2023年3月2日 文教委員会
補正予算(教育委員会分)に対する質疑
(大要)


・物価高騰への補助について

【斉藤委員】
 次に、管理運営費で、いま議論にもなりました。これは物価高騰分の補てんと。文化施設・スポーツ施設も聞きましたら、全額補てんをしているという話でありました。これは高等学校費ですから、県立高校の場合、これは全額補てんの額ということで見ていいんですか。

【予算財務課長】
 光熱水費の高騰分のかかる経費につきましては、全額でございます。

【斉藤委員】
 それで、これは明日(3/3)採決されるんですよね。ところが昨日(3/1)卒業式やっているわけですよね。だから本当は今までのところが一番大変なんですよね。だから、2月補正で全額補てんされるので心配なく学校はやりなさいというのが、1月ぐらいに内々の指示が出ないと、いま岩渕さんが言ったように、見通しがなかったら使えないんですよ。これからあと春休みになるわけじゃないですか。だから、2月補正はいいんだけれども、これから卒業式が終わって春休みに入るときに補正されても、それを前提にして各学校が安心して暖房費を使っているのか。あとはエアコンも設置されていますよね。このエアコンというのは暖房にも使われているんでしょうか。

【予算財務課長】
 本年度の電気代とか燃料費の高騰は、今までにないような急激な値上げだったということもございまして、2月補正を積算しましてから、少し早めには学校の方にお知らせはしましたが、もう少し早くした方がよかったのではないかというご指摘もその通りでございます。今後こういった事態がございましたら、学校と連携をとってまいりたいと思います。
【学校施設課長】
 一部の学校においては、エアコンも使用しております。

【斉藤委員】
 県立高校の暖房のシステムというのは、灯油が主流なんでしょうか。そういう実態が分かれば示してください。

【学校施設課長】
 重油によるボイラー暖房と、灯油による温水器によるボイラー、それからエアコン、この3種類が主となっています。

【斉藤委員】
 もっと丁寧に、どのぐらいの比率なのか。

【学校施設課長】
 暖房の内訳については、高等学校・特別支援学校を合わせまして、灯油を使っている学校が50校、重油を使っている学校が54校、ペレットが1校という内訳になっております。

・卒業式でのマスクについて

【斉藤委員】
 それと、暖房といったときに、いま新型コロナで一番心配されるのが換気なんですよね。卒業式については、マスクを外しても良いという通知が文科省から出ました。通知をする前に、どういう条件が整備されたらマスクを外せるのかと、こういうことがあって然るべきなんだと思うんですよ。普通だったら、換気システムを整備して、マスクを外して大丈夫ですよとやらないと、新型コロナは決して収束したわけではないし、いまインフルエンザが警報レベルで広がっているときに、マスクを外していいですよなんていう、それは違うのではないかと。昨日多くの県立高校の卒業式があって、ニュースを見ていたら、外してやったところと、ほとんどマスクを付けてやったところもありました。その現状、マスクを外したところはどういう手立て・対策をとってやったのか示してください。

【保健体育課総括課長】
 卒業式におけるマスクの取り扱い、保健的な考え方ですけれども、児童生徒および教職員につきましては、「入退場、式辞・祝辞等、卒業証書授与、送辞・答辞の場面など、式典全体を通じて、マスクを外すことを基本とすること」としております。また、来賓や保護者等はマスクを着用すること。そして国歌・校歌等の斉唱や合唱を行うとき、または複数の児童生徒による呼びかけを実施をするときは、マスクの着用など一定の感染対策を講じた上で実施するよう通知したところでございます。
【高校教育課長】
 昨日の実態については、若干聞いたところでは、いま保健体育課総括課長がお話ししたような対応ということになってございまして、生徒・教職員については、その場面に応じてマスクを外すことは可能、ただし希望する生徒は付けていて構わないということ。それから、何年かぶりに校歌を式典で歌うという場面が各校で見られたわけですが、校歌を歌う場面については、しっかりマスクを着用して歌うということで、そういった指導を行いながら式を実施したといったことをうかがってございます。

【斉藤委員】
 政府・文科省が、学校の卒業式だけは先行してマスクを基本的に外すと。ただ問題は、いま県内はインフルも警報段階になって、そういう中で最終的には学校の判断でやったと思うんだけれども、やはり科学的な根拠をもってこういうことはやられるべきだと。外すときにはどういう環境整備が必要なのかと。一番は換気なんだと思いますが、そういう換気の施設・設備を国が責任をもってやって、こういうことはやるべきではないかと。

・奨学のための給付金支給事業について

【斉藤委員】
 奨学のための給付金支給事業について。これは補正額が1億553万円の減額で、見込みからかなり減ったというのが、単なる減少という数ではないのではないかと思うんですね。これは低所得世帯に対して教育費負担の軽減のための給付金を支給するものです。おそらくこれは申請主義ですね。だから徹底しなかったのではないか。低所得者が減ったというふうには考えられないので、やはりきちんと周知徹底を図ったのかと思わざるをえませんが、いかがでしょうか。

