2022年12月6日 文教委員会
教育委員会に対する質疑
(大要)


・学校における新型コロナ感染状況と対応について

【斉藤委員】
 第8波の感染状況、クラスター、学級・学年・学校閉鎖の状況はどうなっているでしょうか。

【保健体育課総括課長】
 第8波の感染状況についてでありますが、10月中旬以降、県内の感染者数は増加しており、児童生徒および教職員も同様に増加している状況でございます。
 11月1日以降の公立学校における感染状況は、12月5日時点で、児童生徒8752人、教職員799人、クラスター発生32件、臨時休業措置は延べ回数ですが学級閉鎖が95回、学年閉鎖が70回、学校閉鎖が92回となっております。

【斉藤委員】
 いま11月以降、生徒8752名、教職員799人と。月別で言いますと、11月が7797人、おそらく月別でこれは最高じゃないでしょうか。第7波は夏休み中ということもあって、7月が3249、8月が4511ですからね。だいたい7月8月合わせた数が11月感染して、すでに12月で、まだ5日間なんですけども955人と、大変な事態になっております。
 県教委・学校における感染防止対策はどうなっているでしょうか。

【保健体育課総括課長】
 学校における感染対策への取り組みについてでありますが、学校における感染拡大を防止するため、感染状況を的確に把握し、保健所の学校への指導等を受けながら、必要に応じて学級閉鎖・学年閉鎖・臨時休業の対応をしているところでございます。
 県立学校におきましては、感染拡大防止に向け、複数の感染者等が発生した場合や、部活動の大会前、修学旅行前などに学校長の判断で検査が実施できるよう、抗原検査キットを配備したところでございます。
 また、小学校および特別支援学校の教職員を対象に、地域の感染状況に応じた原則週2回の集中検査を実施しております。
 教職員のワクチン接種については、追加接種の間隔が3ヶ月に短縮されたことや、今後年末年始に向けて人との接触する機会が増えていることから、県が実施する集団接種等も活用するなど、接種を希望する教職員が機会を逸することがないよう周知に努めております。
 これから寒い時期となりますが、工夫しながら換気やこまめな手洗いなど基本的な感染対策を徹底していきたいと考えております。

【斉藤委員】
 いま週2回の定期的検査が実施をされていると。これは教職員ということでしょうか。この検査数と結果ですね、陽性者はどのぐらいだったでしょうか。

【教職員課総括課長】
 集中検査ですが、9月18日から11月19日までの時点の数字でお答えさせていただきます。検査数は37135件、うち陽性検出は121件、陽性率0.33%となっております。

【斉藤委員】
 陽性者が121件、これは早期発見でクラスター防止の効果はあったんでしょうか。

【教職員課総括課長】
 週2回定期的に検査をして、陽性が分かった時点で医療機関の方に事前に電話して診断を受けるという仕組みで対応しておりますので、受けないでそのまま勤務して拡大していったということは防いでいると考えております。

【斉藤委員】
 少しあとでリアルに。そういう効果があるということがリアルに掴まれることが大事なので、よろしくお願いします。
 クラスターの発生少ないんですよ。11月1日以降32件なんですね、これだけ感染者が出ていて。だから見逃しているのもかなりあるのかなと。クラスターと認定していないのがあるのかなという不安も、これだけ感染者が出ていてクラスター32件というのはあまりにも少ないので、皆さん頑張っている成果かもしれないけれども、その辺を定期的な検査との関わりで浮き彫りになれば、しっかりした教訓になるんじゃないか。
 先ほどの答弁で、修学旅行の前にも抗原検査キットで検査する体制もあるという話をお聞きをいたしました。県立学校における修学旅行での感染状況を示してください。

【保健体育課総括課長】
 修学旅行における感染状況と対応についてでありますが、県立学校における修学旅行での感染状況は、12月5日時点で、滞在先での感染判明が生徒8名、帰県後感染判明が生徒75名、教職員2名であります。
 学校では、修学旅行にあたり旅行時における疾病等の対応についてマニュアルを作成し、保護者に事前に説明をして情報共有しているところでございます。滞在先でコロナ感染が判明した場合は、最寄りの保健所に連絡および相談し、指示に従うこととしており、今回滞在先で感染が判明した生徒については、現地の宿泊療養施設に入所または保健所の了解を経て家族等が迎えに来て自家用車等で帰宅したところでございます。

【斉藤委員】
 生徒8人が修学旅行先で感染判明ということで、いわば旅行滞在先で宿泊療養施設もしくは家族が迎えという話がありました。この8人の動向はどうだったのでしょうか。

【保健体育課総括課長】
 現地の宿泊療養施設に入所が5人、家族が迎えに来て自家用車等で帰宅した生徒が3人となります。

【斉藤委員】
 家族が迎えに行ったというのは、これは家族の希望と。それを保健所も認めたということでしょうか。そして家族が迎えに行くといった場合に自家用車で京都・大阪に行ったということなんでしょうか。マニュアル上もそういうケースも想定しているんでしょうか。

【保健体育課総括課長】
 このマニュアルにつきましては、修学旅行出発前に事前に保護者にお伝えしている内容でございます。感染の場合は、保健所の指示に従うことと合わせて、場合によっては保護者の迎えも可能ではありましたので、現地に迎えに来ていただき生徒を帰宅させるということになります。

