2023年3月7日 予算特別委員会
総務部に対する質疑
(大要)


・コロナ禍での人員体制、超過勤務について

【斉藤委員】
 新型コロナ感染対策についてお聞きをいたします。
 この1年、オミクロン株による感染拡大、第6波・第7波・第8波と、大きな感染拡大がありました。今年度の保健所等への応援体制はどうとられたのでしょうか。来年度の対応状況はどうなっているでしょうか。

【人事課総括課長】
 令和4年度の保健所等への応援体制についてでございますが、新型コロナウイルス感染症対策に迅速かつ的確に対応するためには、業務に応じた柔軟な職員体制の構築が重要であり、今年度においても業務量や今後の見通し等を踏まえ、医療政策室の担当職員や保健師の増員のほか、会計年度任用職員として保健師を任用するなど、体制構築に努めたところでございます。また、現場の最前線で感染拡大防止にあたる保健所に対しましては、全庁的な応援体制を組んでおり、感染拡大時においては、本庁に設置した保健所支援本部への本庁各部からの応援職員の増員や、広域振興局内の各部からの業務支援を弾力的に行ってきたところであります。
 令和5年度の保健所等の体制についてでありますが、感染状況や国の動きを踏まえながら、切れ目なく新型コロナウイルス感染症対策にあたるため、医療政策室の担当職員および保健所に追加配置している保健師を継続配置するとともに、会計年度任用職員として保健師を任用するなど、引き続き必要な職員体制を構築してまいります。
 今後におきましても、感染動向に応じた職員体制を構築するため、保健福祉部と連携を図り、状況に応じて保健所への業務支援を活用するなど、柔軟かつ最適な人員配置に努めてまいります。

【斉藤委員】
 抽象的に聞いているんじゃないんですよ。具体的に、保健所に、医療政策室にどういう人員体制で応援体制が組まれたのか。来年度どうなるのか。具体的に答えてください。

【人事課総括課長】
 今年度の第7波の感染拡大時におきましては、本庁に設置しております保健所支援本部への業務支援体制を拡充いたしまして、最大で44名の体制を組み、疫学調査等の業務に対応してきたほか、各広域振興局においても、各公所が一体となって9保健所の合計で一日あたり最大70名の新体制を確保してきたところであります。その後、外部委託の導入や業務の見直し、9月26日の全数届け出見直しなどを踏まえまして、業務支援体制を縮小してきたところでございますけれども、現時点においてもバックアップ体制を整えており、迅速に業務支援にあたることができる体制を構築しており、現在も200名を超える体制を継続してございます。
 令和5年度における業務支援につきましては、引き続き切れ目なく新型コロナウイルス感染症対策にあたるため、感染状況等に応じて、迅速に保健所への業務支援にあたることができるよう、バックアップ体制を整え、柔軟かつ最適な人員配置に努めてまいります。

【斉藤委員】
 保健所の保健師さんの体制はどうですか。

【人事課総括課長】
 令和5年4月1日の保健所の保健師数の見込みでございますけれども、正職員・会計年度あわせて81名を確保することとしてございます。こちらは令和2年度と比較しまして15名の増というような状況でございます。

【斉藤委員】
 いただいた資料は、令和4年4月1日の保健師数、保健所で81人、令和5年度の4月1日の見込みは81人になっていますよ。あとで確認してください。

【人事課総括課長】
 先ほど令和2年度末の数字でお答えいたしましたが、令和4年4月1日の保健師数につきましては81名というところでございます。令和5年も引き続き81人の見込みというところで訂正をさせていただきたいと思います。

【斉藤委員】
 それで、県職員の超過勤務80時間、100時間超の超過勤務の実態はどうなっているでしょうか。

【人事課総括課長】
 知事部局における超過勤務の状況についてでございます。令和4年4月から令和5年1月までの一人当たりの月平均超過勤務時間数の速報値におきましては、全庁で15.7時間となっておりまして、前年度同期の14.5時間と比較して1.2時間の増となっております。また、今年度全庁で月80時間以上の超過勤務を行った職員は229名、月100時間以上は128名でございまして、新型コロナウイルス感染症対応に加えまして、物価高騰対策の実施等にともなう業務量の増加などが要因と考えられるところでございます。

