2025年3月6日 予算特別委員会
総務部に対する質疑(大要)
・ジェンダーギャップの解消と女性幹部の積極的登用について
【斉藤委員】
先ほど吉田けい子委員からも厳しく質問があったと思います。
県の行動計画では、来年度15%の目標は達成できる見通しということでありますが、一般質問では、せめて女性職員の比率並にはただちに引き上げるべきではないかと。そして30%まで引き上げると質が変わる―これは専門家の指摘なんですね。女性が3割を占めると討議・審議の質が変わると言われております。そういう点で、来年度の見通し、次期の行動計画の見通しについて示してください。
【人事課総括課長】
来年度の管理職の登用の目標15%につきましては、先ほど総務部長からもご答弁申し上げた通り達成できる見込みというところでございます。
次の目標値につきましては、来年度策定作業に入ります次期の特定事業所行動計画策定の過程で考えてまいりたいと思っております。
【斉藤委員】
女性幹部の登用にかかる課題と対策についてどのように受け止めて、分析していますか。
【職員育成課長】
女性管理職員の登用にかかる課題ですけれども、現在の計画を策定するときの状況ですけれども、過去における採用時の女性割合の低さや、当時の出産や子育て期における離職などから、管理職となり得る年齢層の女性人数が少ないという状況がございます。また、そうした状況から、男性に比べてロールモデルとなる先輩職員が少ないということも課題として挙げられております。
一方で、近年において女性の採用割合の高まりや子育てにかかる支援制度の充実などにより、女性職員の割合は増加傾向にございます。将来的に管理職を担う女性職員のより一層の活躍を支援することが今後重要になってくると認識してございます。女性職員のキャリア形成に向けた研修ですとかメンター制度の活用や、女性職員の活躍事例の紹介などに取り組んでいるところでございまして、こうした取り組みに加えまして柔軟な働き方ができる職場環境づくりも合わせて進めながら、女性管理職の登用に向けた環境整備を今後とも続けていきたいと考えてございます。
【斉藤委員】
これを引き上げようと思えば、当面は45歳〜49歳の女性職員の比率を示してください。せめてその比率ぐらいは引き上げることが可能だと思いますので。
このように言われるんですね。「仕事は男性並に求められ、家事は変わらない」と。そのあたりに大きな、だから女性は2倍頑張っているのではないかと。せっかく藤原さんに答弁いたしましたので、実際に女性の管理職として、そういう点でどういうことを改善すれば、そうしないと女性比率並の女性幹部の登用にならないと思うんですね。その点ではいかがですか。率直にお聞きしますが。
【職員育成課長】
女性の年代別の構成割合は、知事部局ですと50代の女性は20%程度になります。40代は30%というところで、先ほどご答弁申し上げていますように、30代ですとだいたい40%近くになります。20代ですとだいたい40%を超えるという形で、若い年齢ほど女性の割合は高くなってきますので、今後より女性の活躍というのが見えてくるのかなと思いますし、私自身もそうなんですけれども、やはり仕事と家庭を両立するためには、職場もですけれども、家庭での協力が必要だと思いますので、積極的に家事・育児支援シートをつきつけたいと思っております。
【斉藤委員】
率直な答弁ありがとうございました。
行動計画があるんですけれども、育児休暇は令和5年度で男性97.4%、女性100%となっているんですが、おそらく期間が全然違うと思うんです。女性の場合にはだいたい1年間ぐらい育休を取ると。男性は一番多いのは1ヶ月程度ではないでしょうか。その実態は分かりますか。
【職員育成課長】
詳細な数字は持ち合わせていなんですけれども、おおよそで男性職員で1ヶ月以上取るのが6割以上に伸びてきております。かつては1週間2週間というところだったんですけれども、やはり男性の育児に参加する、あるいはその中でも家庭でどういったことをするのかというのは、先ほど話がありましたセミナーなどで、家庭でどういったその仕方をしたらいいのかということも普及啓発してございますので、そういった意味で男性職員の育児休暇の期間も伸びておりますし、それから、第一子のときに取って、第二子のときに取ってということで、より長く取る男性職員が増えている状況にございます。
【斉藤委員】
育児休暇を男性も取るようになったというのは変化で、我々の世代と20代30代は感覚が全然違います。一緒に子育てしようという、それが当たり前になってきていますから、ただ現実的には女性が1年間取るように一緒かというとまだそこにはいっていないと。
そこで、私の一般質問に知事はこう答えました。「現状に満足していない。今後さらに高くしていくように努めていく」と。この知事答弁が来年度作成される行動計画に反映されるべきだと。いま40代が30%という比率でした。少なくとも30%を超えるということを念頭に検討すべきではないかと思いますがいかがですか。
【職員育成課長】
ありがとうございます。先ほど答弁申し上げましたように、いまの計画ではその当時の職員構成を参考にしていますけれども、いま職員構成は変わってきておりますので、今後検討する中ではそうしたことも含めて前向きに検討してまいります。
【斉藤委員】
知事の答弁はかなり思い切った答弁だったと思いますので、ジェンダーギャップ解消が戦略的な課題というのであれば、県が自らその姿勢を示すということで取り組んでいただきたい。
・県税徴収のあり方について
【斉藤委員】