【斉藤委員】
 滞在先で感染判明8人ということで、これは修学旅行に抗原検査キットを持っていって、発熱で検査をして医療機関にと、こういうパターンで対応したのか。
 もう1つ、帰県後に生徒が75人、教職員が2人感染と。だいたい発症まで2日程度と言われていますから、おそらく旅行先で感染の可能性が高いんだと思いますけれども、そういう認識でよろしいでしょうか。

【保健体育課総括課長】
 キットにつきましては確認はしてございません。現地の保健所に連絡をして、指示に従ってということでございます。
 そして帰県後に感染判明が75名ということでございますので、現地での感染ということが十分考えられると認識をしております。

【斉藤委員】
 修学旅行は高校生にとってもこれは本当に高校生活の1つの重要なことなので、実施することに反対するわけじゃないけれども、この結果を見ると、やはり少なくない感染者が出ていると。本当に事前事後、あとは旅行先での感染対策の徹底というのが求められているのではないかということは指摘をしておきたいと思います。

・不来方高校バレー部員自死事件の県教委の対応の検証、処分について

【斉藤委員】
 県教委の対応の検証はどうなっているでしょうか。検証の課題は何かを含めて示してください。

【教職員課総括課長】
 県立学校生徒自死事案に関します県教育委員会の対応についてでございます。
 再発防止岩手モデル策定委員会の人事管理等検討部会におきましては、元顧問教諭による問題ある指導につきまして、正確な事実認識ですとか、適切な評価・対応、的確な情報共有ができなかった理由、これの解明につきまして調査・検討を進めておるところでございます。
 当時の学校および県教育委員会関係者に対しましては、昨年1回目の聴取を行いまして、今年7月から10月にかけまして、再度の聴取を行ったところでございます。現在は、聴取結果を踏まえまして事実関係を整理し、当時の学校および県教育委員会における対応の不足した点ですとか、そのような対応につながった要因につきまして取りまとめ、作業を進めておるところでございます。
 理由の解明に向けた検討におきましては、県教育委員会だけでなくて、専門的・客観的な視点が必要でありますことから、策定委員会の外部委員の皆様との意見交換を行いまして、それらのご意見等を十分に踏まえたうえで整理し、再発防止の検討につなげていくこととしております。

【斉藤委員】
 私は前回の常任委員会で、県教委の対応の最大の問題点は、顧問教師の暴力・暴言、この事実に正面から向き合ってこなかったと。そのことを私は指摘をいたしました。
 盛岡一高事件、これは顧問教師が暴力・暴言を否定したために裁判になったんですね。ところが一審の過程で体罰があった、体罰を認めることになった。だから、顧問教師が虚偽の証言をしていたという、私は体罰があったことと虚偽の証言という点で二重の問題点があったんだと思います。しかしこれに対して県教委は、十分な対応をしてこなかったのではないか。これは第三者委員会の調査報告書でも指摘されました。そして高裁の段階で、実は陳述書という形で、これは2年後輩の当時の生徒です。陳述書で、日常的に過酷な暴言・暴力が行われていたという証言をした。この陳述書にも私は県教委は対応してこなかったと。今さらになって陳述書の事実確認というのをやって、陳述書の事実が確認できなかったと。こういう答弁を前回やりました。私は驚きました。裁判で出された、証拠採用された陳述書について、そして今回の調査でもその本人から陳述を受けた。顧問の教師は、その陳述書の暴力・暴言の実態について否定しなかった。私は、これだけでもこの陳述書の事実認定というのは十分あるんじゃないか。そういう意味で、この間いろんなレベルで明らかにされた証言、暴言・暴力の事実、それに県教委は本当に正面から対応してこなかったのが最大の問題。そのことが不来方高校事件につながっているんだと思います。
 その点についてどう検証されていますか。策定委員会の専門家とこの点についても調査・協議しているんですか。

【教職員課総括課長】
 理由の解明作業におきましては、先ほども申し上げた通り、策定委員会の外部委員とも意見交換を行いながら進めておるところでございます。
 裁判の部分につきましても、当然理由解明の中の流れの中に出てくるものでございますので、裁判の部分も含めまして、裁判の対応ですとか学校に対する県教委の対応の状況がどうだったのか、どういうところが原因でそのような対応になったのかという部分につきまして、外部委員の皆様のご助言とかご指摘をいただきながら進めておるところでございます。

【斉藤委員】
 顧問教師の処分はなされました。県教委の処分についてはどういう調査がなされて、今どういう状況にあるのか。処分の見通しを含めて示してください。

【教職員課総括課長】
 県教育委員会の対応にかかる処分等の調査の状況と見通しということでお答えさせていただきます。
 第三者委員会の調査報告書におきましては、組織的な対応の不足にされております、県教育委員会が主体的に調査や指導を行わなかった点ですとか、顧問教諭の不適切な指導等にかかる情報共有の不足につきまして、当時の職員個々の行為が、処分の対象となる非違行為に該当するかどうか検討を進めておるところでございます。
 当時の在籍していた職員から、事実関係につきまして、追加補足的な聴取を行ってきたところでございまして、県教委としての処分等につきましては速やかに判断していきたいと考えております。