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《2008年8月23日》
三陸の海と漁業を守り育てる道を考える
漁業シンポに200人が参加し熱っぽく討論


 8月23日、最高気温が20度を下回る寒さの中、大船渡市三陸町の三陸公民館で「三陸の海と漁業を守り育てる道を考える―第4回漁業シンポジウム」を開催しました。これには地元の漁協組合長など三陸沿岸の漁民の方をはじめ行政関係者など200人を超える地域住民が参加し漁業危機の打開を求める熱い討論が行われました。県漁連の大井誠治会長や5つの漁協組合長、大船渡市、陸前高田市、宮古市など10市町村の首長などから30通の熱い連帯のメッセージが寄せられました。
 主催者を代表して瀬川貞清県書記長が「燃油高騰問題など漁業存亡の危機的状況のもとでのシンポジウムとなった、三陸の漁業をまもる道をともに考え取り組みたい」と挨拶。
 シンポジウムでは伊藤久直氏(吉浜漁協・養殖漁業者)、吉水裕信氏(田老漁協青壮年部長)、伊藤克宏氏(大船渡地方振興局水産課長)、紙智子さん(日本共産党参議院議員)の4人のパネリストがそれぞれ発言し問題提起しました。私がコーディネーターを務めました。

後継者を確保できる漁業を
安定した養殖漁業をめざして


 養殖漁業に取り組んでいる吉浜漁協の伊藤久直氏は、「三陸の海をどうするかは党派を超えた問題なので駆けつけた」と発言。後継者問題について、娘が3人で2人嫁に出したが、新潟に嫁に行った娘が夫とともに漁業をやりたいと吉浜に帰ってきた。若い夫婦との付き合いから自主性を尊重して漁業への意欲を引き出す努力について述べました。後継者対策については、「地元水産大学の学生のアルバイトや遠野市からのアルバイトなどの活用でワカメの生産に取り組んだ。これからさらに頼りになる戦力になる。安定した養殖漁業のためにはワカメとともにホタテが重要だが、ホタテは数年に一度大量にへい死する。大学や試験研究機関で対応を研究してもらいたい」と述べました。
 
ワカメ・コンブ、アワビの増養殖事業で
10億8000万円の生産額に


 田老漁協青壮年部長の吉水裕信氏は、田老漁協の歩みと現状について紹介、わかめ・コンブ等の養殖で約5億円、加工事業の「真崎ワカメ」と「とろろコンブ」で8億円、アワビの稚貝生産から取り組み年間100万個の生産と放流で3億6780万円、採貝藻生産では約5億円の生産となり、組合員の生産金額は10億8000万円となっていると述べました。漁協としては、平成16年4月から世帯組合制を個人組合制に移行し、今年度正組合員が543名、順組合員が196名の合計739名となっているが、4年間で高齢化により79名も減少している。今後の展望について「漁業の自営化」や「協業化」の課題に直面することが考えられる。燃油高騰は漁業経営を圧迫しているが、食料自給率の向上により、地域格差を是正し、漁業者の安定的所得確保の対策を講じて、漁業の振興を図るべきと述べました。

岩手らしさを生かした産地づくりへ
秋サケ100億円、日本一のワカメ・アワビの増産、高鮮度の水産物の提供を


 県大船渡振興局水産課長の伊藤克宏氏は、岩手県の漁業の実態について沖合漁業と漁価の低下で昭和60年の36万トン、800億円から平成18年は20万トン、400億円に減少していること。沿岸漁業については、ワカメ養殖が激減し、漁業就業者数も20年間で半減し60歳以上が45%を占める状態と指摘。今後の振興策について、秋サケの100億円産業への復活、日本一のワカメ、アワビの増産、高鮮度・衛生管理での水産物の提供をめざすと述べました。