実例をお話しますと、実は昨年12月に北上で飲食業を営んでいる方が税金を滞納していたと。居酒屋は北上、会社は花巻だったと。花巻の税務課の方々とずっと相談しながらやってきて、ところが突然夜9時すぎに警察官2名と一緒に店に来て、その日の売り上げ35000円を差し押さえしていったと。差し押さえられたのは9時51分です。これは国税徴収法に反する事態なのではないかと思いますが、滞納整理機構があると思いますけれども、滞納整理機構はこの間どのぐらい差し押さえをして、現状はどうなっているか。私が紹介したような事例というのは、国税徴収法の通知もあるんですけれども、それに私は反するのではないかと思いますがいかがですか。
【税務課総括課長】
地方税特別滞納整理機構の取り組みについてでございますが、令和5年度決算における県税収入は1293億8千万円、それに対し収入未済額は14億1千万円となってございます。
地方税特別滞納整理機構では、個人県民税、個人市町村民税、その他相当分の市町村税の滞納整理と、市町村における滞納整理にかかる技術向上を目的として、県と県内全市町村で設置・運営しているところでございます。
令和5年度の市町村からの滞納事案の引き受けは約4億1千万円であり、そのうち約1億円を収納したところであります。
差し押さえ件数ですが、令和5年度の差し押さえの件数は、個人・法人合わせて94者を滞納整理機構で行っているところでございます。
【斉藤委員】
私が先ほど実例を紹介しましたが、国税徴収法基本通達第47条関係17において、「差し押さえる財産について留意すべき事項」として、「第三者の権利を害することが少ない財産である」あるいは「滞納者の生活の維持または事業の継続に与える支障が少ない財産であること」と。そして日没後、朝までやってはならないとなっているんですよ。夜行けるのは特別な場合です。ましてや今回警察を同行させたと。いわば営業中に差し押さえに来て、その日の売り上げ全部差し押さえて持って行ったと。このお金は翌日の仕入れのお金なんです。まさに営業継続のためのお金まで差し押さえていいのかと。こういうことはあってはならないと思いますけれども、簡潔に答えてください。
【税務課総括課長】
飲食店の営業時間中の徴収についてですが、委員ご質問の個別の事案に対するお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、国税徴収法においては、通常は日没から日の出までは捜索はできないこととされておりますが、「滞納処分の執行上必要がある場合は、飲食店など夜間でも公衆が出入りすることができる場所については、その公開した時間内は捜索できる」こととされており、事案ごとに適切に判断しております。
また、差し押さえる財産の選択・金額につきましては、給与等の売り上げ金、それらの債権については給与等のように差し押さえ禁止額の定めがないため、全額を差し押さえることが可能となっております。しかしながら、滞納者の事業の影響等に与える支障が少ない財産であることに留意して、事業の継続や生活に配慮したうえで行っているところであります。
【斉藤委員】
一般論としてもその答弁は落第ですよ。国税徴収法基本通達第47条関係17について、先ほど正確に紹介したじゃないですか。「滞納者の生活の維持または事業の継続に与える支障が少ない財産であること」と。それに反しているのではないですか。翌日の仕入れのお金ですよ。営業を妨害してまでやったと。そして警察官2名同行させたと。どんな時に警察官を同行させるのですか。これは恫喝ですよ。いま物価上昇で本当に厳しい経営状態の中で頑張っているんですよ。
どういう結末になったかお知らせしますが、これは花巻市役所に抗議に行って、最初は何ともならなかった。上司が来て、結局月15000円ずつ分割で払うということで決着したのです。そのときに、「行き過ぎた取り立て行為を認め、今後の支払い方法についても希望通りの額で合意した」と。だったらその取り立ては何だったのかと。それまで話し合いもしていた人です。だから、こういう取り立てをやってはならないと。明確な答弁をお願いしたい。
【税務課総括課長】
警察官を伴っての捜索ということでございますが、一般論で申し上げますけれども、捜索あるいは滞納処分に至るまでの経緯はそれぞれございまして、滞納されている方の事情に配慮しながら行っているところでございます。捜索を行う事案についても、それまでの約束の不履行であるとか、そういった経緯を踏まえたうえで適切に判断しているところであります。
【斉藤委員】
私は結末までお知らせしました。行き過ぎた行為を認めて、話し合いの結果、希望通りの分割払いで良いとなった。そういうことをやることが大事なのではないかと。
これは県民でも事業者でも、滞納というのは生活困難・営業困難のシグナルです。それをどう援助して、暮らしを守り営業を守るのか―そういう立場で関係機関が連携して取り組むのが希望郷いわての姿ではないでしょうか。
建前の答弁ではなく、結末まで言っているのだから、花巻市役所は行き過ぎたやり方を認めているんですよ。そういうことはあってはならないと。困っている方々の営業を継続させる立場で話し合って、丁寧に援助して解決するということが必要なのではないか。そのことを徹底していただきたい。いかがですか。
【税務課総括課長】
先ほども答弁いたしましたが、やむを得ない事情がある方等については、個々の事情に応じ、そういった状況も丁寧にお聞きしながら、適宜いろいろな制度を適用などしてから対応しております。その上で、捜索につきましても、事案等の状況により適切に判断して対応しているところでございます。今後とも引き続き適切に対応していきたいと思います。