【斉藤委員】
 いま答弁あったように、今年度1月までの数なんですね。だからまだ増えると思いますけれども、80時間以上が229人、うち保健福祉部関係が130人、100時間以上が128人、うち保健福祉部関係が93人と、新型コロナ関係で本当に過酷な勤務になったと。それだけに、保健所体制の強化というのが大変重要だと。
 保健所で100時間以上の超過勤務の実態はどうなっていますか。

【人事課総括課長】
 保健所の100時間以上の人数でございますが、72名となってございます。

【斉藤委員】
 本当にこれは1年だけじゃなくて、丸3年こういう状況が続いているので、本当にこれは改善しないと、すでに辞めていっている状況も出ているのではないか。その状況はどうですか。

【人事課総括課長】
 保健師の退職の状況でございますけれども、今年度におきましては退職の情報というのは多くない状況でございまして、職員採用についても実質、退職者の分につきましては採用を確保している状況でございます。

【斉藤委員】
 本当に80時間、100時間、こういう過酷な勤務が丸3年続いていると、本当に抜本的に改善をしないと、心も体ももたないと思いますよ。そういう状況だと思います。しっかり来年度も、異常な超過勤務が解消されるように対策を講じていただきたい。いかがですか。

【人事課総括課長】
 新型コロナウイルスの対応が長期化しておりまして、保健福祉部や保健所の職員を中心にですね、負担が大きい状況が続いているというところは認識してございます。引き続き、業務に応じた弾力的な職員体制に取り組むとともに、不断の業務の見直しを促進いたしまして、超過勤務の縮減に取り組んでまいります。
 あわせまして今後におきましても、県民の生命や生活に大きな影響を及ぼすさまざまな事案には適時適切に対応していくことは何よりも重要であると考えておりまして、業務の状況に応じて機動的に配置の見直しを踏まえながら、部局の枠を越えて体制の充実確保に努めてまいります。

【斉藤委員】
 本当に4年目を迎えるという状況で、ぜひ抜本的な改善がとられるようにお願いしたいと思います。

・会計年度任用職員の待遇、賃上げについて

【斉藤委員】
 会計年度任用職員の制度が実施されて丸3年となります。これまで継続して任用された職員数はどうなっているでしょうか。

【人事課総括課長】
 会計年度任用職員の継続任用についてでございますが、令和4年4月1日時点で知事部局において1490人のうち、令和2年度から継続している者は1151人・約77%、令和3年度から継続している者が1296人87%となっているところであります。

【斉藤委員】
 会計年度任用職員の制度というのは、待遇の改善というのが目的でした。しかし丸3年で、全面的に公募になるんですね。私は、やはり3年間、2年間頑張って働いてきた方々のスキルを、経験を生かして、継続雇用を最大限確保することが必要だと思いますけれども、公募にあたって、そういうことがしっかり考慮されるんでしょうか。

【人事課総括課長】
 会計年度任用職員の採用についてでございますが、会計年度任用職員は1会計年度ごとに新たな任用として、任期ごとに公募・選考を行うことを原則としてございますけれども、当該職員の任用期間中の人事評価の結果に基づいて、2回まで公募によらず同一の者について再度任用することを可能としているものであります。
 会計年度任用職員に求められる能力については、一律の採用基準というものはないものでございますけれども、公募・選考を行う場合であっても、任用する回数の制限を設けていないことから、公募・選考の結果、同じ者が引き続き同一の職で任用されることはあり得るものと考えてございます。

【斉藤委員】
 一部には、会計年度任用職員の雇用期間は3年というのもありますが、これは国際労働機関ILOの提言では、「臨時職員は合理的な期間内に正規職員となる機会を与えなければならない」と。これがグローバルスタンダードです。だから、丸3年で雇い止めということになるようなことがあってはならないと思いますが、いかがですか。

【人事課総括課長】
 先ほどの答弁と重なる部分もございますけれども、すでに3年を経て、再度公募となった場合でもですね、同じ者が引き続き同一の職に任用されることはあり得るということでございますので、引き続きそういった形での任用というのが可能と考えてございます。