国内漁業の再生は国民的課題
漁業を破壊する「規制緩和・構造改革」


 紙智子参議院議員は、7月15日の全国の漁民による20万隻の一斉休漁の戦いが国の政策を動かし、国民の理解と世論も変えたと述べ、燃油高、資材・えさの高騰、魚価安の元で日本の水産業はかつてない危機に直面していると指摘。水産資源は貴重な国民の食料であり、地域経済の柱と述べ国内漁業の再生は国民的な課題と強調しました。また、財界や政府が「構造改革」の名のもとに定置漁業や養殖漁業に外部企業の参入自由化をめざす規制緩和論について、魚場の総合的な利用体系を崩しかねないと厳しく批判しました。
 燃油高騰対策については、投機マネーの規制と漁業が続けられる実効性のある緊急対策が必要と述べ、国の経営安定対策が条件が厳しく全国でわずか84件、岩手では0となっていて抜本的な改善が必要と述べました。
 
会場から8人が多彩な発言・質問
パネリストがまとめの発言

 
 会場参加者から8人が発言し、六ヶ所再処理工場からの放射性廃棄物の海洋投棄問題、風力発電などのクリーンエネルギー問題と開発による土砂・泥水の流入による海の汚染問題、サケの中骨缶詰など加工食品の活用問題、カキのノロウイルス対策と輸入水産物の検査体制強化、原油高騰への漁民の運動と後継者対策、外国人労働者に依存している漁船漁業の問題、和食・魚食の文化を継承する学校給食の重要性などが質問を含め出されました。
 最後に各パネリストが質問に答えつつまとめの発言を行いました。伊藤久直氏は、漁協組合長などが参加しているのでもっと漁業の技術的な質問や発言がほしかった。さまざまな機会に漁業の振興策と後継者対策についてさらに深めていきたいと発言。吉水裕信氏は、後継者問題について、田老の定置漁業については漁業権のない青年も取り組んでいる。こうした青年が漁業に取り組めるような対策が必要ではないかと発言。伊藤克宏氏は、地域営漁計画について空いている魚場をどう活用していくかが重要、燃油高騰対策については国の対策を進めていくと発言しました。
 紙智子さんは、ノロウイルス対策について輸入水産物等の検査体制を国が責任を持って強化すべきと述べ、漁業そのものの位置づけが重要で漁業が存続できる実効ある対策が必要と強調しました。後継者対策については、収入増加、漁家対策、流通のしくみなど総合的な対策が求められていると述べました。国民の努力として国産のものを利用すること、学校給食の重要性についても強調しました。
 参加者からは、「深刻な漁業の現状がよくわかった」「漁業にも規制緩和・構造改革の動きがあることを初めて知った」「日本共産党が4回もまじめに漁業の問題に取り組んでいることに敬意を表したい」などたくさんの感想が寄せられました。


《2008年8月18日》
反貧困全国キャラバン2008
岩手県実行委員会が岩手県の要望書提出


 8月18日、反貧困全国キャラバン2008岩手県実行委員会が達増知事宛の要望書を宮舘副知事に提出し懇談しました。私も同席しました。実行委員長の小笠原祥氏が、「貧困の連鎖を断ち切り、県民生活の底上げを求める要望書」の趣旨を述べ、1)社会保障費毎年2200億円の削減方針を撤回すること、2)日雇い派遣の禁止、最低賃金の引き上げなど雇用関係の改善、3)最低保障年金の創設など年金や生活保護などの充実、4)通院移送費の打ち切り・制限強化を撤回することなど4項目を国に求めることを要望しました。
 宮舘副知事は、県民の生活と仕事を守ることは県政の重要課題だと述べ、骨太方針の2200億円の社会保障費削減については、地方から撤回をいえない、日雇い派遣・雇用問題については全国知事会でも登録派遣の法整備について国に要望している、生活保護は憲法25条の精神から重要で、年金の改善についても国に伝えたい、生保の通院移送費については、6月10日付厚労省通知で従来どおりとのことであり、現場に徹底を図ると答えました。
 参加者からは、生活保護の申請問題などが出されました。


