2022年10月26日 決算特別委員会
高田一郎県議の教育委員会に対する質疑(大要)
・学校における新型コロナ状況と感染対策について
【質問】高田一郎委員
学校における新型コロナ状況と感染対策についてお聞きします。先ほどの答弁でも児童・生徒数、教職員感染状況については答弁いただきました。私も通告しておりましたがクラスターの発生状況、臨時休業等どうだったのか、今年度も含めてその特徴についてまず示してください。
【答弁】菊池保健体育課総括課長
公立学校における新型コロナ感染状況についてでございますが、クラスターの発生状況は令和3年度は90件、令和4年度は85件でございます。
臨時休業等の状況につきましては令和3年度は学級閉鎖240件、学年閉鎖108回、臨時休業149回、令和4年度につきましては学級閉鎖287回、学年閉鎖117回、臨時休業42階でございます。
また学校での感染の特徴につきましては、感染場面を分析いたしますと教育・保育施設で子どもが感染し次に同居する家族が感染し、兄弟姉妹が通う学校に感染が広がったケースが多数確認されているほか、中学校や高校においては同一の部活動内における感染事例が多数報告されているところでございます。
【質問】高田一郎委員
昨年と比べてまだ今年度7ヵ月しかたっていませんが、感染者数、クラスター、臨時休業等、すべてが昨年をかなり上回る勢いで感染が拡大しております。
また今月に入ってからも特に公立学校の児童・生徒が急増しているということで第8波という動きになっています。
今後コロナ、インフルエンザ同時流行が予想される中で、さらなる感染対策の推進が必要ではないかと思います。
局長が冒頭、一層の推進を図っていくという答弁をいただきましたが、どう対策を強化しようとしているのでしょうか。
特に教職員に対する抗原検査キッドをしっかりと配布して、自宅でも検査をやられてそして陰性だということで出勤できる、そういう環境をつくっていくことが、今後ますます大事だと思いますけれどもこの点についてはいかがでしょうか。
また冬場を迎える中で寒冷地では特に常時の換気が困難となって、必要な換気量を確保するために従来ない対策も必要になってくるのではないかと思います。換気設備の導入も有効だということも文科省でもそれを検討するべきだという通知をだされております。この2つの点を含めて今後の感染対策の強化について答弁をお願いしたいと思います。
【答弁】菊池保健体育課総括課長
更なる感染対策の推進についてでございますが、文部科学省から令和4年10月19日付で、新型コロナ感染症と季節性インフルエンザの同時流行を見据えた今後の感染対策について通知があり、体調不良時は出勤、登校を控える、効果的な換気の工夫など、改めて感染対策の一層の徹底を図るよう10月21日に学校等に通知したところでございます。
この文部科学省の事務連絡では特にこれからの季節において、窓開け等による換気が困難となるため、換気のためのファン的な措置を講じ可能な限り充分な換気を確保することが重要であることが示されたところでございます。
また小学校等における感染拡大を防止するために、小学校及び特別支援学校に抗原検査キッドを配布し、教職員を対象とした集中的検査を実施しているところです。
さらに県立学校における感染拡大を防止するため、複数の感染者が発生した場合や部活動の大会前、修学旅行前などに学校長の判断で検査を実施できるよう、県立学校に抗原検査キッドの配備を進めているところです。
引き続き学校における感染拡大防止と、学校教育活動の継続の両立に向けて、必要な感染対策に取り組んで参ります。
【質問】高田一郎委員
今10月19日の通知の照会がありましたけれども私もこの通知を見ました。教職員に充分な抗原検査キッドが配布するべきだと思いますし、換気対策についても高機能換気設備の導入についても、学校施設環境改善交付金などでも財政支援ができるという通知になっていますので、感染対策に今後しっかりと対応していただきたいと思います。
・部活動について
【質問】高田一郎委員
次に部活動についてお聞きしたいと思います。2018年に部活動ガイドラインが策定されまして、その中で適切な休養日として週2日以上休養するべきだと、部活動時間についても1週間で660分、中学校ですけれども11時間という上限になっております。
実は文科省調査では昨年2021年度では、男子が基準以内になっているのは11県、女子が13県という国会での答弁がありました。