【斉藤委員】
 丸3年で雇い止めという事態が起こらないように、継続雇用を最大限やっていただきたい。
 それで、会計年度任用職員制度というのは、本来処遇を改善する趣旨で創設をされましたが、結果的に決してそうなっていない。会計年度任用職員制度が導入されたときに、以前の臨時職員のフルタイム・パートタイム、それが会計年度任用職員になってどう変わったでしょうか。

【人事課総括課長】
 会計年度任用職員制度が導入された際におきましては、国のマニュアルに基づきまして、それぞれの職務必要性を十分に吟味して、その勤務時間を標準的な業務の量に応じまして、フルタイム・パートタイムの職をそれぞれ検討して設定することとされたところでございます。
 県が制度導入前の臨時・非常勤職員の任用状況を考慮しながら、例えば、事務補助を行う臨時職員については、業務の集約や廃止などの見直しを行ったうえで、その業務量等を踏まえて週30時間のパートタイムの勤務とすることが決定したというところもございます。
 また、会計年度任用職員の処遇につきましては、報酬水準の見直しのほか、特別休暇の新設でありますとか、有給化、また随時の処遇の見直しを行ってきてございまして、例えば、事務補助を行うパートタイム会計年度任用職員のモデル給与を試算いたしますと、制度導入前と比べて年収ベースでは約27万円の増額となるなど、処遇面の改善を進めているところでございます。

【斉藤委員】
 実は、会計年度任用職員前の臨時職員の実態は、フルタイム571人・32%でした。会計年度任用職員になったら、フルタイムはたった55人・3.7%、96.3%はパートタイムになってしまった。月収は減らされてしまったんです。
 そして、いま待遇改善されたというけれども、月収14万4619円というのは、7年働いた人です。1年目は月収11万7212円です。これは年収で140万円にしかなりません。圧倒的にパートタイムですから、会計年度任用職員で年収200万円を割るワーキングプアはどのぐらいを占めますか。

【人事課総括課長】
 委員お尋ねの数字については、手元に持ち合わせていないところでございます。ただ、1年目で11万7212円ということでございますが、こちらについては、例えば継続して3年経過して、さらに再度任用されたという方については、前回の任用が通算されるというようなところでございまして、必ずしも1年目からすべて任用されるというものではないという状況はございます。

【斉藤委員】
 6割が年収200万円を割るワーキングプアなんですよ。年数で見ますと、5年働いて月収13万2541円。この場合159万円にしかなりません。一時金入れても200万円割ってしまいます。だから、7年働かないと年収200万円いかないんですよ。こういう会計年度任用職員で圧倒的にワーキングプアという状況を、抜本的に改善すべきではないでしょうか。
 高田県議が総括質疑で会計年度任用職員も時給1500円という提案もいたしました。やはり県の仕事でワーキングプアをつくるという、200万円を割ったら家計支えられないんですから。こういう実態をリアルに見て、県の仕事からこういう低賃金構造を打開していく必要があるんじゃないか。いかがですか。

【人事課総括課長】
 先ほどお話しありました時給1500円の部分でございますけれども、会計年度任用職員の給与につきましては、地公法に定める均衡の原則に基づいて、生計費や民間給与等を踏まえて決定されている、常勤職員との均衡を考慮して、報酬やボーナスの水準を決定しているところであります。
 令和5年度におきましても、令和4年の人勧を踏まえた増額改定を行っているところであります。今後におきましても、法に定める給与決定の諸原則に則って、人勧を最大限尊重しながら適正な処遇を確保してまいりたいと考えております。

【斉藤委員】
 私が指摘したのは、会計年度任用職員で年収200万円を割ると。生活を支えられないと。こういう賃金水準でいいのかと。そこをリアルに見て、改善すべきは改善しなかったら、岩手県全体の労働者の賃上げにならないじゃないですか。県庁で仕事してワーキングプアと。全体の賃金水準を上げなかったら、岩手の民間の賃金だって上がらないと思いますよ。そのことを指摘をして、そこをよく見て、会計年度任用職員というのは待遇改善が目的なんですから、本当に待遇改善になるような改善を図っていただきたい。