2024年3月5日 予算特別委員会
議会事務局に対する質疑
(大要)


・県議会棟における喫煙所問題について

【斉藤委員】
 都道府県議会における喫煙所の設置状況についてお聞きします。全国、東北各県の状況はどうなっているでしょうか。

【総務課総括課長】
 令和5年9月時点の調査になりますが、敷地内全面禁煙は8道府県、敷地内禁煙で敷地内に喫煙専用場所ありとするものが12府県、建物内禁煙が7都県、建物内禁煙で喫煙専用室ありとするものが20県となってございます。
 東北各県議会におけます喫煙所の設置状況については、敷地内全面禁煙は青森県・秋田県の2県、敷地内禁煙で敷地内に喫煙専用場所ありとするものが宮城県・山形県・福島県の3県、建物内禁煙で喫煙専用室ありとするものが本県の1県となっております。

【斉藤委員】
 全国でも、建物内禁煙で喫煙専用室ありとするものが20県と。ここに岩手県が残念ながら入っていて、一番遅れていると。東北6県を見ますと、秋田・青森は敷地内全面禁煙、宮城・山形・福島は敷地内禁煙で敷地内に喫煙専用場所ありということで、東北の中でも岩手が一番受動喫煙防止に背を向けた状況になっているのではないか。
 この間、県職員の利用の問題が議論になって、貼り紙が出され、県職員の利用というのは激減したのではないかと。この状況はどのように把握されていますか。

【総務課総括課長】
 事務局としては、県職員の利用について、令和5年10月20日付の「県議会棟喫煙室の職員の利用禁止等について」という総務部長通知が発出されまして、これに基づき適正に利用されているものと認識しております。

【斉藤委員】
 県職員は敷地内全面禁煙で徹底されていると。残念ながら最近までは課長クラスも含めて議会棟の喫煙室が使われていたと。これは本当に問題だと思うんですね。県庁が敷地内全面禁煙やっているときに、逃げ場所、それを議会が提供したような形になって、これは激減して、基本的にはなくなっているのではないかと。改善されたと思います。
 そうなると、議会棟の喫煙室は、議員だけが利用できる特権的な施設になってしまうと。何よりも受動喫煙防止というのは、がん対策のもっとも中心的な課題なんですね。本来その先頭に立つべき議員が、自分たちだけが利用できる喫煙室を置いているのは、県民から見て異常な事態だと思いますけれども、事務局長はどう受け止めていますか。

【議会事務局長】
 いずれ改正の健康増進法により、望まない受動喫煙防止を図るために、多数の者が利用できる施設の管理について、権限を有する者が講ずべき措置について定めており、喫煙専用室はその第二種施設ということであります。それに基づいて事務局としては管理をしておりますが、喫煙専用室のあり方については、これまでも議員の皆様方の協議のうえで、現在の使い方ということになってきておりますので、今後においてもそのあり方についてはご協議のうえで決定されていくべきものと認識しているところでございます。

【斉藤委員】
 県内の市町村議会について前も聞いたことがありますけれども、おそらくいま市町村議会でも、議会はだいたい庁舎内にあるので、喫煙所があるところはないと思いますが、分かりますか。

【総務課総括課長】
 県内市町村議会における喫煙所の設置状況については、令和5年10月時点になりますが、敷地内全面禁煙は17市町、敷地内禁煙で敷地内に喫煙専用室ありとするものが16市町となってございます。

【斉藤委員】
 ですから、建物内にはないということになりますね。そういう県内の市町村議会と比べても岩手県議会は大変異常な、特権的な喫煙室そのまま温存しているということで、これは解決を図っていただきたいと思います。

・政務活動費のネットでの公開について

【斉藤委員】
 議会のデジタル化、DXに関わってお聞きしますが、政務活動費の収支報告書について、私はこれはもうネットで、議会のホームページで領収書を含めて公開すべきではないかと。実は、選挙管理委員会が整理をしている政治資金収支報告書はネットで公開されています。政治資金収支報告書でさえそういう形になっているときに、議会のDX化というんだったら、政務活動費のネットでの公開を進めるべきだと思いますけれども、全国の公開状況はどうなっているでしょうか。

【総務課総括課長】
 令和5年7月28日現在になりますが、都道府県議会では24都府県において公開してございます。

【斉藤委員】
 半分以上の県議会が公開していると。
 実は議会の情報公開というのは、最初は岩手県が進んでいたんです。しかし今や全国の後塵を拝している。デジタル化というんだったら、県民にどこからでもアクセスができて状況が分かるような公開をすべきではないか。
 これは事務的に全然問題ありませんね。政治資金収支報告書でさえネット公開していますから、事務的な問題は一つもないと思いますが、いかがですか。

