2022年12月8日 議会運営委員会
請願に対する質疑
(大要)


旧統一協会と県議会議員との関わりについての調査・公表を求める請願

【斉藤議員】
 都道府県・市議会での調査について、まず私から紹介をしておきます。
 福岡県議会は、旧統一教会など宗教団体と県議会議員との関係を調べるため、新たに調査委員会を設けることになったと。福岡県議会の議長はNHKの取材に対し、世界平和統一家庭連合=旧統一教会など、宗教団体と県議会議員との関係について調べるため、新たに調査委員会を設けることを明らかにしたと。その上で、「宗教団体との関わりや県議会の活動をする中でどこが問題なのか、まず調査する。来年4月には統一地方選挙もあるので、透明性を高めていきたい」。県議会の関係者によると、9月22日から設置し、今後外部の有識者を交えながら、調査対象とする期間などを協議していくことにしています。旧統一教会をめぐっては、福岡県の自民党の県議は4人、関連団体等の会合に出席していたという、これはNHKニュースです。
 もう1つは、盛岡市議会はどういう経過で調査を行ったかということをお話しておくと、市議会の幹事長会議で、これは岩手日報に4人の市会議員の統一協会との関わりが明らかになって、議会として調査すべきだと、こういう議論がなされた中で、議会として調査することになったと。議長名で全ての議員に調査票という用紙が配布をされて、こういう点を調査の中身として示されています。「祝電やメッセージ等の送付、集会・イベントへの出席、選挙での支援、団体への会費納入・寄付、政務活動費による書籍購入、団体からの収入など、これまでにあった全ての関わりについて、内容・時期を記入してください。関わりがない場合は、『これまでに関係があったことはない』と記入してください。関わりがあった場合については、今後の対応についても記入してください」ということで、全議員の調査が行われて、これは市議会のホームページにも、マスコミにもその結果は報告をされております。4名の市会議員が統一協会と関わりがあったと。特にいま紹介したように、すべて明らかにしなさいという調査ですから、何月何日に選挙応援の話とか、集会への参加があったと、時系列で詳しく報告されているのが盛岡市議会の調査結果であります。
基本的には自主申告なんですけれども、議会としての調査というのは、その後に虚偽の報告だったということになると、厳しく責任が問われるのだと思います。来年の統一地方選挙に向けて、議会の透明性を明らかにする上で、この請願に基づいて議会としても、盛岡市議会と同様の調査をすべきだというのが第一点です。
第二点は、これまでマスコミ等で二度三度、国会議員と県会議員の調査が行われてきました。つい最近では、共同通信が二度目の調査をやりました。12月5日付の岩手日報等に報道されて、本県関係では自民党県議6人が「教団関連団体の行事・会合に出席したと回答した」と。これは2回目の調査であります。残念ながら国会議員では、藤原崇さんは回答しなかったということも出されていますが、その前に、第1回目の共同通信の調査、そして朝日新聞の調査がありましたが、これは精密に見ますと、6人の方々のアンケートの回答が微妙に違っています。これは岩手日報の調査ですけれども、自民党の県会議員は、私は一般質問でも紹介したけれども、世界平和統一家庭連合の会議に出席した、あいさつした、これは統一協会そのものの会議に参加したということなんですね。ところが朝日新聞では、「教団・友好団体が主催するイベントに何度か参加してあいさつした」と。これは盛岡選挙区の県会議員ですけれども。そうすると中身が違うんですよ。もう1人も「教団・友好団体の天宙平和連合と世界平和女性連合が開いた行事に出席していた」と。これは岩手日報では紹介されなかった中身です。そういう意味では、やはりつまびらかに、この間どれだけ統一協会・関連団体のそういうものに参加したのか、あいさつしたのか、まだ一部しか明らかにされていない。特に私は一般質問でも指摘しましたが、昨年の8月に、岩手県平和大使協議会が講演、これは統一協会の関連団体です。ピースロードジャパンin岩手というのが開催されて、県庁前を出発して行事が行われたと。これはネットで紹介されているんですよ。ネットでは、「午前8時、県議会議員、市会議員、地元の大学生など8人のライダーが出発点となる岩手県庁前を出発」となっているのに、これに参加した県会議員はいまだに名乗り出ていない。2016年の12月に、日韓トンネル推進岩手県協議会というのが設立されました。この会長は柳村岩見さんでした。柳村さんだけだったのかということも問われてくるのではないかと。
 そういう意味で、マスコミの調査が二度三度やられていますけれども、まだ一部しか明らかになっていないのではないか。12月5日付の共同通信の報道では、ジャーナリストの鈴木エイト氏、「教団との接点が判明した議員は氷山の一角だととらえた方がいい」と。まだ全体像が明らかにされていない。東大の島薗教授、「無回答の議員も少なくなく、有権者に対して説明責任を果たしていない」という有識者のコメントも出されています。
 私たちは、県議会の透明性を確保して、自民党自身が「統一協会と地方議員との関係は断絶する」と言っているときに、その関係が曖昧にされていたら断絶できないんだと思うんです。それだけに、議会として責任ある、私は盛岡市議会並の調査を求めているこの請願というのは県民の願いに応えたものではないのかと思いますので、ぜひこの請願は採択していただきたい。