《2008年8月9日》
中国「残留孤児」を支援する岩手の会
訴訟が和解・前進勝ち取り解散総会開く


 8月9日、中国「残留孤児」を支援する岩手の会の解散総会がアイーナの会議室で開催されました。中国「残留孤児」の生活保障を求める運動は、「残留孤児」の皆さんが全国で裁判闘争に立ち上がり、06年4月岩手県内でも17人の方が原告として東北の仲間と仙台地裁に提訴しました。この運動を支援しようと05年10月29日に「中国残留孤児を支援する岩手の会」(会長、南奎雲氏)が91人、8団体が参加して設立されました。残留孤児の皆さんの100万人署名など全国的なたたかいのなかで、昨年11月28日、中国「残留孤児」支援法改正案が全会一致で可決され、老齢基礎年金(6万6千円)、生活保障(最大8万円)、配偶者に(4万円)など基本的な生活保障を勝ち取ることになりました。
 解散総会では、南奎雲会長が、「残留孤児が生まれた根本原因は、日本国の国策によって『満蒙開拓』等の名において、中国に送られた農民や『義勇軍』であったことによるもの。支援する会はこの間25回にわたる役員会を開催して取り組んできた。仙台地裁での訴訟も終結し、新支援法成立とその実施が確認できたことから支援する会を解散することにした」とあいさつしました。横田綾二、小山富男副会長がそれぞれこれまでの活動経過や残留孤児の皆さんの活動について報告。残留孤児を代表して奥州市水沢区の千枝正二さんが、「新しい支援法によって、日本人としての尊厳を持って生活できるようになった。皆さんの支援に心から感謝します」と述べ、二つの色紙を贈呈しました。
 私も支援者の一人としてあいさつし、「中国残留孤児の皆さんの生活保障を勝ち取ったことは、皆さん自身がたたかいに立ち上がったことによるもの、岩手の会も南会長を先頭に幅広く運動を展開してこられたことに心から敬意を表します。北京オリンピックが開催された中での解散総会も中国の成長と5000年の歴史と懐の深さを示すものだった」と述べて皆さんに敬意を表しました。


《2008年8月9日》
青山地区で「くらしと未来を語る会」
雇用、農業、医療問題で熱弁


 8月9日、青山地区活動センターで「くらしと未来を語る会」が開かれ、会場いっぱいの30人が参加しました。
 神部伸也盛岡市議が市議会報告、瀬川貞清県書記長・東北ブロック比例代表候補が雇用問題、農業問題について日本共産党の国会論戦と打開の提言の内容、軍事費の無駄遣いの実態を詳しく語り来るべき衆議院選挙で日本共産党の躍進の必要性について訴えました。私は後期高齢者医療制度の問題点と日本医師会を含めた国民的運動の広がりを述べ、国会で継続審議となっている廃止法案を臨時国会でこそ成立させようと訴えました。また、社会保障の財源として浮上している消費税増税の動きについて、逆進性の福祉破壊税であること、大企業は1円も負担しないこと、大企業・大資産家への7兆円の行きすぎた減税や米軍への2億1000万円の思いやり予算、5兆円近い軍事費のムダにこそメスを入れるべきと話しました。また、蟹工船ブームと資本主義の限界が問題になる中で日本共産党への関心と期待が高まっており、10ヶ月間で1万人の党員が入党していることなど具体的に紹介し、日本共産党に参加してともにがんばりましょうと呼びかけました。参加者から国保税の問題や岩手県の対応などについて質問と意見が出されました。


