2022年10月27日 決算特別委員会
千田美津子県議の県土整備部に対する質疑
(大要)


・通学路の整備、安全対策について

(千田委員)
 私からは大きく分けて3点にわたって質問いたします。まず、通学路の整備、安全対策についてお聞きいたします。
 昨年、千葉県八街市で児童5人が死傷した事故後、関係機関の連携による通学路の合同点検が実施されております。これによって、岩手県として昨年度から整備が実施されていると思いますけれども、その状況はどうなっているか。また、未整備の場所についてはどれだけあって、それらの終了はいつ頃となる見込みかお聞きします。

(菅原道路環境課総括課長)
 通学路の整備、安全対策についてですが、昨年、千葉県八街市で発生した交通事故を受け、教育委員会、道路管理者、警察等による合同点検を昨年11月までに実施し、点検の結果、歩道の設置や防護柵の整備、路面表示等、県が道路管理者として対策を行うべき箇所が113箇所となったところです。
 この対策については、10月末時点で91箇所、約81%の対策が完了しており、12月末までには106箇所、約94%の対策が完了する見込みとなっているところです。
 残る7箇所については、新たな歩道の設置等に伴う詳細設計や用地取得など対策を終えるまでに一定の時間を要する見込みであることから、これらの箇所については今年度内に、注意喚起を促す看板などを設置する対策を行うこととしています。

(千田委員)
 ありがとうございました。12月までに94%、106箇所が整備されるということで、残る7箇所がいわば形状、それから歩道の設置等困難な状況があるということで、注意喚起の設置とかそれらをやるということですが、実は文科省で全体的な対応として、事務連絡で、点検による整備必要箇所は全国で76,404箇所、そのうち40,557箇所、約59%が全国では終了したと、ただ未実施のところについては、5年度末までに完了を、という通知を出しております。
 歩道設置とか、周りの状況との勘案でなかなか難しいのはあるかもしれませんけれども、5年度末までの完了についてはどうでしょうか。

(菅原道路環境括総括課長)
 委員からお話のありました対策についてですが、国の方から5年度末までにと通知が来ておりますが、用地や設計が進んでいる段階であり、国の通知を踏まえ、全力で取り組んでいきたいと考えております。

(千田委員)
 よろしくお願いします。
 それでは次に県民計画実施状況では、令和4年度までに整備しなければならない目標値、通学路等8.8qとなっておりますが、そのうち県として急ぐべき箇所数についてはどのように考えておられるか。
 それから、教育委員会の関連指標の中で、子どもたちの自家用者による送迎が増えているというのがありました。また、あの学校統合等も進むことによって、子供たちがスクールバスでの登校となり、通学路の見直しも行われていると思いますが、どのような状況にあるか把握しておられますか。

(菅原道路環境課総括課員長)
 通学路におきます県民計画の実施状況についてですが、県では、いわて県民計画(2019 〜2028) 第1期アクションプランにおいて、小学校の通学路に指定された県管理道路で、市町村が策定する通学路安全プログラムに位置づけられた箇所などについて、歩道整備を優先的に進めることとしており、現在、一般県道衣川水沢線奥州市胆沢恩俗地区など24箇所で対策を進めているところです。
 また、通学路の見直しについてですが、県では交通安全施設等整備事業の推進に関する法律に基づき指定する通学路の見直しについて、昨年3月、国からの事務連絡を受け、昨年度見直し作業を進めたところです。見直しの結果については、今年4月に国から指定告示がされている状況です。

(千田委員)
 その指定告示によって、岩手県がどのように具体的に対応していくのか、お知らせいただきたいと思います。

(菅原道路環境課総括課長)
 通学路の見直し結果に基づいて、市町村において策定する通学路交通安全プログラムの中に位置付けられた箇所などを、引き続き優先的に歩道の整備などの安全対策を進めていきたいと考えております。

(千田委員)
 ありがとうございました。全国では過去5年間に児童900人が死亡、あるいは重傷事故に巻き込まれております。子供たちの安全確保は、いろんな理由はあるとはいっても、できるだけ早期に整備をしていくことが重要だと思います。
 今年3月に改正された岩手県道路事業実施計画を見ますと、通学路関係の整備中の箇所は歩道整備が20箇所で、事業費として約45億円、歩道を含む道路改良が3箇所あると見ました。これらの整備を、まず着手している部分を急ぐことが重要だと思いますが、いかがでしょうか。

(菅原道路環境課総括課長)
 委員ご指摘のとおり、児童生徒の通学路の安全対策を進めることは極めて重要な課題だと認識しております。
 限られた予算の中で、引き続き、交通安全対策について優先的に、着実に進めてまいりたいと思っております。

・県営住宅の長寿命化について

(千田委員)
 よろしくお願いいたします。
 2つ目は、県営住宅の長寿命化について伺います。先ほど来、質疑がありました答弁の中で長寿命化計画の基本方針として、公営住宅の供給は原則として市町村において実施することとありました。これはどういう考え方なのか、それから、これに対する市町村の受け止めはどうなっているでしょうか、お聞きします。

(小野寺建築住宅課総括課長)
 岩手県公営住宅等長寿命化計画を改定するにあたりまして、公営住宅の供給に関します県と市町村の役割分担ということで書かせていただいたところだと考えております。
 まず、基本的な考え方といたしまして、役割分担について、地域の住宅需要の課題に対するための公営住宅の供給は、原則として市町村において実施すること、これは、考え方といたしましては、地域の住宅事情や住宅の需要を把握しているのは市町村ですので、基本的には市町村にお願いしたいというものであります。
 また、全国的、または県広域、県全体に係る問題・課題に対しましては、県が取り組むということにしており、地域的な課題につきましては市町村にお願いしたいとうものであります。

