2022年12月8日 12月定例県議会最終本会議
千田美津子県議の議案に対する質疑(大要)
・「岩手県民応援プレミアムポイント還元事業費」について
(千田議員)
令和4年度岩手県一般会計補正予算7号について質問をいたします。
第1に商工業総務費の「岩手県民応援プレミアムポイント還元事業費」として11億円が計上をされています。これは、物価高騰の影響を受ける県民生活を支援する取り組みの一つとして実施されるようでありますが、県内の小売サービス業等の店舗におきまして、商品やサービス等をQRコード決済により、購入利用した方に対して、決済額の20%分のポイントを付与し、消費を喚起するとしています。
そこで質問の1点目は、この「プレミアムポイント還元事業」は、10月の実施に次ぐ第2弾として実施されるものでありますけれども、第1弾における参加店舗数、ポイント還元額、そして年代別の利用者はどうだったのか、その実績についてお聞きをいたしますし、また、この事業効果をどう評価され、今回の第2弾の実施に際し、どう生かされたのかお聞きをいたします。
2点目として、対象事業者についてでありますが、県内に店舗を置く物品・サービス等を消費者に提供するものとしておりますが、多くの人たちが利用しているコンビニエンスストアを除くとした理由は何か、お聞きをいたします。
3点目は、ポイント還元率は、商品・サービス等の購入、利用に対し20%、上限額をQRコード決済1種につき5000ポイント、5000円相当、1回の決済あたり2000ポイント、2000円相当となっておりますが、最高で何種類まで使用可能となるのか、その点についてお聞きをいたします。
4点目として、今回の事業実施にあたり、第1弾と同様に、対象店舗の選定、事務局を民間事業者へ委託するとしておられますが、第1弾における対象店舗の選定がどのように行われ、事務局の委託はどうなされたのか、その実績についてお聞きをいたします。また、第2弾の実施は今後どのように実施される見込みかお聞きをいたします。
5点目として、実施時期をどう考えていらっしゃるか、お聞きをいたします。
(岩渕商工労働観光部長)
まず、「岩手県民応援プレミアムポイント還元事業」の第1弾の実績等についてでありますが、参加店舗数は約1万3600店であり、業種区分などにより、この事業への参加が可能と見込んだ県内の総店舗数の約半分の店舗の参加があったところでございます。
また、還元額は約8億円になる見込みであり、年代別の利用者内訳は、20代以下が約8%、30代が17%、40代が31%、50代が30%、60代以上が15%となっております。
利用者アンケートの結果によると、食料品や日用雑貨の購入が約88%と最も多く、また利用者の80%以上が普段より多く買物をしたと回答しており、物価高騰対策はもとより県内経済の活性化にも効果があったと受け止めております。さらに、この事業を契機にキャッシュレス決済を導入して、レジ作業が楽になったといった事業者からの意見や、キャッシュレス決済が簡単で驚いた等の利用者の声もあり、キャッシュレス決済の普及促進にも効果があったものと受け止めております。
今般の第2弾の実施により、こうした第1弾の効果をさらに高めていきたいと考えており、テレビ、新聞等のメディアやウェブなどを活用した周知に努め、より多くの事業者や利用者の利用参加を促進してまいります。
次に、コンビニエンスストアを対象店舗としなかった理由についてでありますが、対象事業者については、同様の事業を実施している他県の事例なども参考にして検討を進めたところであり、コンビニエンスストアを対象とした場合、さらに多額の事業費が必要になることや、金券などの換金性が高い還元対象外となる商品と、対象商品が混在して決済される恐れがあることなどから対象としなかったものです。
次に対象となる決済の種類についてでありますが、第1弾の対象キャッシュレス決済サービスはau pay、d払い、PayPay、楽天payの4種類としておりまして、それぞれ5000ポイント、最大で2万ポイントまでの還元を可能としたところであり、第2弾においても、第1弾と同じ方法で実施したいと考えております。
