2023年2月28日 議会運営委員会
自民党・岩崎友一県議の発言に対する動議について(大要)
【軽石議会運営委員会委員長】
それでは、動議については、お手元に配布した速記録の通りでありますが、今回斉藤信議員が発言の撤回等を求めている発言内容について、該当する部分の特定と発言の撤回等を求める趣旨について確認したいと思います。また、資料につきましても、事務局を通じて皆様方に配布をさせていただいておりますので、その資料についてもご覧をいただいたうえで進めたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
それでは、斉藤信議員・オブザーバーがおりますので、資料等の説明などあればお願いします。
【斉藤議員】
まずこの速記録で、私が提起した問題を改めて確認をしていただきたいんですけれども、岩崎議員から事実に基づかない日本共産党に対する重大な攻撃・発言がありました。
松竹伸幸氏、これを党が除名したのは異論があったからではありません。党の規約に反する、党外から公然とした攻撃を行ったから、党の規約に基づいて除名処分を行ったのであります。これは憲法21条「結社の自由」に関わる問題であります。
事実に基づかない、公党たる日本共産党に対するこの発言は撤回し、謝罪を求めます。議事録からの削除を求めます。これが私の動議です。
それでどこが問題かと。1ページ目の岩崎議員の質問、「実は、先日共産党が党首公選の必要性を訴えた元党職員を除名処分にしたことが大きく報じられました」。このことを事実のように述べて、「各社は『これは民主主義ではない』」と、こういうふうに述べて、「共産党の言動・判断は、知事がいうかけがえのない民主主義と合致するものなのでしょうか」と。党首公選制の必要性を訴えたから処分したわけではありません。これは事実に反します。
それと3ページ目を見てほしいんですけれども、岩崎議員はこうも述べました。「共産党は、異なる意見を持った職員を除名処分にしたんです。これは大問題だと思います」。異なる意見を持ったから処分したわけではありません。あわせて、異なる意見を持った職員でもありません。党本部の職員でもありません。これは全く事実誤認であります。
それで私から、「松竹伸幸氏の除名処分について」という、除名処分についての声明ですけれども、一番下のところを見ていただきたい。何を根拠に処分したのか。「松竹伸幸氏は、そうした規約に保障された権利を行使することなく、突然の党規約および党綱領に対する攻撃を開始したのです。松竹氏の一連の発言および行動は、党規約の『党内に派閥・分派をつくらない』(第3条4項)、『党の統一と団結に努力し、党に敵対する行為は行わない』(第5条2項)、『党の決定に反する意見を勝手に発表することはしない』(第5条5項)」。党の自主的な規律―党の規約に反したから処分をしたのであって、志位委員長の一問一答も皆さんに資料として渡しています。朝日や毎日などが社説で「異論封じ」だというような社説をやりましたけど、これは事実に反する不見識な社説だと私たちは批判していますが、異論を持っているからではなく、党を攻撃することが問題なんだと。党籍があった党員がですよ、規約に反して外から攻撃すると。こういう事実に反することは、私はきわめて重大だと。
特に注目して見てほしいのは、結社の自由に関する最高裁の判事、囲みの記事です。「結社の自由とは、各人に対して、政党を結成し、または政党に加入し、もしくはそれから脱退する自由を保障するとともに、政党に対しては高度の自主性と自立性を与えて、自主的に組織運営をなしうる自由を保障しなければならない。他方、右のような政党の性質、目的からすると、自由な意思によって政党を結成し、あるいはそれに加入した以上、党員が政党の存立および組織の秩序維持のために、自己の権利や自由に一定の制約を受けることがあることもまた当然である」、これは最高裁の判事です。
結社の自由というのは憲法21条、「集会・結社、言論・表現の自由はこれを保障する」となっています。ですから、言論・出版の自由とあわせて、集会・結社の自由というのは、まさに基本的人権に関わる憲法が定めたものであります。
そこで、岩崎議員の発言は、そういう意味で、党の除名処分については事実に反したものでありました。それが議会の質問としてどうなのか。地方自治法第132条は「普通公共団体の議会の会議または委員会においては、議員は無礼の言葉を使用し、または他人の私生活にわたる言論をしてはならない」。この「無礼の言葉」、これについて専門家の解説があります。無礼な言葉というのは、3つありますけれども、1つは「他人の私生活に渡る発言」、2つ目「発言の根拠が不明確である発言や事実と異なる発言」、3つ目は「基本的人権を侵害する発言」。岩崎議員の発言は、代表質問で、公共電波で放映されている、きわめて重要な場で、事実に反する、そして結社の自由を否定する、基本的人権を否定する発言だったと。ですから、先ほど私が紹介した部分については撤回し、議事録からも削除すべきだと。そして岩崎議員は謝罪すべきだと。これが動議を提案した私の理由であります。
