2022年10月31日 9月定例県議会最終本会議
議案に対する質疑(大要)
・いわて旅応援プロジェクト推進費の追加交付について
【斉藤議員】
日本共産党の斉藤信でございます。議案第42号、2022年度岩手県一般会計補正予算(第5号)について質問します。
これは、いわて旅応援プロジェクト推進費を国の全国旅行支援の追加交付に基づいて15億3162万円余増額補正するものであります。
第一に、10月11日から始まった全国旅行支援の実績と取り組みについてお聞きします。
@21億円の事業費の内訳は、事務費、団体旅行枠分、全国の旅行事業者、県内宿泊施設への配分比率と配分額はどうだったのか。
A県内宿泊施設では、全国旅行支援が始まった当日、翌日で予約停止が相次ぎましたが、配分ごとの執行状況はどうなっているでしょうか。
B全国旅行支援の実施で、全国からの旅行客はどれだけ増加しているでしょうか。
C県内宿泊施設等からはどういう声、要望が出ているでしょうか。全国の旅行事業者からの予約では県内宿泊施設に手数料がかかりますが、実態を把握しているでしょうか。
D新型コロナ禍で、これまでに倒産、廃業、休業した宿泊事業者はどうなっているでしょうか。今後の支援策を含めて示してください。
第二に、今回の15億円余の追加配分、補正分についてお聞きします。
@事務費、全国旅行事業者、県内宿泊施設それぞれにどういう割合でどれだけの配分額となるでしょうか。県内宿泊施設には、せめて5割以上の配分とすべきと考えますがいかがでしょうか。
A追加補正分は、いつまでに配分され、予約はいつから再開されるのでしょうか。
B全国旅行支援は12月20日宿泊分までとなっています。今回の追加分では1か月も持たないのではないでしょうか。12月まで継続実施できるように、国からのさらなる大規模な追加交付が必要と考えますが、どう取り組まれているでしょうか。
【商工労働観光部長】
まず、事業費の配分についてでありますが、いわて旅応援プロジェクト第3弾、いわゆる全国旅行支援につきまして、本県では約21億円を財源に移管しているところであり、クーポン印刷経費や事務局経費などの事務費約3億円、また、国から団体旅行枠として配分するように指示のあった約3億5千万円、さらにクーポン代金等の約6億3千万円を除く約8億円を宿泊割引原資として、全国の旅行代理店―いわゆるOTAと県内宿泊施設に配分したところでございます。この8億円につきましては、OTA等に対して約5億6千万円・約70%、県内宿泊施設に約2億4千万円・約30%の配分としたものでございます。
次に、現在の執行状況についてでありますが、まずOTA等につきましては、今般の全国旅行支援の実施に当たって設置された「全国旅行支援統一窓口」からは、「すでに配分額の全てが予約に充てられており、さらに今後の配分の増額を期待した予約も多くある」という状況を確認しております。県内宿泊施設につきましては、配分額を使い切った場合には、事務局に報告するようお願いしておりますが、10月28日現在、63施設からの報告にとどまっております。なお、宿泊施設によっては、キャンセル等によるやりくり等を行っていると考えており、実際にはさらに多くの宿泊施設で配分額の全てが予約に充てられている状況と受け止めております。
次に、旅行客の増加についてでありますが、全国旅行支援が開始されて間もないことから、宿泊数などの客観的なデータを示すことはできませんが、全国旅行支援以外の民間主体も含めたキャンペーンやイベントの開催などの取り組みも相まって、例えば10月以降新幹線の利用に対してほぼ満席の状態が続いているような状況も確認しており、岩手県を訪れる方々が増えていると受け止めております。
次に、県内宿泊施設等からの要望についてでありますが、全国旅行支援の実施に際しては、県内宿泊施設から割引原資の追加配分や宿泊施設への配分率を増やすことを求める声を多くいただいているところでございます。旅行代理店の宿泊施設に対する手数料は10%台が多いと承知しており、また、多くの宿泊施設がOTAと宿泊施設独自の予約受付を併用している状況と認識しております。