次に対象店舗の選定及び実施時期等についてでありますが、第1弾における対象店舗の選定については、例えば大企業や県外事業者を対象外とすることなども考えられたところですが、この事業の主目的が生活支援であることに鑑み、より多くの店舗を対象とする観点から、先ほど答弁したとおり、コンビニエンスストアを除き、広く対象としたものです。
また、事務局につきましては、決済事業者などの事業内容の記憶提案を含め、事務局を担う委託先となる事業者の公募選定を行ったところです。なお、今般の第2弾については、 様々な生活用品の物価高騰が進んでいる状況から準備期間を短縮し、来年2月を目途に実施したいと考えており、事業内容も第1弾と同様とする予定であることから、第1弾の委託先と同じ事業所との契約を想定しております。
・いわて旅応援プロジェクトについて
(千田議員)
第2は観光総務費の「いわて旅応援プロジェクト推進費」についてお聞きいたします。この事業は、今月27日の宿泊分まで実施中の、「全国旅行支援」の年明け以降の観光需要喚起策として約21億円が 計上をされました。
そこで、1点目はこれまで「岩手旅応援プロジェクト」が実施されてきましたが、これまでの登録事業者数、延べ利用人数、利用金額の実績をお知らせください。また、この事業実施による効果をどう評価されているのか、お聞きをいたします。
2点目として、現在も継続中の「岩手旅割」第3弾は事業費全体が少なかったために、事業開始と同時に配分額がほぼなくなってしまったという状況も出ました。これらについてどう認識・評価されているのかお聞きをいたします。
また、年内の利用については、どのような状況・見通しにあるのか、その点もお聞きをいたします。
(岩渕商工労働観光部長)
次に「岩手旅要援プロジェクト」の実績等についてでありますが、この事業を開始した昨年4月以降、登録事業者数のうち、宿泊施設については、おおむね410施設前後で推移し、現在は413施設となっています。また、旅行会社については、おおむね70事業者でありましたが、本年10月から「全国旅行支援」に切り替わり、県外の旅行会社の登録が増えたことにより、現在は20786事業者となっています。
また、クーポン利用施設については、現在3367施設となっています。利用人数については、昨年4月から本年9月までの精算実績で、延べ164万人、利用金額は約95億円となっています。
この事業による効果については、岩手県民の県内宿泊施設への宿泊者数がコロナ禍前の令和元年度との比較で、令和2年度のマイナス10%から令和3年度はプラス7%に転じているほか、本年4月以降、県外の方々もふくめ、宿泊者数もコロナ禍前の8割から9割程度に回復していることから、観光事業者の売上回復に一定の効果があったものと受け止めております。
次に、第1弾から第3弾までを通じての事業費等についてでありますが、「岩手旅応援プロジェクト」は、国の「地域観光事業支援」の補助金を活用して実施しているところであり、第1弾及び第2弾については、全国の中でも本県の感染拡大が低く抑えられ、まん延防止等重点措置等に伴う事業の停止期間もなかったことから、他の都道府県に比べてより多くの利用があったところです。
こうした状況から、「全国旅行支援」に切り替わる際の予算不足が見込まれ、あらかじめ国に対して補助金の追加交付を要望し、15億円の追加交付受けたところであり、これを含めた約36億円で第3弾として実施していますが、行動宣言の解除等に伴う旅行ニーズの高まりから、本県を含めて、多くの都道府県で配分額が不足している状況と承知しています。
こうした中、県内の多くの宿泊施設や旅行会社等において、すでに配分額を使い切っているといった状況も確認しており、若干の追加配分を行いながら、12月27日まで対応していくこととしております。今般提案した年明け以降の事業実施については、割引率が従前よりも低くなるものの、未だ実施期間が明確になっていないことなどから、国に対し、事業の詳細を早期に明確にすることや、必要に応じた追加交付の要望などを働きかけてまいります。
<再質問>
(千田議員)