【斉藤議員】
 私は紹介議員なので、請願の趣旨はきわめてシンプルで、「県議会として旧統一教会と岩手県議会議員との関わりについて調査し公表すること」ですから、百条委員会の設置を求めているものでは全然ありません。盛岡市議会が議長名で行った、これは議会の同意のもとに行った。こうした調査を県議会としても実施してほしいと。こういう盛岡市議会で行われた調査を県議会としてやることは可能かどうか、まずそれを先に聞きます。

【議事調査課総括課長】
 それについては、議会内の自治の話の部分ですので、何らかのところで了解をいただければ可能かと考えております。

【斉藤議員】
 この請願というのは、県民の権利で、県議会に求めているわけですよ。だから県民のそういう要請に県議会が応えるかどうかということが問われております。
 それで、統一協会問題というのは、いま国政の問題、この反社会的集団である統一協会の解散命令めざして調査が実施されています。被害者の救済法案の法律も国会で議論されています。そして地方政治においてもですね、統一協会において、家庭教育支援条例とかいろんな形で歪められた実態もある。国政の問題でもあり地方政治の問題だと。だから県民は、そういう反社会的な統一協会という集団と議員との関わりを明らかにするよう求めている。国政の問題であり地方政治の問題だということについて、異議ありますか。

【議会事務局】
 今回の問題につきましては、大きな社会問題になっているという認識はございます。ただ、事務局としてお答えをいたしましたのは、調査としてどういう権限があるかということでお答えしておりますので、そういった観点でご理解いただければと思います。

【斉藤議員】
 地方政治に関わりがあるから、私も一般質問で取り上げたし、希望いわての佐藤ケイ子さんも取り上げているわけですよ。だから地方政治と全く関係のない調査を求めているわけではない。まさに今、本当に国政上の重大な焦点の一つとして、統一協会の解散をめぐる調査が行われ、被害者の救済法案の法律が審議をされていると。そういう意味で、自民党自身が「地方議員まで統一協会との関係を断絶する」と言っているときに、その関係がまだつまびらかに明らかにされていない。そういう関係をしっかり明らかにして、統一協会との関係を断ち切ってほしいという、それが今回の請願の趣旨だと思いますので、請願は最後は一人一人の賛否が問われますので。盛岡市議会がやったんですから、盛岡市議会並の調査を県議会としても行うと。
 実は、岩手県議会の関わり6人というのは、6人にとどまるものではないと思うんだけれども、東北で一番多いんですよ、6人というのは。だから岩手県議会のいま明らかになっているだけでも私はきわめて重大な問題だと思いますので、ぜひ請願を採択して、県議会として責任ある対応、これはアンケート様式ということになると思いますけれども、盛岡の調査は「時系列で全ての関係を明らかにする」という中身ですから、この盛岡市議会の例を参考に実施できるようにしていただきたい。

【斉藤議員】
 各会派がこの請願に反対という今の表明でありました。きわめて残念であります。
 これは県民が県議会に求めている請願なんですよ。これに県議会がどう応えるかということで、統一協会問題というのは、本当に反社会的な、正体を隠した伝道とか霊感商法、際限のない献金問題、二世問題、いま本当に重大な社会問題・政治問題になって、国会で解散命令を求める調査が行われ、さらには法案も審議をされているという問題ですよ。それについて自民党は、一応国会議員の調査はやりました。地方議員の調査はやられていないんです。そして私が冒頭に話したように、実はこの間のマスコミの調査に対する県会議員の回答を見れば、言っていることが違っているんです。どこまで事実を明らかにしているか分からない、曖昧だというのがこれまでの共同通信・岩手日報・朝日新聞の調査に対する回答の実態ですよ。反社会的な統一協会と県会議員との癒着・関係というのは、残念ながら明らかになっていないし、昨年のピースロードジャパンに県会議員参加したというけれども、参加したと言っている議員誰もいないんだから。そういう意味で、盛岡市議会が行った議会としての調査というのは、大変積極的なものだと。これはマスコミの調査と違って、議会が行う調査というのは、自主的なアンケートの形であろうと、新たな事実が明らかになったら、これは重く責任が問われます。議長・県議会議員に対して虚偽の説明をしたということになるんです。県民に対して虚偽の説明をしたということになるんですよね。だから、自主的なアンケートの形式の調査であれ、議会が行う調査というのは、そういう意味で大変重い中身を持つ調査だと。すでに盛岡市議会が実施をした、実施できるものですから、できる調査を県議会として実施をすべきだと。これに反対する、背を向けるというのは、実態の解明に背を向けるということになるものですよ。そのことを厳しく私は県民にも問われる問題だと。このことを改めて指摘をしておきます。