2023年3月2日 文教委員会
ふるさと振興部(私学助成関係)に対する質疑(大要)
・星北学園専修学校への支援について
【斉藤委員】
星北学園専修学校への支援について。私たちも視察をして、大変取り組みに感動もしながら聞いてきましたけれども、来年度、補助を県としては倍増したと。何を評価して倍増したのか。
東北各県の状況はどうか。
私学助成の対象となるには何が必要なのか。
生徒数が増加しているが、新たな校舎の確保が必要になっていると思いますけれども、新たな支援も必要になっていると考えますが、いかがでしょうか。
【学事振興課総括課長】
星北学園高校への補助を倍増したことにつきまして、何を評価したかということでございますが、私立専修学校高等過程に対します運営費補助につきましては、令和4年度当初予算における生徒一人当たり補助単価は35960円でございました。そういったところで、令和5年当初予算案におきましては、大学入試資格付与校は県内で唯一星北学園高校だけでございますが、大学入学した付与校につきましては、倍増の71920円にしたところでございます。これは、専修学校高等過程のうち、大学入学資格付与校につきましては、全日制の高等学校と同等の教育を行っているということ、それから近年不登校等を経験した生徒等の受け入れに積極的に取り組まれておりまして、生徒数も増加していることなどを踏まえまして、本務教員の処遇を私立高校並みに引き上げるとともに、クラス数の増にともなうさらなる本務教員増員に対応できるように、教育環境の充実が図られるよう補助単価を倍増することとしたところでございます。
東北各県の状況でございますが、星北学園と同様に、学校法人立で大学入学資格が付与される高等過程に対する生徒一人当たり補助単価は、令和4年当初予算ベースで申し上げますと、学校法人立の高等過程を設置している学校がない秋田県を除きまして、補助単価の高い順に、山形県の76796円、福島県の50000円、本県の35960円、宮城県の35025円、青森県の30138円となっております。4年度の本県の一人当たり単価35960円は、東北で中位ぐらいでございましたが、5年度当初予算案におきまして71920円に引き上げをいたしますと、山形県の76796円に次いで東北で上位という水準になるというものでございます。
私学助成の対象となるには何が必要かというご質問でございますが、いわゆる私学助成につきましては、私立学校振興助成法第9条におきまして、「都道府県やその区域内にある幼稚園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校または幼保連携型認定こども園を設置する学校法人に対しまして、当該学校における学校法人に対して、教育にかかる経常的経費について都道府県が補助する場合には、国は都道府県に対しその一部を補助することができる」と私立学校振興助成法第9条に規定されておりまして、この規定によりまして、県では普通交付税措置および国庫補助を受けまして、私立の高等学校に運営費補助を行っているところでございます。一方で、専修学校高等過程につきましては、そのような規定がございませんので、運営費にかかる国庫補助も交付税措置もないという状況でございます。このため県では、一般財源による県単独の補助を行っておりますが、県単独ではなかなか限界もありますので、国庫補助・交付税措置がないことが課題であると認識しているところでございます。こうした中で、県では国に対しまして、高等学校に対する支援と同様の支援が県としてできるように、国庫補助制度の創設と交付税措置をしていただくことを内容とする「大学入試資格が付与される私立高等学校専修過程に対する支援の創設」ということを国に要望しているところでございます。
生徒が増加している星北学園高校ですが、新たな校舎の確保が必要になっているが同支援をするかというご質問でございます。星北学園高校におきましては、年々生徒数が増加していることは承知しております。将来的には、新校舎の整備が必要になるとのお話はうかがっておりますが、まだ交渉段階というところでございまして、具体的な計画には至っていないと認識しております。また、専修学校の施設整備につきましては、耐震改修の国庫補助制度はございますが、耐震改築や老朽改築にかかる国庫補助はないというのが現状でございます。今後、新校舎整備が具体化していく場合には、活用できる補助制度の有無や、国への補助制度の創設要望、学園の支援状況などどのような支援ができるのか、必要なのか、さまざまな可能性について関係者のお話をうかがいながら、しっかり今後調査・研究していく必要があると考えているところでございます。
・岩手県立大学の就職状況について
【斉藤委員】
県立大学の就職状況について、今年3月ということになりますが、学部ごとの就職状況、県内就職状況はどうなっているでしょうか。
県内就職率を高めるための課題は何か。
コロナ・物価高騰で生活困難な学生への支援はどうなっているか示してください。
【学事振興課総括課長】
令和4年12月末現在におけます県立大学の4大学部と短期大学部を含めた3月卒業予定者全体の就職者数は、495人で、うち県内就職者は221人、県内就職率44.6%でございます。前年同期比で、県内就職者数は41人・9.6%の減となっております。うち、大学の就職者数は375人、うち県内就職者数は157人で41.9%、前年同期比で11人・5%の減となっております。
学部ごとの就職状況でございますが、看護学部の就職者数は75人、うち県内就職者31人・41.3%となっております。前年同期比で県内就職者13人・21.6%の減でございます。社会福祉学部の就職者数は79人、うち県内就職者は38人・48.1%。前年同期比4人・3.1%の減ございます。ソフトウェア情報学部の就職者数は129人、うち県内就職者は29人・22.5%。前年同期比で県内就職者は3人増えておりますが、全体の就職者数が19人増えたため1.1%の減となっております。総合政策学部の就職者数は92人、うち県内就職者は59人・64.1%でございます。前年同期比3人・5.8%の増でございます。
盛岡および宮古の短期大学部の就職者数は120人、うち県内就職者は64人・53.3%で、前年同期比で県内就職者数30人・21.9%の減となっております。
県内就職率を上げるための課題でございますが、県立大学も参画いただいております岩手高等教育地域連携プラットフォームにおきまして、今年度新たに企業ニーズの把握調査を行いましたところ、インターンシップの企業のニーズ調査をしたところ、インターンシップの充実や、大学と企業との接点がない・少ないという課題が明らかになったところでございます。また、プラットフォームの全体会議におきましても、県外出身者の県内就職率が県内就職者の県内就職率より低いということで、県外就職者は県内に就職せずに、主に地元の方に帰られて就職するというようなご意見・見解もご発言あったところでございます。こうしたことから、来年度はインターンシップの充実等につきましては、いわてで働こう推進協議会と連携をしまして、企業で実施するインターンシッププログラムの充実に向けた支援を行うことによりまして、県内就職率の向上に向けた取り組みを強化したいと考えております。また、現在、今年度から事業を実施しております、県内大学生等定着推進事業によりまして、来年度は県内大学や県内の大学生等に対しまして、県内就職に関する、就職される側のニーズの調査を実施して、必要な取り組みを検討していきたいと考えているところでございます。
県立大学におけるコロナ・物価高騰で生活困窮な学生への支援についてでございますが、新型コロナウイルスの影響を受けた学生への支援につきましては、国の就学支援制度によります授業料の減免、給付型奨学金による支援、貸付型の奨学金に加えまして、県立大学では独自に授業料の減免により引き続き対応しているところでございます。また、新型コロナウイルスに関する相談をワンストップで対応できる「なんでも相談窓口」を設置したり、各種支援相談に精通したソーシャルワーカーによる相談などによりまして、学生を支援しているところでございます。加えまして、学食におきまして、期間限定ではございますが、食堂のメニューの割引などを実施して、学生の支援を実施しているところでございます。引き続き学生が安心して就学できるよう、新型コロナウイルスの発生状況、物価高騰の影響を注視しつつ、県として必要な対応を検討していきたいと考えております。