昨年度ガイドラインに基づく本県の部活動の実態はどうなっているのか示してください。
【答弁】菊池保健体育課総括課長
県教育委員会では岩手県における部活動のあり方に関する方針に基づき、自主的、自発的な参加による活動や部活動休養日及び活動時間の徹底を図ることとしており、令和2年度から全ての学校において順守するよう市町村教育委員会及び県立学校に通知しているところでございます。
本県における中学校の部活動は週当たり2日以上、平日1日以上、週末1日以上の休養日を設ける、1日の活動時間は長くとも平日では2時間程度、学校の休業日は3時間程度としており、各市町村教育委員会が策定する設置する学校に係る部活動の方針や、各学校が設定する学校の部活動に係る活動方針において、県の方針を踏まえた部活動が推進されるよう周知しているものでございます。
市町村における方針の改定状況につきましては、32市町村において県の方針の内容を盛り込んだ改訂を行なっており、改訂中の一市町村におきましては自主的、自発的な参加により行なわれる部活動のあり方について検討していると伺っております。
【質問】高田一郎委員
実態がどうかということをお聞きしましたが、それでは実態は把握していないということですか。
【答弁】菊池保健体育課総括課長
休養日等の設定状況についてでございますけれども、部活動の休養日の設定につきましては中学校、高等学校ともすべての学校で県の基準に沿って設定をしてございます。
部活動の活動時間の設定は中学校におきましては、平日2時間以上としている中学校が6校で4%です。学校の休業日3時間以上としている中学校が8校で5.4%あり、県乗せ低を上回っている状況でございます。
なお高等学校においては学校の特色および種目等を考慮し、各学校において適切に設定しているところでございます。
【質問】高田一郎委員
令和2年に基準の通知を出したんですけれども、今の答弁ですと十分ガイドラインが守られていないという学校もあるということだったと思います。
この基準の設定というのはスポーツ医科学の観点から設定したものだと思います。教師の長時間労働を是正するという、そういう意味では県教委ももっとしっかりと実態把握をして、なぜ上限を超える活動となっているのかこの実態をよく把握して、必要な対策をとる必要があるのではないかと思いますので、なぜそういう状況になっているのか明らかにしてほしいと思います。
部活動の休日活動の地域移行についてもお聞きしたいと思います。
スポーツ庁の ※ 25年までに3ヶ年で休日活動の地域移行という提言を出していることに対して、予算措置も体制もないこういう中で3年以内に地域移行するという、そもそもそれが問題だと思います。
先ほど教育長も国に伝えることはしっかりと伝えていきたいという答弁だったと思います。
現時点で地域移行に対する課題認識、何をどのように課題ととらえているのか、どの様に国に対して伝えていくのか、その課題認識について伺いたいと思います。
【答弁】菊池保健体育課総括課長
本県におきましては平成3年度から継続して地域移行に向けた実践研究をしているところであり、今年度はこれまで岩手町と葛巻町に加え大船渡市の1市2町で取り組んでいるところでございます。
部活動の地域移行における課題といたしましては、専門的な指導ができる人材の確保、地域の受け皿となる運営団体の確保、指導者の処遇改善や保護者等の費用負担といった課題が想定されているところです。
国におきまして様々な地域移行に向けた支援が検討されております。
令和5年度からの地域移行に向けた具体的な進め方については、現時点では国からは示されていないところではございますけれども、岩手の中学生がそれぞれ興味、関心に応じた多様な活動ができるように、市町村等が取り組む部活動の地域移行について支援をして参りたいと考えております。
【質問】高田一郎委員
今の答弁にもありましたし、また前段多くの議員から質疑が交わされて、問題点もかなり浮き彫りになったのではないかと思います。
そこでやはり費用負担の問題とかあるいは保険料の支払いが発生するとか、そういうことでこの地域移行に参加できない児童も出てくるのではないかという心配があります。経済格差によって参加できる人参加できない人がいる。あるいは指導者が決まらずに結局教員に委任してしまって、実態は全く変わらないという問題もあると思います。
3年間という期限を切らないで地域、保護者、学校などで合意を図って解決していくべきだろうと思います。合意を前提に3年間という期限を切らないで議論していくべきだと思いますが、この点はいかがでしょうか。