《2008年8月8日》
「束稲かんぱい」事業の問題で農家が県南広域振興局農村整備室長に申し入れ

 8月8日、束稲かんぱい事業(北上川東部土地改良事業)で高い賦課金と差し押さえなどで困っている農家の方々が「北上川東部土地改良事業を考える会」を発足させ、芦長喜県南広域振興局農村整備室長に具体的改善策と指導を求める申し入れを行いました。私も今野裕文、菅原明奥州市議とともに同席しました。
 束稲かんぱい事業は昭和50年に奥州市前沢区生母地区と平泉町長島地区の山間部にある水田に水を引くことを目的に進められたものです。当時から農家に反対の声が多く、強引な同意書取り付けなどで強行実施されました。当初5ヵ年の事業が30年以上も経過して日本一高いといわれる賦課金と滞納者に対する差し押さえと公売等で自殺者も出る深刻な事態となっています。
 会の申し入れでは、@賦課金の軽減など具体的な助成策、A農地の差し押さえ・公売に対する停止などの指導、B生活を脅かす無理な取立てをしないこと、C過去も将来も土地改良区の恩恵を受けない農家の除外―などを申し入れました。
 芦農村整備室長は、賦課金の軽減作については担い手助成支援事業や土地管理適正支援事業などを導入して償還金の利子補給や施設の修繕などで土地改良区を支援していること、滞納処分の執行については、生活を脅かす場合停止できること、差し押さえに当たっては真摯に対応するよう指導すること、農家の除外については改良区の総代会の決定事項になると答えました。
 農家からは、「水田の条件が悪く1反部あたり5俵、6万円にしかならない中で賦課金は2.5~3万円も請求される」「実際に水がきていない、水がいらないのに賦課金が取られる」「全体で説明することなく個別に道路のためとかいつでもやめられるなどといって同意書が無理無理とられた」「借金を心配して子どもたちはみんな家から出て行ってしまった」「自殺に追い込まれた農家も出ている」など深刻で切実な実態が出されました。
 私は、束稲かんぱい事業について当初の目的・計画がどうなったのか県として検証して事業を進めてきた県の責任を明らかにすること。払えない賦課金や差し押さえによる優良農地の公売などに緊急の対応策を検討すること、生活を脅かす差し押さえは行わないように強く指導することを求めました。


《2008年8月8日》
岩手・宮城内陸地震対策で第2回交流会開く
義援金の支給―住宅被害の正確な被害認定が重要に


 8月8日、奥州市委員会の会議室で第2回岩手・宮城内陸地震対策交流会を開きました。これには高田一郎県議候補と一関市議団、奥州市議団が参加しました。
 最初に私から県の対策・事業の状況について報告。住宅再建に全壊と移転が必要な住宅に限って県独自の助成制度が創設されたこと。一部損壊には改修・補修の際の融資に限度額30万円の利子補給の制度が作られ、4億6700万円寄せられた義援金の配分は全壊に500万円、半壊350万円、一部損壊には10~125万円支給されることになったことなど報告。一部損壊の住宅は被害率で支給額が異なることから被害認定が重要になると指摘しました。
 奥州市議団からは、これまで被災者の手引きを作成し900世帯に届けて被災者の要望を聞いてきたこと。小規模農地災害には市単独事業で3分の2助成で実施することになったこと。ため池については農家個人の対応となっている問題、マイクロバス転落事故にあった被災者が重傷にもかかわらず認定されていないこと、沿岸北部地震でも住宅に被害が出たことなどが報告されました。
 一関市議団からは、被災者の手引きを800世帯に届け、7月31日「被災者との懇談会」を開催し18人の被災者が参加したこと。18人の被災者のうち罹災証明を取ったのはわずか3世帯にとどまっていたこと。臨時議会や特別委員会で「内閣府のマニュアル」の問題点を明らかにして、再調査の要請に応じること、技術者の発見も行うと市長答弁を引き出したこと。ため池・農道については農地災害として対応していること、墓地の被害も大きいことなどが報告されました。
 今後の課題としては、県や市の対策・事業とともに義援金の配分についても至急被災者に知らせて、住宅の被害認定・再調査などを求めていくこと。税の減免が半壊以上の対象となっておりほとんどが対象とならない問題の打開、ため池対策、個々の被災者の具体的要望にさらに応えていく取り組みについて強化していくことを確認しました。