【軽石議会運営委員会委員長】
自由民主党さんからも資料が出ていますが。
【佐々木茂光委員】
今回のあの発言はですね、もちろん発言した岩崎議員にも確認をしていますけれども、あくまでも新聞報道等をベースにした発言であるということを本人は主張しています。
我々が常に議会でいろいろ質問をしますが、事実はもちろん、事実というか、我々はこの文言の中からそれを取り上げた形でありまして、一般に議員の方々のいろんなそういう新聞とか情報をいろんなものを題材にしながら、議会で質問を考えていくのが我々のできる仕事でございます。それに則って、今回は発言をいたしました。
それで動議という形であがってくるというのは、我々にしてみればいかがなものかと。それを議会の中で取り下げてやるのであれば、斉藤先生の言うのももちろん分かりますけれども、我々は新聞報道、マスコミの報道の中から取り上げたのであります。
【斉藤議員】
今の自民党・佐々木議員の発言、私が問題にしているのは、事実に基づかない、誤った発言ですよ。朝日などで報道されたから、それを引用しましたと。そんな無責任な話ないと思うんですよ。マスコミの報道がいつも事実とは限らないんですから。今回はまったく違っていたんです。ある意味意図的な反共攻撃、反共キャンペーンを残念ながらマスコミはしています。せめて、議場で、議事録が残る、公共の電波で放映される代表質問において、自ら事実を確認することなく、事実に反する、そして公党の共産党に対する攻撃を行う。これは許されないことですよ。
私は先ほど地方自治法の132条、「無礼の言葉」の中身も指摘をいたしました。事実に基づかないこういう発言は無礼な言葉なんです。そして基本的人権、これは結社の自由、党の規約を守って活動するという、このことを保障するということは基本的人権に関わる問題なんです。それが無視されたら、議場で自由に、勝手に公党を批判してもいいということになります。そんなことは私は絶対あってはならない。
事実に基づいた発言だったかどうか、自民党はこれを確認しましたか。
【米内紘正委員】
事実に基づく、基づかないところでいうと、発言を見ると、報じられたことは事実でございます。「マスコミにおいて、元党職員を除名処分にしたことが大きく報じられた」―これは事実でございます。これは我々報道から得た情報を議場で質問しているわけで、質問することもあるわけで、その先というのは、先ほど斉藤信議員が言われていることというのは、内部の規約の話でございます。ただ、内部の話ではなく外から見た場合、各社が、これだけの新聞社が報道している。つまり、党首公選制の必要性を訴えた元党職員が除名処分になったというのは、中で理由付けがどうなったかは分かりませんが、これだけを見ますと、こういうふうにとらえられて、とらえる側の問題ですから、こういうふうにとらえているわけですから、とらえられるようなこと、やっぱりそういう行動をされているわけですから、それはそこでこちらの言論の、表現の自由をそこで弾圧することはできない。
議会で「公党への攻撃」といいますけれども、斉藤信先生のこれまでの議会における発言、自民党のことを「悪」と言ったりしています。攻撃のラインをどこで引くのか、今回の発言が動議にかかって、これを本会議場で議論するようなことになれば、我々というのは本当に一切批判というものが、まさに議会に対する言論弾圧にしかならない。そして、結社の自由のことをお話されていますけれども、別にそこに対して圧力をかけるわけじゃなくて、その政党のそのやり方に対して、外から意見を言うことは自由であって、我々自民党も常にそういう批判にさらされています。それを常に攻撃しているにも関わらず、少し言われたときに「それは攻撃だ」と全方位に弾圧をかけていくというのは、それこそ私は今ここで話を聞いているだけでも恐ろしい風潮だなと感じてしまいます。その感じた結果というのを各社さんがそうやって報道されています。その報道という事実をベースに議会でああいう発言をしたわけでありまして、それに対して削除、謝罪というところまでいくのは、やはり議会としてはおかしいのではないかと思っています。
【斉藤議員】
