年末をどのように乗り越えるかということをぜひ真剣に検討していただきたい。
・全国旅行支援について
【斉藤委員】
次に、全国旅行支援の取り組みについてお聞きしたいと思います。
第3弾の事業費の内容と、県内宿泊施設・旅行会社にどう配分をされたのでしょうか。
そして、テレビ・新聞のニュースを見ますと、花巻温泉は翌日に予約停止。同じニュースで400施設が予約停止と。これは翌日の話ですよ。この実態はどのように把握されていますか。
【プロモーション課長】
いわて旅応援プロジェクト第3弾の実施にあたりましては、国からの補助金の予算の残額、約21億円を事業費として開始したところでございます。
事業費約21億円のうち、クーポンの印刷経費や事務局運営費など必要な間接経費を除いた約18億円をいわて旅応援プロジェクト第3弾の割引原資としてございます。
そのうち、国からの指示を踏まえまして、団体旅行枠を2割設定したうえで、今回OTAを含む全国の旅行事業者が参加対象となることから、令和2年度に国が実施したGoToトラベル事業の実績を勘案しまして、全国の旅行事業者と県内宿泊施設に7対3の割合で原資を配分したところでございます。
予約停止の状況につきましては、第3弾では、県内宿泊施設につきましては、予約数が割引原資の配分額に達した場合に、事務局に報告をもらい、専用サイトで割引商品の販売が終了した施設としてお知らせしているところでございます。
10月21日現在、63施設、全体の約15%の施設が割引対象商品の販売が終了したものと把握してございますけれども、報告していない施設もたくさんあると承知しておりますので、随時情報収集しながら把握したいと思ってございます。
【斉藤委員】
全国旅行支援、これは県民も、そして旅館・ホテルも期待したんだと思うんですよ。ところが1日2日で予約停止になってしまった。今の答弁聞いたら63施設と。ニュースで400施設と言っているんですから、あなた方の把握があまりにも貧困といいますか、事態の重大性を把握していないんじゃないか。だいたい400施設といったら主な旅館・ホテル全部ですよ。
そこで、やはり配分方法が問題だったんじゃないかと。7:3にしろという国の指示はなかったんじゃないでしょうか。
【プロモーション課長】
先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、今回全国拡大ということで、OTAを含む全国の旅行事業者が参加対象となることから、GoToトラベルの数字を参考にしましたけれども、今回の予約停止の状況等もございますので、旅行会社、宿泊施設の状況も勘案しながら、次回の配分については検討していきたいと考えてございます。
【斉藤委員】
追加配分15億円余が配分をされてですね、これについてはあまり制約がないということも聞きましたが、思い切って県内7・旅行会社3ぐらいの配分にしてやる必要があるんじゃないか。ただ、そうやったとしても、この規模は1日2日の規模になってしまうんじゃないか。だから、全国的には12月末までの取り組みなんですから、本当に12月まで継続実施できるような思い切った財源措置を国に強く求めて実現しないと、岩手県だけは全国旅行支援の対象にならないということになってしまうんじゃないか。15億円余の追加配分の配分方法、いつ配分するのか。そしてその大幅な事業日の増額、このことについてお聞きしたい。
【プロモーション課長】
今回追加交付の15億円につきましては、宿泊施設等にですね早急に追加配分ができるように、今まさに配分割合も含めて調整も進めているところでございます。
予算の関係でございますけれども、国には全国旅行支援の対象期間中ですね、事業を中断することなく継続実施できるよう補助金の追加交付について要望していたところであり、今般、本県を含めまして執行率の高い数県に対して追加交付がされたところでございます。
第3弾の開始後の予約状況を見ますと、当然予算が不足する可能性が懸念されることから、国に対しては引き続き全国知事会等も通じまして、強く追加交付について要望してまいりたいと考えてございます。
【斉藤委員】
追加分の配分割合をどう考えているか。いつ頃にこれは配分される見通しか。そのことを聞いているので、できるだけ詳しく答えてください。
【プロモーション課長】
事業者の皆様にはですね、可能な限り、可及的速やかにお知らせできるように、まさに準備しているところでございます。
【斉藤委員】
可及的速やかにというのはいいんだけれども、それは月内になるのか、月初めになるのか、そのことぐらいは。そして配分割合もどう考えているのか。5:5にするのか、7:3にするのか。どういう観点で考えているか。配分割合も見直すということで考えているのかどうか。県民はそこを聞きたいわけだから、分かるように答えてください。
【プロモーション課長】
配分割合につきましては、全国の旅行会社の販売実績が、事業を開始した10月11日から16日の販売状況が先週末にまとまったところでございまして、その販売状況も勘案しながら、割合の方は今まさに調整中で、速やかに宿泊事業者の皆様にお知らせできるように準備してまいります。