《2008年8月7日》
安心して私学を選択できる環境の整備を
私学助成をすすめる岩手の会が知事と懇談


 私学助成をすすめる岩手の会(新妻二男会長)は8月7日、達増拓也知事にたいし、私学教育の充実・発展に関する要望書、私学助成増額を求める知事宛要望ハガキ12,908枚を提出、懇談を行いました。これには県内私立高校の教員・PTA会長らが出席し、斉藤県議をはじめ3人の県議が同席し達増知事、川窪俊広総務部長らがました。
 主な要望事項は、@私立学校に対する運営費補助を「公立学校教育費2分の1」に増額することA私立高校40人以下学級への補助を増額することB低所得世帯への授業料や入学金の減免補助制度の改善C削減されている特色教育補助を2005年度の水準に戻すこと―の4項目です。
 原田徹郎副会長は、「経済的に厳しい家庭が多く、学費の問題で中退する子どももいる。安心して私学を選択できる環境の整備を」と要望。斉藤県議は、「必ずしも経済的に余裕のある家庭が私立に進んでいるわけではなく、確実な私学助成の増額すべき」と述べました。
 達増知事は、「私学はそれぞれの学校が特色ある教育を行っており重要な役割を担っている。現状を踏まえ、財政は厳しいが可能な範囲で支援していきたい」と回答しました。


《2008年8月6日》
住宅再建に県が独自助成
一部損壊には補修費用に利子補給


 岩手・宮城内陸地震による住宅再建に対して岩手県は4日、全壊、がけ崩れ等による移転等の住宅再建に最大300万円を補助する住宅再建支援制度の創設を明らかにしました。対象となるのは、市町村が全壊と認定したり、がけ崩れなどの二次被害の恐れがあって移転必要と認定された世帯です。また、一部損壊に対しては、補修や改修のため金融機関から資金を借りた日世帯に対して、市町村を通じて30万円を限度に利子補給を行います。住宅再建助成事業費は1500万円、利子補給は150万円を見込み、予備費で対応するとしています。また、約4億6700万円寄せられた義援金については、全壊に500万円、半壊350万円、一部損壊10〜125万円(損壊比率に応じて)配分されることになりました。全壊のうち移転分には100万円追加されます。義援金は被災者個人に総額2億2100万円配分されます。地震で風評被害を受けた5市長の観光協会に各500万円、被害自治体に1億9千万円配分されることになりました。
 住宅再建に県の独自助成を求めてきた斉藤県議は、「県が住宅再建に独自助成を創設したことは評価できるが、一部損壊に対しては利子補給にとどまったことは残念。義援金が被害率に応じて配分されることから被害状況の正確な認定を求めていくことが重要」と述べています。


《2008年8月5日》
小規模校の統廃合めざす新たな高校再編計画

 8月5日の県議会・商工文教委員会で、来年度の県立高校の学科改編に関連して、新たな高校再編計画(第二次高等学校長期構想検討委員会)の検討内容について取り上げました。8月1日に開催された第2回検討委員会では、「今後の県立高等学校のあり方(グランドデザイン)」として、「現状の専門学科を維持・強化しながらその割合を高め、相対的に普通科の割合を減らしていくこと、特にも小規模の普通科高校を見直していくことが必要である」と明記されています。斉藤県議は、「これは地域で頑張っている小規模校の統廃合を進めるということではないか」「高校への進学希望では普通科が66%を占めており、普通科の定員の60%を上回っている。これを減らして専門学科を増やす理由はない」「教員アンケートでも総合学科は理念と実態が乖離しており減らすべき(34.6%)となっており、総合学科高校のあり方を見直すべき」と指摘しました。法貴県教育長は、「検討委員会でもさまざまな意見が出ており、斉藤県議の意見も踏まえて検討していきたい」と回答しました。


