2022年12月8日 12月定例県議会最終本会議
高田一郎県議の討論全文


・平泉世界遺産ガイダンスセンター条例の一部を改正する条例

 日本共産党の高田一郎でございます。
 議案第14号は、平泉世界遺産ガイダンスセンター条例の一部を改正する条例案であります。
 条例案審議の中で、 平泉世界遺産ガイダンスセンターの指定管理者制度への移行の実態が明らかになりました。 反対する理由は一言でいえば管理運営費と人件費を減らし、仕事は増やすという内容になっているからです。
 今年度までは県直営の管理で運営されています。 今年度の管理運営費は1億283万円ですが、 来年度から移行する指定管理者の委託料は6,700万円余で入館料の1,100万円余を含めても7,800万円余で2,400万円の削減となります。 うち人件費は1,500万円の削減であります。人員も現在12名の体制から10名に削減する一方で、ショップの事業も行う内容となっております。
 平泉世界遺産ガイダンスセンターは、博物館に準じる施設でもあり、世界遺産の価値と貴重な文化財の普及と活用は専門性が問われるものであります。 本来県が責任をもって運営管理し、学芸員などの専門家を積極的に配置し活用すべきと考えます。

・旧統一教会と県議会議員との関わりについて調査・公表を求める請願

 次に、請願受理番号92号は、「旧統一教会と県議会議員との関わりについて調査・公表を求める請願」 であります。 議会運営委員会では不採択となったとの報告であり、議会運営委員長報告に反対の立場で討論を行います。
 統一協会は、異様な教義で信者を洗脳させるなど違法な霊感商法や高額献金に駆り立ててきました。また、人権無視の集団結婚式を行ってきたまさに反社会的なカルト集団であります。そして「宗教二世」と言われる被害も深刻で、子どもの貧困や信者との結婚を強いられるなど、被害相談は現在も後を絶たない状況です。
 全国霊感商法対策弁護士会によれば1987年から2021年まで被害相談 34537件、被害額は1237億円、統一協会がコンプライアス宣言を行った 2010年以降の相談件数は2875件、被害総額は138億円で、これは氷山の一角とも指摘されております。
 自民党は9月8日に、国会議員を対象に独自の点検結果を公表しました。 約半数の179人が統一協会との接点があったということが明らかになりました。 しかし、これらの調査は自己申告であって、その後新たな接点が次々と明らかになっています。
 また岩手日報、 朝日新聞などの調査では、6人の県議が統一協会との接点を認めています。 しかし、昨年8月1日、統一協会関連団体が開催した「ピースロード2021in岩手」には県議会議員も参加したとされ、また2016年12月には、日韓トンネル推進岩手県民会議創設大会が開かれ元勝共連合会長が講演し、また会長には元自民党県議が就任していますが、これらの参加した議員もいまだに明らかになっていません。 議員による自主申告では不明なままになっており、県議会としての調査・公表が必要であります。
 統一協会の機関誌 「世界日報」(10月31日付)で は、全国の地方議会で同協会と地方議員らとの関係断絶や調査・追及を求める意見書が自民党議員らの反対多数で否決されていることをあげて、「自民党本部の指針(ガバナンスコード)に新たに盛り込んだ「組織・団体との責任ある関係」を地方に徹底することは容易でなさそうだ」 と報じました。 岸田首相の甘い姿勢が統一協会側に見透かされ、統一協会の側は自分たちが選挙応援を通じて自民党の地方議員と築いてきた関係は切れないと、たかをくくっているのではないかと感じております。
 福岡県議会は、宗教団体との関わりや県議会で活動する中でどこが問題なのか調査を行い、透明性を高めていきたいとして「調査委員会」を設置しました。 盛岡市議会では市議会として調査を行い、祝電やメッセージ等の送付、集会・イベントの出席、選挙での支援、団体への会費納入・寄付、政務活動費による書籍購入、団体からの収入など、これまであったすべてのかかわりを調査し時系列でホームページ上で公表されています。
 国会では「被害者救済法案」の審議が行われていますが、肝心の統一協会との関係にある政治家との関係究明がおろそかになってはなりません。
 岩手県議会が調査・公表するということは、統一協会による被害で人生を台無しになった被害者が無数にいることを踏まえ、新たな被害者をつくらないという姿勢を示すことにもつながります。 同時に過去のかかわりについても、事実を踏まえて深い反省の意を表明することが統一協会との関係を真に断つことにつながるのではないでしょうか。
 以上が賛成する理由であります。ご清聴ありがとうございました。