米内さん、私は「事実に基づかない発言」と言ったんです。異論を封じたり、党首公選制を主張したから共産党は除名したのではないんです。こういう社説もありましたからね。
日本共産党は、かなり具体的な事実に基づいた反論をしているんですよ。あなた方は全然そういうことを調べもしない。朝日や毎日の社説を鵜呑みにして、間違った事実を鵜呑みにして質問したということですよ。
いま米内さんは、党職員を処分したと言いました。党職員じゃないと私言ったじゃないですか。党職員じゃないんですよ。だいたいなぜ除名処分になったのか、これは大事な事実なんです。
いいですか、党の規約は「違った意見があったからといって排除してはならない」と、ちゃんと書いているんですよ。日本共産党は、意見の違いがあったから排除するということは原則厳しく排除しています。これは規約第3条第5項ですけれども、第4項が「党内に派閥・分派をつくらない」、第5項は「意見が違うことによって組織的な排除を行ってはならない」。そして第5条第6項で「党の会議で、党のいかなる組織や個人に対しても批判することができる。また中央委員会に至るどの機関に対しても質問し、意見を述べ、回答を求めることができる」。同時に、第8項に「党の内部問題は党内で解決する」と書いているんですね。これだけ党の規約で、異論があっても排除しない。党中央委員会のあらゆる場でそういう意見を提案することができる。しかし党内問題は党内で解決する。こういうことを一切やらずに党攻撃をしたのです。本も出版して。だから、この規約に基づいて除名処分をした。朝日も毎日も、そこの認識が決定的に間違っています。この事実をどう見るかというのが、我々が議論するときに一番大事なことなんですよ。マスコミが報道したからそれを使って質問しましたなどというのは、そんな無責任なことは許されない。何でも裏をとらなければだめなんですよ。ましてやこれは議論になっている問題ですから。日本共産党がどう反論しているか。そういうことも調べないで。
3ページなんかこう断定しているんですよ岩崎さんは。「共産党は、異なる意見をもった職員を除名処分にしたんです」。これは全然事実に反するじゃないですか。党の職員でもないんですよ。二重三重に事実に反した、そしてこれは言論・出版の自由、党攻撃なんです、ここまでくると。単なる発言ではない、批判ではない。事実に基づかない、共産党に対する攻撃。だから私は問題にしたんですよ。
今までの議論で自民党は、この問題について、自ら調査もし、事実も確認しないで取り上げたということが明らかになりました。私たちの質問というのは、なんでも、マスコミが報道しているからではなくて、それは裏をとって、事実を確認したうえでやるべきです。ましてや、結社の自由というのは、党の規約に基づいて運営をすること、これは保障されなくちゃならない。だから、朝日も毎日も、この結社の自由について反論できないでいるんです。言論・出版の自由と同じように、結社の自由、これを我々は守る、尊重する。これは民主主義の原点です。私はそういう意味で、あまりにもずさんで、事実に基づかない、これは批判というよりは攻撃と。共産党に対する誹謗中傷ですよ。だから撤回を求め、謝罪と議事録からの削除を求めているんです。
【軽石議会運営委員会委員長】
それでは、本動議の対応についてはいかがいたしますか。
【岩渕誠委員】
今日のただいまのやりとりで、どういったところが動議、それに対しての反論というのも一定程度明確になったと。
私も動議の中身については、発言の撤回とか謝罪という内容が含まれていますけれども、これは議会運営委員会というよりは、ご本人次第というのが通例でありますので、そういった意味でそれを確認するということが必要だと思いますし、我々も論点をお聞きしましたので、それについてはもう1回検討してみたいと思いますので、結論はこの場では出ないというふうに思います。
【佐々木茂光委員】
今そのような話になりました。私がさらに考え直していくと、我々の発言に対する斉藤先生の発言というのは、やはり個人に対する圧力、威圧を求めているということを考えると、これはそもそも先生の、県会議員であり、そしてうちの岩崎ももちろんここにいるわけでありまして、これはまさに県議会の方に投げかけられたものになっているのかなというふうにも解釈もしております。
【橋但馬委員】
我が会派としては一度持ち帰って、会派で協議したいと思います。
【軽石議会運営委員会委員長】
それでは、2月22日の本会議における岩崎友一議員の発言の撤回等を求める動議の対応については、明日3月1日金曜日の当委員会において、改めてご協議いただくこととしたいと思いますが、よろしいでしょうか。ではよろしくお願いいたします。