次に、倒産や廃業等の状況についてでありますが、厚生労働省の統計によれば、県内の旅館業の営業許可施設数は、最新のデータとなる令和2年度は1106件であるのに対し、平成28年度は1141件となっており、ここ5年間で35件減少しております。また、民間調査会社の調査結果によると、令和2年度以降の宿泊業の倒産は1件であり、岩手県旅館ホテル生活衛生同業組合によると、令和2年度以降21事業者が廃業、11事業者が休業したとのことでございます。
今後の支援策につきましては、先般議決いただいた貸切バス・貸切タクシーの利用に対する補助のほか、冬季観光キャンペーンの実施、海外からいわて花巻空港への定期便やチャーター便の再開に向けた働きかけなどを行い、岩手への誘客を図ってまいります。
次に、今般の15億円の追加配分の内訳等についてでございますが、クーポン印刷経費や事務局経費などの事務費が約2億5千万円、クーポン代金等が約5億7千万円、さらに大手を除くOTAのこれまでの超過販売額の補てんに充てる約2億5千万円を除く約4億6千万円が宿泊割引原資となるところでございます。この4億6千万円につきましては、大手のOTAに対して約1億1千万円・約25%、県内宿泊施設に約3億5千万円・約75%の配分としようと考えております。
次に、予約の再開時期等についてでございますが、本議案が議決いただければ直ちに各宿泊施設等において、追加配分に応じた宿泊割引を再開できることとなります。なお、多くの宿泊施設において、追加配分があった場合には、全国旅行支援を適用するといった前提で11月以降の予約を受けている状況と認識しており、そうした状況を勘案して予約の確定等に向けた準備が円滑に進められるよう、あらかじめ追加配分予定額として先週半ばに連絡を行っております。
次に、さらなる追加交付についてでありますが、国に対しては、全国旅行支援の対象期間中、事業を中断することなく継続実施できるよう補助金の追加交付について要望してきたところであり、こうした中で、今般、本県を含め執行率の高い数県に対する予算増額が行われたものと承知しております。しかしながら、第3弾開始後の予約状況を見ると、予算が不足する可能性が懸念されるところであり、また、多くの県で販売終了の事業者が発生しているなど、同様の状況になっております。このため、全国知事会を通じて、全国的な需要喚起策の実施にあたっては、観光関連事業者や旅行者の見通しをもって事業計画や旅行計画を立てることができるよう、十分な予算を確保するとともに、さらなる補助金の追加交付について国に要望しているところでございます。
<再質問>
【斉藤議員】
これまでの状況ではですね、倒産は1件、旅館ホテル生活衛生同業組合の状況では21事業者が波事業、11事業者が休業ということで、大変厳しい状況になっているという風に受け止めました。
そこで、第3弾の21億円については、結局さまざまな配分があるんですけれども、県内宿泊施設は2.4億円だったということですね。団体旅行枠というのが政府から2割ということで指示があったようですけれども、21億円、事務費除いて18億円なんですけれども、私はその3割だったらもうちょっといっていたのかなと思うと、かなり少ない配分になっていたなと。
今回は、事務費は2.5億円なんですが、実際に配分された額というのは4億6千万円で、そのうち県内宿泊施設が3億5千万円、旅行業者が1億1千万円ということでしょうか。そうすると、よく分からなかったのは、事務費と旅行業者、県内宿泊施設以外のところ、これはどういう性格の配分になっているのかを示してください。
それと私質問で聞きましたが、全国旅行業者からの予約を聞きますと、だいたい大手の場合手数料が15%ぐらいなんですね。そうすると1万円の予約だと1500円手数料だということでした。ですから、直接予約が一番メリットがあるんだと。そういう意味ではですね、今回比率的には県内宿泊施設に割合を引き上げたということになると思いますけれども、全体の15億円から見ると、3億5千万円というのは1割ちょっと。なんだかんだ言ってこの配分の額がそもそも少なくなる仕掛けになっているのではないか。そこをもう少し詳しく、なぜそういう形になるのかを示してください。