若干再質問させていただきます。まず、「プレミアムポイント還元事業」で、意外だったのが40代、50代が多くて、それから30代、60代と続くと、それから、若い方々が意外と少ないな、というのが感想です。それで、事業者のキャッシュレス決済等への好感勝という意見や、利用者の日用品へ多くを使って、普段よりも多く買い物をしているという、効果もあります。ただ、各店舗は決済手数料がかかるわけですよね。ですから、店舗での売り上げが果たして上がっているのかどうか、何かつかんでいらっしゃるでしょうか。一部、聞こえてくるのは、売り上げが増えず、手数料だけ増えるという声も聞こえているので、それらについてお分かりになればお聞きをしたいなと思います。
それから、「岩手旅応援プロジェクト」なんですけれども、利用がどんどん増えてきているという点で、非常に効果があるなと思っています。そして、第3弾の部分では、多くの県で配分額が不足をしているという点では、来年以降の部分がはっきりしないわけでありますけれども、どこの県も競ってやりたいという状況にはあると思います。そういう中で、岩手県独自の工夫がこの事業の進め方で必要でないかなと感じるわけですが、その辺、何かあればお知らせいただきたいと思います。
(岩渕商工労働観光部長)
キャッシュレス決済により店舗の売り上げが増えているか、というご質問でございますけれども、様々アンケート調査の結果を集計しておりますけれど、例えば店舗の方に調査するのはなかなか難しいものがあるな、と思っておりますが、先ほど答弁の最初に申し上げましたとおり、この対象としたサービスを行う店舗が経済センサスとかで、当初見込んでいたのが2万7000店舗くらいでございます。これはキャッシュレスを導入していないところも含めた数字でございます。その中で1万3600店舗の参加があったということは、やはりその県内の店舗等でも、ものすごくこのキャッシレスっていうのを導入している ことになると思います。
そうした中で、やはりその手数料の問題というのは、様々な場面で出てきますけれども、やはりそういうものを導入しないと、今度逆になかなかお客さんが入ってこないということもありますので、その辺難しい問題ありますけれども、やはりキャッシュレスは一定程度普及していきたいな、と考えております。
それから、「岩手旅応援プロジェクト」の岩手らしさということでございますけれども、一つはキャッシュレスとか、これは県外の方も実は利用できますので、そういうことをやっているというのも、一つの強みになると思いますし、それから、やはり、来年の1月から3月まで冬期の観光キャンペーンをやったりですね、様々、そういうキャンペーンとリンクさせながら、有客を拡大していきたいと。なかなか岩手だけ、さらに上乗せして、何か配るとか、クーポン配るとか、そこまでは難しいと思いますが、様々キャンペーンと連動してやっていきたいと考えております。
<再々質問>
(千田議員)
1点、「プレミアムポイント還元事業」でありますけれども、キャッシュレス決済を導入するとか、そういうのが広がって、メリットはあるとは思うんですけれども、広い消費者や、想定の半分くらいの事業者が参加しているっていうのは、それはそれでいいことだと思いますが、やはり利用者が限定をされると思うんですね。そういった意味で、やっぱり消費喚起策として、もっと広い形の事業等の展開も重要ではないかなと思いますので、これからまた新たなそういうのが出てくるかなとは思いますが、そういう部分で、ぜひもっと間口を広げた形の物価高騰対策、消費喚起策をやっていくべきでないかなと思いますので、その点もう一度お願いします。
(岩渕商工労働観光部長)
県内経済の状況につきましては、コロナ禍に加えまして、燃料費や原材料費の価格の高騰により、製造業や建設業を始め、非常に幅広い業種の事業者が厳しい経営環境にありますことから、基本的には、国においてより多くの事業者を対象とした大胆な支援を行っていく必要があると考えております。
また、10月に国が公表いたしました総合経済対策におきましても、物価高騰、賃上げへの取り組みが盛り込まれておりますので、今後これらの取り組みの具体化の動きや、県内の経済状況の動きを見極めつつ、必要な対応についての検討を進めてまいります。