2023年2月14日 議会運営委員会
常任委員会での発言規制に関する質疑
(大要)


【斉藤議員】
 常任委員会の審査における対応については、「質疑は執行部の答弁含め、付託案件について1件につき1人あたり20分。付託案件以外については、総計で1人あたり20分を目安とする」と。常任委員会だけが発言規制となっているんですよ。本来常任委員会というのは、付託された案件を徹底審議する場で、その立場から2日間日程をとっているわけです。
 私は2つの点でこれは大問題だと。
 1つは、全国の都道府県議会でこうした発言規制は行っていません。岩手県議会だけです。なぜ岩手県議会だけが発言規制を継続するのか。
 2つめに、県議会の実態としても、一般質問も予算委員会・決算委員会・特別委員会の質問についても、発言規制はされていません。先ほど予算特別委員会の審査方法という説明がありました。ここでは「発言時間については審査の進行の状況に応じて、委員長の判断により、30分に満たない場合でも、議事進行への協力を求め、各質問者は委員長の要請を尊重することにする」と。「30分に満たない場合」と書いているんですね。これは発言者の数に応じて調整されるものです。
 だから、こういうことから考えても、本来一番徹底した審議が求められている常任委員会で、1人あたり20分という規制は、県議会の実態からいっても異常な規制だと。これは直ちに見直すべきだと。ましてや2月定例議会というのは予算議会で、予算特別委員会もあります。もっとも重要な中で常任委員会の審議も行われると。
 この異常な、全国都道府県議会でも例のない発言規制は、2月議会から見直すべきだと。県議会議員にとって自由に発言するというのは一番大事な権利ですよ。これを自ら規制するというのは、県議会・議員の自殺行為になります。2月議会からぜひこれは是正してほしい。
 その点で、各会派の方に質問したい。全国都道府県議会でこういう規制がないのに、なぜ岩手県議会だけがこの発言規制を継続しなければならないか。県議会の実態としても、一般質問や予算・決算特別委員会で特別に規制していないのに、一番審議の徹底が求められている常任委員会の発言規制を20分として規制する理由と根拠はどこになるのか。この2点について責任ある議運の会派の方々の答弁を求めたい。

【軽石議会運営委員会委員長】
 委員の皆さんからご意見等ございませんか。

【斉藤議員】
 意見がなかったら是正してください。

【岩渕委員】
 私どもとすれば、従前からこのお話を申し上げているように、議会での議員の発言権を保障し、活発な議論によって県政を推進すべきという立場にあります。議場で、議会で発言をするという重みは多少なりとも心得ているつもりでございます。したがって、いまオブザーバーからあった発言については、その趣旨についてすべて否定をするものではありません。よく趣旨は分かります。
 一方で、従前から申し上げているのは、岩手県の医療に対する負荷を下げていかなければならないという責任がこの議会にはあろうかと思います。その折り合いをつけるという意味にとっては非常に難しいところがあるということが、我々が従前から申しておることであります。私どもはそういうスタンスは変わっておりません。

【軽石議会運営委員会委員長】
 そのほか、ございませんか。

【佐々木茂光副委員長】
 今までのですね、斉藤先生の方からお話あった件は、会期がある度に話が出てきたわけですけども、当面は我々の議会人としての対策を講じながらこれまで進めてきております。
 その方針を見極める局面であるのかということを考えますと、まだ国の動きもこれからいろいろあるのでありますけれども、我々としてもまだその対策は講じていくべきという考えで我々はおります。

【高橋但馬委員】
 こういう規制というか、20分ということでお願いしているわけですけれども、基本的に感染者が減ってはきているんですけれども、罹患者も出ているという現状を考えますと、国の方で動きがある、例えば5月8日に二類から五類へという風に、なにか動きがあったときに見直すという方向でよろしいのではないかと考えております。

【斉藤議員】
 私の質問に対して、まともな答弁は残念ながらありませんでした。全国都道府県議会で岩手だけなんです。岩手県議会だけなぜ常任委員会の発言規制をするのかということについて残念ながら答えはなかった。
 もう1つは、県議会の実態でさえ、予算委員会・決算委員会20分以上質問しているんですよ。発言者の数によっては。先ほども述べたように、30分を基本にして質問時間を調整すると。これは従来通りです。
 規制しているのは常任委員会の審議だけなんですよ。なぜ常任委員会だけ、一番徹底審議しなければならない常任委員会だけ20分と規制するのか。その理由・根拠は誰からも示されませんでした。
 岩渕さんからは、医療の逼迫の話をされましたけれども、全国的に五類に見直される前にさまざまな規制緩和がすでにされて、感染者もこれは大幅に減ってきているのも事実です。だから、常任委員会だけ規制する理由にならないんですよ。客観的にもそういう逼迫の状況ないですけど。だから、こんなに道理も根拠もない常任委員会の発言規制を、なんでやらなくちゃならないのか。委員長、疑問に感じませんか。
 議長にお聞きしたい。全国に例のない発言規制を岩手県議会だけ続けるというこの異常さ、そして議会の本会議や特別委員会と比べても、常任委員会の質疑だけ規制するこの異常さ、私は二重の意味で是正されるべきだと。議会の民主的な運営の先頭に立つ議長の見解をお聞きしたい。

【五日市議長】
 定例会ごとにですね、交渉団体会派の方々とも相談をさせていただいて、会派の中でもさまざまな議論があるようですが、そのように決定をしたということでございまして、先ほど高橋但馬委員もおっしゃいましたが、いわゆるフェーズが大きく変わるときでは、見直す1つのタイミングであろうかなとは感じております。

【斉藤議員】
 このような決定をしたとしていないんですよ。代表者会議で調整しただけの話なんですよ。決定するのはこの議会運営委員会の場ですからね。
 私はせめてこれは持ち帰って、会派でもう少し議論して、明日も議運があるわけだから、こういう異常なことは是正すべきは是正すると、このことを委員長に求めたい。

【軽石議会運営委員会委員長】
 委員の皆さんからご意見はございますか。よろしいですか。
 それでは、事務局長の説明の通りでよろしいでしょうか。ではよろしくお願いいたします。