それから、今日の地方紙なんか見ますと、新たに予約を受け付けますという広告も出ておりましたから、今回の配分を前提にして、すでに取り組んでいるなという感じはします。聞きますと、やはり大手は10月の予約については、すでに予約が入っていたところを優先して割引を適用したということでした。新規だけというわけにはいかないというのは全くその通りで、今回もすでに11月の予約が優先されるということに大方はなるのではないのかと。
そこで、そうしますと、やはり1ヶ月ももたないということになります。12月20日までの全国旅行支援にでありますから、少なくともそこまでは継続実施できるような支援策を何としても実現をしていただきたい。その点で答弁もありましたが、改めて、東北6県の状況、東北6県も額はたしかに岩手の2倍3倍というところはありましたけれども、もう使い切っているという感じになっているのではないか。東北6県のそうした消化状況なども含めてお答えいただきたい。
【商工労働観光部長】
割引原資の配分方法についてでございますが、第3弾のスタート時におきましては21億円でスタートした時でございますけれども、この時には、令和2年度に国でGoToトラベル事業を実施しております。そのときの予約の入り方が大手のOTAが圧倒的に多かったという状況もございましたので、やはり大手のOTAを通さないと予約自体が入ってこないのではないかということも考慮いたしまして、大手の方に7割、県内に3割というやり方でやらせていただいたんですけれども、その後、実際にスタートした後の大手のOTAがあっという間に早く売り切れてしまって、これはどんどん追加しても非常になかなか難しいだろうなということで、それであれば宿に直接問い合わせて、宿があれば割引できるという形の方がよろしいのかなと。宿からもそういう要望ございましたので、それで今回宿の方により多く配分したところでございます。
今回の配分が少ないのではないかというお尋ねですが、1つは、先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、15億円のうち事務費が約2億5千万円で、クーポン代金、このクーポン券は実際には宿に行きますけれども、割引原資にはなりませんので、これが5億7千万円です。それで、今回OTAというのが全国の旅行代理店ですが、前回は大手は県内を取り扱っているのは38社とですね、それ以外の1000弱の旅行代理店あるんですが、大手の方には全国の統一窓口を通じて各事業者ごとに配分されるんですが、1000弱のその他の旅行代理店、そこは全国統一窓口で一括して受付をしていて、そこの分がすでに超過で予約をとっているという状況がありまして、そこに補てんする分が約2億5千万円必要になったということでございます。そうしますと、割引原資に充てられる額が約4億6千万円になるということで、それを宿泊業者75%、大手のOTA25%という配分にして、その結果、県内宿泊施設に3億5千万円、大手のOTAに対して1億1千万円配分としたところでございます。
今後についてでございますが、一般質問や総括質疑等でも答弁いたしておりますけれども、国の方でGoToトラベルを国で実施する予算として2700億円くらい確保していると認識しておりますので、それを全国旅行支援に充てるのか、あるいはその後に国として実施するのかというところをしっかりと見極めながら、国に対してもしっかり要望しつつ、きちんと12月20日まで継続できるような予算確保に向けて、知事会等を通じて働きかけを行っていきたいということです。
それから、東北6県の状況につきましては、各県とももう無くなっている状況と認識しております。それでうちの県がスタート少なかったという話をされるんですけれども、これは国の方で実は、全国旅行支援は年度当初は5月の連休明けぐらいから始めたいというような話もある中で、感染状況が長引いてずっと延び延びになって、県民割として実施してきて、この執行率はうちの県が東北の中でも高うございました。そういう形で、予算総額としてはかなりの額を持っていたんですが、残額が少なくなっていたということで開始時は21億円と東北の中で一番少なくなっていたという状況でございまして、この15億円の追加があったことで、だいたい当初の発射台に乗ったのかなというような状況でございますので、きちんと国に対する働きかけ等を行ってまいりたいと思います。