2022年12月6日 文教委員会
学校給食費の無償化等にかかる請願に対する質疑
(大要)


・学校給食無償化と地場産、国産食材の利用を促進するよう求める請願

【斉藤委員】
 基になるのは憲法なんですね。請願の文章にもあるように、憲法26条は、「義務教育はこれを無償とする」と。そして学校給食も「教育の一環」となっていますから、これは本来学校給食も無料の対象にすべきだったんだと思います。戦後の時期にそういう議論も国会でもあったと記憶をしていますが、そういう経過をご承知かどうか。学校給食法の規定はそうだけれども、憲法26条から見ると、学校給食費も義務教育の一環として無償の対象にすべきだったのではないか。
 もう1つ、平成29年度の無償化の実施状況が報告されましたが、実はいま全国だいたい368市町村ぐらいに広がっているんですね。急速に広がっています。学校給食費の負担が今の物価高騰、さまざまな中で大変厳しいというので、学校給食費を無償にしてほしいと。地域で運動が広がって、この時点から本当に5倍ぐらいに広がっているというのが実態です。それを把握されていないか。赤旗新聞が全国調査やったものが報道されています。つい最近です。急速に広がっているという全国の実態を私たちは調査をして報道もしております。
 いま国会でも、地方自治体が積極的に推進することは良いことだと、こういう国会答弁。一時は、学校給食法を盾に、これは学校と保護者の負担だという答弁だったんですけれども、いま地域が積極的に推進することは大いに結構と。これは国の責任を半分回避しているので、それ自身は問題だと思いますが、小学校・中学校の学校給食費、これはいま月額いくらで、年間どのぐらいになっているのか。
 就学援助で学校給食費はその対象になっていると思いますけれども、それはどのぐらいの比率になっているのか。このことをまずお知らせください。

【保健体育課総括課長】
 まず給食費についてでございますが、令和3年度の学校給食実施状況等調査によりますと、一食あたり小学校が267円、中学校が309円となってございます。平均の月額でございますが、小学校は4279円、中学校は4884円でございます。
【学校施設課長】
 就学援助にかかる分ということでございますけれども、大変申し訳ございません、その金額については把握してございません。

【斉藤委員】
 教育長にお聞きしたいんだけれども、憲法26条「義務教育はこれを無償とする」と。学校給食は教育の一環と。この位置づけははっきりしていると思うので、本来ならこれは給食費も無償の対象にすべきではないかと思いますがいかがですか。この憲法の立場から見て。

【教育長】
 学校給食法では、この経費負担について「保護者の負担とする」という形で、昭和29年の法律であります。そのことと、憲法26条で「義務教育は無償とする」ということが当然書かれているわけでございますけれども、この内容との関係といいますか、ここには私もどちらが正しいとも言えない、これまでの学校給食費については保護者が負担してきたという経緯があるので、基本的にはそのような形なのかなとは思いますが、あとは今後いろいろ議論が進む中での判断ということになろうかと思います。

【斉藤委員】
 先ほどの参考説明で、県内の状況も明らかにされました。5町村で完全無償化を実施していると。これは急速に広がりつつあるんですよ。雫石町は2分の1補助だったと思いますけれども、ですから全額いかないまでもそういう形で補助するのが同じく5市町ということで、県内でも着実に広がっているというのは、1つは切実な父母の要望といいますか、願いです。本当に賃金が上がらない、物価高騰で生活が大変だという中で、この学校給食費というのが高い比率を占めるんです。子どもさんが2人いたら毎月1万円近い負担なんですよ。これ年間だったら本当に10万円ぐらいの負担になってしまうと。子育て支援ということからいっても、私は学校給食費の無償化というのは切実な課題になっているのではないかと。その点で今回の請願は、国に対して無償化を求めるということなので、これは基本的には国が責任をもって、これだけ全国で広がりつつある中でやっていただきたいと思います。
 もう1つお聞きしたいのは、いま県内の学校給食の実施状況、特に小学校は全校やっていると思うんですが、中学校の完全給食の実施状況はどうなっているでしょうか。
 盛岡市は旧市内はランチボックスなんですね。これは希望者なんですよ。これは実際に希望してランチボックス活用しているのは20%ちょっとだと聞いています。これは完全給食にはならないなと。きわめて不十分なものだと思いますが、そのことについて、ランチボックスの制度というのは実態としてどのぐらいあるのか。

【保健体育課総括課長】
 学校給食の実施状況についてでございます。
 小学校につきまして、完全給食が281校・95.3%、補食給食14校・4.7%、ミルク給食はなしで、計295校。
 中学校につきましては126校・85.1%、補食給食7校・4.7%、ミルク給食15校・10.2%、計148校。
 義務教育学校につきましては、完全給食が1校・100%でございます。
 これは学校給食実施状況等調査によるものでございます。

【斉藤委員】
 小学校は100%かなと思っていたけれども、95.3%で、14校が補食給食と。補食給食というのはおかずは出すという意味ですか。ミルク給食は牛乳だけということですか。ちょっとこれが放置されていることは大問題じゃないでしょうか。いまどき完全給食が実施されていないというのは本当に異常な事態だと思いますが、補食給食・ミルク給食の学校の実数と、今後完全給食を目指しているのか示してください。
 中学校の完全給食はちょっと聞き漏らしたんだけれども、完全給食になっていない学校を示してください。
 そして先ほど言ったけれども、ランチボックス=デリバリーですね、これは何校あるのかと。これは完全給食と言えないのではないかと思いますが、どうですか。

【保健体育課総括課長】
 ランチボックスの件については、ちょっと今資料がございませんので、改めてお示ししたいと思います。
 中学校の補食給食については7校、ミルク給食については15校でございます。完全給食は126校でございます。

【斉藤委員】
 今のは中学校の話ですね。小学校で完全給食になっていないところは、完全給食を目指しているのかと、大変な遅れなんじゃないのかと。教育の一環だと言われているときに、完全給食を実施していないというのは、本当に大問題だと思うんですけれども、小学校で完全給食でない学校の校数を改めて示してください。そして、そこは完全給食を目指しているのか、目指していないのか。県教委はどのように指導・援助しているのか示してください。

【保健体育課総括課長】
 小学校については、補食給食が14校でございます。
 学校給食につきましては、実施主体は学校、設置者である市町村でございます。給食業務の運営については、市町村が自らの判断において決定するべきものであると認識しております。市町村の自主性の尊重、市町村の学校給食の存続といったことについて、市町村に対しまして必要に応じて指導および助言を行っていく必要があると認識をしております。
 なお、県といたしましては、学校給食の質の低下に支障をきたすことがないよう、円滑な実施等に十分配慮しつつ、市町村がそれぞれの地域の実情等を踏まえ、十分保護者の理解・協力を得ながら、適切な方法により運営の合理化をしていくべきものととらえております。

【斉藤委員】
 国の制度として給食の無償化というのが請願の趣旨です。もう1つは、県産の安全な食材を活用してほしいと。この大前提になる完全給食そのものがやられていないというのは、別個の、固有の問題で、やはり教育の一環、食育であり、そして最近は有機の食材を学校でも使おうということが農水省からも強調されている時代ですから、そういう点でこの問題をお聞きしました。県内の食材の積極的な活用を含めて、ぜひこの請願を採択していただきたい。