またもう一つは子どもたちにスポーツ要求を権利として保障して、全ての子どもたちが参加できるような環境整備を行なうことこそ、教育委員会としての役割ではないかと思いますけれども、この基本的な考え方についても県教委の考え、見解をお伺いします。
【答弁】菊池保健体育課総括課長
令和5年度から3年間、令和7年度末を目標としている地域移行につきまして、現在提言におきましては合意形成や条件整備等のために、さらに時間を要する場合にも地域の実情等に応じ可能な限り、早期の実現を目指すということを示されております。
3年での改革を目指すわけではございますけれども、それぞれの実情に合わせて学校、地域、関係団体等の連携を図りながら、丁寧に議論を進めて地域に移行していくものと考えております。
【質問】高田一郎委員
3年間という期限を切らないで地域の皆さん、学校、保護者の方々の合意を前提として、すべての子どもたちが、希望する子どもたちが地域で活動できるような環境をつくっていただくように、県教委もさらなる努力をしていただきたいと思います。
・県立沼宮内高校の学級減について
【質問】高田一郎委員
最後に県立沼宮内高校の学級減についてお伺いいたします。
来年度から学級減を行なうということで、先週の県の教育委員会で決定したとお伺いいたしました。
教育委員会での議論の内容、学級減とした理由、これを詳細に示してください。
【答弁】安齊特命参事兼高校改革課長
教育委員会会議で沼宮内高校を学級減と決定した理由等についてでございます。
令和5年度の県立高校の編成に係る教育委員会規則に改正について図るにあたりましては、沼宮内高校の学級減に対し岩手町や町議会等からの要望書、共産党県議団等からの申入れ、および沼宮内高校同窓会やPTA等から要望書の提出があったこと、並びに9月県議会定例会の一般質問、および文教委員会における質問内容も含めながら説明を行いました。
その中で岩手町から通学費や給食費への補助など、さまざまな支援をいただいている、県教育委員会においても令和2年度から高校の魅力化促進事業を実施し、高校の魅力発信等に取り組んできたところであります。
志願者の減少に歯止めがかからず、令和3年度の入学者が31、募集定員80人に対する充足率が39%、本年度は入学者25人で充足率31%まで低下しており、管理運営規則に基づく学級減の対象となっていること、また町内からの入学者が2割程度まで減っているうえ、今後も町内の中学校卒業予定者数が減少する見込みでございまして、仮に町内からの進学率が改善したとしても厳しい状況が見込まれることなどにつきまして、県教育委員会が回答した旨を説明しまして教育委員からは事務局提案に対し賛同する意見が出され、採決の結果全員異議なく了承されたことから、沼宮内高校の学級減が決定されたところでございます。
【質問】高田一郎委員
意見があったのかというのは照会がなかったのですが、ただの説明だけでただ採決になったというのは残念です。
私も改めて後期計画読んでみましたが次のことを明記しています。盛岡市以外の県立高校においては志願倍率の低い高校が多くて、今後の盛岡市内の学校への入学志願者の集中が継続する、こうしたことからこれらも学校には生徒数の減少も加速して、活力を維持することが困難になる、つまり盛岡への一極集中を是正するということが後期計画の盛岡ブロックの中心だと思います。
そのために盛岡南高校と不来方高校の統合、学級減が行なわれたのではないかと思います。
周辺校を守るといいながら統合の成果も見ないうちに学級減というのは、慎重であるべきだと思いますけれども、それらの議論というのはどの程度されたのでしょうか、先ほど議論だと説明を県教委がして異議なし賛成と受け止めておりますけれども、そういった議論はなかったのでしょうか。
【答弁】安齊特命参事兼高校改革課長
盛岡一極集中の関係でございますけれども、要望をいただいた中で共産党県議団等から周辺校の維持・拡充などについて、そういった状況を踏まえ沼宮内高校の学級減の計画を見直すよう強く求めるといった、そのようなことがあったということを説明しております。
委員からは盛岡南高校、不来方高校がそれぞれ1学級減となり、その結果沼宮内高校への入学者が増えることは起こらないとは言えないが、大きく増えるとは考えにくい状況、であれば今回管理運営規則の基準に当てはめることが良いというような意見が出されたものでございます。