【総務課総括課長】
 公開を実施するにあたっての課題、障害についてでございますが、ホームページで公開するためには、議員の皆様から提出されましたすべての書類について、PDFファイルを作成することが必要でございます。例えば、A4のフラットファイルでおおむね50冊、8500枚のPDFデータファイルの作成業務が増加すると見込んでございます。なお、他県におきましても同様の課題があると認識しているところでございます。

【斉藤委員】
 そういうことを含めて24都府県が情報公開しているわけです。デジタル化というんだったら、県民に利便性があるというのが一番大事なことなんですね。県議会の情報がリアルタイムで把握できる、そういうデジタル化こそ県民の立場に立って岩手県議会は進めるべきだと。必要なら議会改革検討委員会で検討すべきだということを指摘しておきたいと思います。

・県議会議員の海外視察について

【斉藤委員】
 県議会議員の今年度の海外視察、来年度の海外視察の状況、全国の実施状況を示してください。

【総務課総括課長】
 令和5年におけます全国都道府県議会の海外行政視察の実施状況ですが、本年1月25日現在、実施が25県、実施せずが本県を含め12府県、未定が10都道県となっております。
 令和6年度におけます実施予定については、現在各都道府県におきましても予算編成に向けた審議が行われているところでございますので、恐れ入りますが現時点では把握してございません。

【斉藤委員】
 この時期の未定というのは実施しないということですから、22道府県が実施しないということが全国の状況だと。岩手県も実施をしておりません。
 来年度については、意向調査もこの県議会でやっていると思いますが、来年度の海外視察の意向調査の状況はどうなっていますか。

【総務課総括課長】
 令和6年度については、現時点で海外行政視察議員派遣提案書は提出されておりません。

【斉藤委員】
 私は海外視察を一律に反対するものではありません。議会が必要だと決めたら、そういう目的に沿って、県政の課題と結んで海外視察をやるということはあってもいいと。ただ今の仕組みというのは、県議会議員になったら、4年に1回は90万円を上限にして視察できるという、これも議員の特権みたいなもので、私は制度の改革が必要なのではないか。本当に議会が、県政課題と結んで、必要性がしっかり議論されてやられる海外視察に改革をすべきではないかと考えていますが、全国で実施しているそういうやり方は分かりますか。どこも岩手のような方式ですか。

【総務課総括課長】
 岩手県につきましては、議員派遣の運用というところでこれまで対応されてきているところですが、令和6年1月時点での各県でのそういった運用の回数等を規定している例は、回数を規定しているのは3議会、回数の規定がないのは11議会、それ以外は非公表等となってございます。

【斉藤委員】
 いずれ岩手県議会の場合には今の段階で申請はないということは確認しました。

・都道府県議会での発言規制の状況について

【斉藤委員】
 県議会の活性化にとって一番大事なのは、やはり活発な審議だと思うんです。特に、予算・決算特別委員会というのは、かなり部局の審査に質問者も多いので、今日も20分という制限、これは仕方がないと。しかし常任委員会というのは、常任委員会の所管事項について調査する、提出された議案・請願などについてしっかり審議をすると。これは当然のことだと思います。
 そこで、常任委員会での質問について、発言時間などの規制があるところ、ないところ、どのように把握されているか示してください。

【議会事務局長】
 都道府県によって常任委員会の日程ですとか運営方法等が異なりますので、詳細な実態把握まではいっておりませんが、1つの例として、令和5年11月に他県で行った調査がありまして、発言時間について明確に何らかのルール化をしている都道府県は7府県とされております。ただこの調査においては、本県のように慣例により運用している議会については調査対象となっていないというものでございます。

【斉藤委員】
 今のはおそらく議会規則等に明文化された形で発言の規制があるところだと。それにしても7議会ということだと思います。
 本来常任委員会というのは、所管する課題について調査し、付託された案件について徹底審議をするという機関だと受け止めていますが、地方自治法その他の法令上どういう位置づけになっているか。岩手県議会が常任委員会についてはわざわざ2日間の日程をとっている、これはどういう趣旨でそのようになっているかお聞きをします。

【議会事務局長】
 地方自治法上でございますけれども、常任委員会は条例で置くことができるとされておりまして、「その部門に属する当該普通公共団体が事務に関する調査を行い、議案・請願等を審査する」と規定されているところでございます。
 それを受けまして本県議会におきましては、岩手県議会基本条例において、「委員会は、県の事務等の調査、付託された議案・陳情等または事件の審査等を行う」と規定しており、岩手県議会委員会条例においては、総務委員会など5つの常任委員会の名称、委員定数、所管を規定しているところでございます。
 それから、各定例会における常任委員会の日程でございますけれども、本県におきましては、2月定例会における補正予算等の審査のため開催する常任委員会を除きまして、2日間の日程を確保しているところでございます。これは昭和20年代からこのような日程となってございまして、理由は明確には不明でございますけれども、十分な審査時間を確保するためと考えられるところでございます。