【教育企画推進監】
 この事業でございますが、当初予算では3606人、過去3年の実績の平均から予算要求を計上しました。それが実質最終的には2713人となったところでございます。それでこの額の減額補正となっております。それで、この給付金支給事業に関しましては、まず高校の授業料が減額になる就学支援金というものがございます。それが7〜8割ぐらいの生徒が受けているわけですが、その方々のうち、生活保護受給世帯・非課税世帯ということで、学校を通じて周知を図って関係書類をということで、基本的には再確認をしながら、追加で申請などにも対応しながらやっているところでございます。基本的には、もれがなく給付しているという認識ではございますが、分かりづらくて認識がなかったということがないよう、そこは周知に努めていきたいと考えております。

【斉藤委員】
 これは大変低所得者にとっては良い制度なんですよね。授業料以外の教育費負担を軽減すると。給付金ですから。生活保護世帯は、全日制の場合は32300円、非課税世帯は、全日制第一子世帯は11万4100円、第二子は14万3700円と。本当に活用すれば大変良い制度なので、周知徹底を図って、もれのないように活用されるようにしていただきたいと思います。

・産業教育実習船について

【斉藤委員】
 産業教育実習船なんですけれども、先ほども質問がありましたが、総額29億4200万円余の事業費で、今年度は設計委託、建造管理分ということでありますが、これは来年度いつ完成するのか。

【学校施設課長】
 R5・6の2カ年で建造しまして、7年度から供用開始という予定でございます。

・子どもの安心安全対策事業費について

【斉藤委員】
 子どもの安心安全対策事業費補助、これは870万円増額補正でありました。改めてその中身を示してください。

【保健体育課総括課長】
 令和4年9月に、静岡県の認定こども園で送迎バスに取り残された園児が死亡した事案を受けまして、幼稚園また認定こども園および特別支援学校の送迎バスの安全装置の設置を義務づけられることにともない、当該安全装置の設置に関わる経費を措置するとともに、登園管理システムやICTを活用した子どもの見守りに要する機器等の導入に必要な経費を措置することで、子どもの安心安全を守るための対策を講じるものでございます。

【斉藤委員】
 幼稚園と特別支援学校の通園バスということですね。それぞれ何台になりますか。

【保健体育課総括課長】
 当初、市町村立の幼稚園数である29台、市町村立小中学校所有の通学バス353台、特別支援学校所有の16台、398台分の所要額を計上していたものでございます。
 委託等による民間業者所有の車両も補助対象となることから、当課におきまして改めて補助対象台数の調査を実施いたしまして、市町村立幼稚園20台、市町村立小中学校通学バス458台、特別支援学校所有16台の計494台分となったことから、増加分として96台分について今回予算を計上したものでございます。

・学校給食物価高騰対策支援費について

【斉藤委員】
 学校給食物価高騰対策支援費、これは428万円余の減額補正であります。これは増額補正した分余ったということだと思いますが、今年度は県立学校で物価高騰分の値上げはなかったと理解していいのか。
 もう1つは、今年どんどん食料品すでに高騰しております。小中学校の動向を聞きますと、ほとんど学校給食を値上げをすると。値上げをしない場合には回数を減らすと。こういう動向になっております。「異次元の少子化対策」ということが言われているときに、4月から学校給食費値上げという、それはあってはならないことだと。県立学校・特別支援学校の場合、来年度の給食費の値上げは抑えるべきだと思うけれども、どうなっているか。小中学校の値上げの状況なども把握していれば示してください。

【予算財務課長】
 特別支援学校におけます給食費の値上げにつきましては、補正予算で措置をさせていただきましたが、15のうち10校で10%の値上げを実施してございます。時期は、9月に実施した学校もありまして、12月からという学校もありまして、各学校・地域の事情に応じて給食費の単価を設定していただいているところでございます。
 来年度につきましては、いまそういった物価指数とかをとりながら検討しているところではございますが、いまの10%値上げしたもので、来年度も給食費をまかなえるという状況だと聞いておりますので、これから検討してまいります。

【斉藤委員】
 ちょっといま衝撃的な答弁でした。今年度は物価高騰分を手当したわけですよね。ところが実際には10%値上げしたと。そして減額補正ということはないんだと思うんですよね。足りないというんだったら補正しないと。そのための対策があったわけだから、なぜ値上げになったのか。来年度もこのままだったらまた値上げということになりかねないけれども、なぜ今年こういう対策をとりながら値上げになったんですか。

【予算財務課長】
 値上げはしておりますが、歳出予算で、今年度コロナ交付金を活用しまして、そこに充当しているという形になりますので、保護者負担は生じていないということでございます。県の方の食材費の費用を措置しまして、その起点が、9月から全部の学校が上がるだろうという予算を措置させていただいたんですが、その分が減額になったといった予算でございます。

【斉藤委員】
 では保護者負担は値上げになっていないということですね。値上げになっているから、学校給食費そのものが上がって、それを保護者に負担させないというので補正予算になっているわけだから、保護者の分は値上げになっていないということですね。分かりやすく言ってください。そして来年度の見通しをもう少し言ってください。

【予算財務課長】
 給食費の物価高騰にともないます保護者負担を増額させないための手立てとして補正予算を措置させていただきましたので、その点はその当時の消費者物価指数を見ながら、約14%まで最後上がるのではないかという見通しを立てまして、食材費を買う予算を立てさせていただいたんですが、食材費には国からくるコロナ交付金を充当しまして保護者負担を上げないということで進めてまいりましたが、学校の方で全部上げたわけではないので、今回減額補正させていただいたところでございます。
 この交付金につきましては、令和4年度限りではないかということで認識をしておりまして、令和5年度については、国の補正を期待したいという見通しをもってございます。