2024年9月25日 9月定例県議会本会議
議案に対する質疑(大要)
【斉藤議員】
日本共産党の斉藤信でございます。議案第1号、2024年度岩手県一般会計補正予算(第3号)について提出者である達増知事に質問します。
一般会計補正予算(第3号)は、参議院議員補欠選挙執行費であります。8億171万6千円に及ぶものであります。
これは、広瀬めぐみ前参議院議員が、公設第2秘書の給与等約350万円余を詐取した容疑を認め、8月15日に参議院議員を辞職したことにより、10月10日告示、10月27日投票で参議院議員補欠選挙が行われることによるものであります。
8月30日には、東京地検特捜部が、公設第2秘書の給与などを国からだまし取った詐欺罪で広瀬めぐみ前参議院議員を在宅起訴いたしました。起訴状では、広瀬被告は公設第1秘書やその妻の第2秘書らと共謀し、2022年12月、参議院事務局に対し「第2秘書を採用した」と嘘の届け出を行い、23年12月までの間、給与名目で約342万円を詐取、第2秘書の解職届けも出し、退職手当約16万円もだまし取ったとしています。
弁護士でもある広瀬めぐみ氏による公設第2秘書給与のだまし取りは、県民を裏切る最悪の犯罪行為であります。地元紙の論説では、「政治への新風を期待した県民の願いに泥を塗ったに等しい。長く県政史に『汚点』として刻まれるに違いない」と指摘しました。
広瀬めぐみ氏は、今年3月に、週刊誌で赤いベンツでの不倫疑惑に続いて、公設秘書給与を詐取している疑惑が報道されたときには、自らのホームページで、「公設第2秘書の勤務実態はある」と疑惑を否定し居直っていました。議員を辞職した際、秘書給与を詐取していた事実を認め、「軽率な行為であったと反省している」とコメントしましたが、反省の念が乏しいものでありました。そして、いまだに県民に対して説明も反省もしていないことは許されるものではありません。
広瀬めぐみ氏を公認した自民党県連の責任も重大だと言わなければなりません。
県民のもう一つの怒りは、議員辞職による参議院議員補欠選挙の執行費用が8億円余に及ぶことであります。物価高騰のもとで、日々の暮らしにも困っている県民にとって8億円もの財源があれば県民の暮らしも福祉や教育の切実な要望もかなえられるものであります。
広瀬めぐみ氏の議員辞職の唯一の利点は、腐敗にまみれた自民党政治に審判を下し、県民の暮らしを守る議席を取り戻せることであります。
達増知事に質問します。広瀬めぐみ氏の詐欺事件による議員辞職によって、参議院補欠選挙が行われることになりました。選挙執行費用に8億円余の国民の税金が投入されることについてどう受け止めているでしょうか。広瀬めぐみ氏の詐欺事件と在宅起訴に至ったことについて、どのように受け止めているでしょうか。こうした事件を引き起こした自民党県連の責任について、知事の受け止めをお聞きいたします。
【達増知事】
斉藤信議員のご質問にお答え申し上げます。
令和6年度岩手県一般会計補正予算案(第3号)で提案している参議院議員補欠選挙執行費についてでありますが、岩手県では、議員辞職による参議院議員補欠選挙は過去に例がなく、辞職の理由が自らの詐欺事件で、政権与党の公認候補であったこともあり、きわめて重大な事態で、県民の皆様も衝撃を受けているものと感じております。
今回提案している補欠選挙執行費用の8億円余は、大変大きな額でありますが、公正な選挙が行われるためには必要な経費であります。それだけ民主主義にとって選挙は重要であるということでありますので、選挙によって選ばれた人はその重みを受け止め、国民・県民の負託に応えなければならないものと考えます。