(千田委員)
 その場合、やはり市町村は財政的な面でも限界があるわけですね。それらに対しては、県は相当な支援はしていくのだと思いますが、その点と、それから市町村の受け止めはどうでしょうか。

(小野寺建築住宅課総括課長)
 県もそうですが、市町村におきましても建替え事業というのはなかなか進まない状況でございます。
 その中で市町村に対する支援というところでありますが、新しく作るにあたっての導入 につきましては、PFIやPPPという新しい取組が全国的にあり、建替えに関してですが、そういうものを紹介して、なるべくコスト縮減に努めながら供給していくというやり方を、国を通じ情報供給させていただくという形をさせていただいております。
 これに対しまして、市町村の受け止めですが、長寿命化計画を改定する際に一通り市町
 村を周って説明させていただきました。特にも今回、計画期間内に用途廃止するという取組もさせていただくということで、この辺は市町村に丁寧に説明させていただきましたが、この中で否定的な意見は無かったと考えており、特にも盛岡市におきましては、岩脇緑が丘アパートがございますが、北上川の浸水想定区域の中に入っており、ここにつきましては、お住まいの方の安全性などを考えまして、廃止するということを伝えるとともに、隣接する市営住宅の廃止につきまして も連携して取り組むということをやっているところであります。

(千田委員)
 先ほども米内委員からありましたけれども、やはり市町村に対して、それから今住んでらっしゃる住民の方々に対しても、やっぱり丁寧な説明と配慮が必要だと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。
 そういう中で、3年度の県営住宅の長寿命化型改善及び建替個数が指標でC評価となっています。その理由は3年度において、長寿命化計画の見直しを行ったために、3年度の建替予え定の県営営住宅が用途廃止なったためとありますが、たとえ同じ年に見直しをして、その年に建替え予定だったものがなくなるっていう、そういうことは本来ありうるんでしょうか。これについてご説明をいただきたいと思います。

(小野寺建築住宅課総括課長)
 建替え予定の進め方、また建替え予定の見直しについてでありますが、岩手県公営住宅等長寿命化計画を令和3年度に改定させていただきました。
 この計画の策定前までは、災害公営住宅の供給を県といたしまして進めてまいりまして、沿岸部を合わせまして、内陸部においても、盛岡、北上、奥州、一関の方で供給させていただき、また、供給におきましては、元々、前計画で建替え予定でありました、盛岡市の備後第1アパート、一関市の駒下アパートにつきましては、建替えを災害公営住宅に振り替えて供給させていただいた経緯もありますので、前計画において令和3年度までに備後第1アパートを含む3アパートについて建替えしますという計画ございましたが、災害公営住宅の供給におきまして、その辺の計画がずれた、早まったというところがございましたので、今回、計画の見直しに合わせまして、建替えの方を見直したというところでございます。

・土砂災害警戒区域について

(千田委員)
 了解いたしましたが、もっと丁寧なやり方がないのかなという気がしたもんですから。説明をいただくとわかりますので、いずれ今後、丁寧な対応をぜひよろしくお願いたします。
 3点目ですが、土砂災害警戒区域について今日も議論がありましたが、お聞きをしたいと思います。まず、土砂災害警戒区域の指定状況について、3年度末、それから今年の9月までの状況についてお知らせください。

(戸来砂防災害課総括課長)
 土砂災害警戒区域の指定状況についてですが、令和3年度末におきましては、指定が必要な13,305箇所に対しまして、13,302箇所を指定したところでございます。
 また、令和4年9月末時点の指定状況につきましては、13,303箇所、その指定率は99.98%となっております。

(千田委員)
 昨年9月では指定率が84.5%だと計算してました。それで1年後、今年の9月末では99.9%ですか。未指定が2箇所だけとなったわけですね。この間、実に2,000箇所、1年間で指定されたということで、ほんとに大変な仕事、みんなで協力してやったんだなということで、関係の皆様のご努力に本当に敬意を評したいと思います。
 ただ、後でもお話ししますが、9月30日に新たな土砂災害が発生する恐れの箇所が発表されたと、それが5,668箇所で、また来年度さらに増えるということで大変な事業だと思います。本当に市町村の方々と連携をし、特に、指定率が低かった沿岸部に対して、この1年間で60%台のところから、100%まで引き上げたということは、本当に素晴らしい取り組みをされたと思います。
 これからのところもかなり多いわけですが、みんなで協力してやっていただきたいと。ただ如何せん、先ほど千葉委員からもお話あったように、私は予算と体制が少ないというふうに思います。そういった意味では、ぜひ予算を獲得し、体制も充実をさせて、市町村にしっかり支援をしていくということがこれまで以上に必要となってくると思いますので、その点、部長にお聞きして終わりにしたいと思います。

(田中県土整備部長)
 先般公表させていただきました、新たな「土砂災害が発生するおそれのある箇所」については、本県において令和元年台風第19号で警戒区域指定外でも2割程度の土砂災害が発生しており、また全国でも同じように発生していることも含めまして、今できる高精度な地形情報により新たな箇所として抽出したものです。これからの区域指定の取組においては、現地で測量を行い、区域を決める基礎調査を経て警戒区域の指定手続きに進むわけですが、それには一定の予算とマンパワーが必要になってまいります。
 これまでの13,000箇所余りの土砂災害対策のソフト施策として、現場事務所、本庁一体となり、また市町村の協力をいただきながら進めてきましたので、これからの新たな危険箇所につきましても、同じような体制をとり速やかな指定に向けて取り組んでいきたいと思っております。