《2008年8月5日》
教員採用問題―事実経過を具体的に明らかにすべき
商工文教委員会で追及


 8月5日、県議会・商工文教委員会で大分県に端を発した教員採用問題について取り上げました。岩手県でも県議4,5人、県職員、大学教職員各1人の照会に対し、結果を6,7件教えたことが明らかになっています。斉藤県議は、「県の個人情報保護条例に反するだけでなく、公務員に対する県議の口利き行為があったとすれば、あっせん利得罪にあたる可能性がある重大問題」と指摘。県議の氏名の公表など具体的な事実関係について再三当局に迫りました。菅野洋樹教育企画室長は、「口利きのようなものはなく、事実の照会にたいして回答したと記憶している。曖昧な状況で氏名は公表できない」と回答しました。さらに斉藤県議は、県教委に実名を挙げた不正の告発メールが届いた事実も示し、県教委として徹底的に調査するよう求めました。
 また、恣意的な判断のされる可能性のある二次試験において配点などの判断基準を明確化し結果を公表すること、試験の透明性・公平性を確保すること、35人学級の拡充など教育条件を整備し教員採用の枠を最大限広げることなどの改善を最大限図っていくべきと訴えました。法貴敬教育長は、「他県の例も参考にしながら改善できるところはしていきたい」と述べました。

 質疑の大要については、「議会報告」をご覧ください。


《2008年8月5日》
地震による観光業界への被害―3万8400人のキャンセル
被害額4億1000万円、波及効果は10億3000万円


 8月5日開催された商工文教委員会で、岩手宮城内陸地震、岩手沿岸北部地震による被害状況が報告されました。商工関係の施設被害は、310施設で2億2678万円余となっています。特に観光への影響は、県旅館ホテル生活衛生同業組合(350施設)の調査で7月15日現在、キャンセル38400件、4億1000万円、旅行者の経済波及効果は10億3000万円に及ぶとのことです。これには新規予約分の減少は入っていないとのこと。県内の宿泊施設は1300あり、全体の影響はさらに大きくなります。私は県として調査するよう求めました。県は9月県議会に向けて宿泊料への補助を検討しているとの発言もありましたが、岩手の観光に与える風評被害は大きなものがあり、安全で元気な岩手と自然や温泉、体験など魅力ある岩手の情報発信をリアリズムでマスコミなどを効果的に活用して行うべきと述べました。議論の中では、「JRやJTBなどが格安の旅行商品(1泊、交通費込みで1万7千円台から)を打ち出しており、積極的な周知と活用が必要」、「県職員を首都圏や関西圏などに派遣して取り組むべき」との発言もありました。観光は今が本番の時期であり、機敏で積極的な対策が必要です。
 原油高騰では、運送業やクリーニング業界など全体でも大きな打撃を受けており、「融資では返せる当てがない」、「努力も限界」などの状況も明らかにされました。


《2008年8月1日》
教員採用と昇任問題について法貴教育長に申し入れ
県議等の口利き・照会の徹底調査と採用制度の改善を


 8月1日、法貴敬教育長に対して「大分県に端を発した教員採用と昇任問題についての申し入れ」を行いました。申し入れには瀬川貞清県書記長、西山剛県国会事務所長が参加しました。
 大分県の教員採用をめぐる汚職事件は小学校の教員採用だけでなく、中学校や校長・教頭の承認にも広がり、底なしの状況です。文部科学省は全国調査を行っていますが、岩手県でも「県議4,5人、県職員、大学教職員各1人の照会に対し、結果を7,8件教えた」ことが明らかになりました。これは、県の個人情報保護条例に反するだけでなく、公務員に対する政治家の口利き行為は、それ自体、あっせん利得罪にあたる可能性がある重大問題です。
 申し入れでは、1)、県議や県職員、大学教職員による口利き・照会について、第三者を含め徹底的調査し、経過と問題点、県議等の氏名を公表すること、2)、不正が起きない教員採用制度への抜本的改善を図ること、3)、校長・教頭の昇任試験についても改善を図ること、4)、当面35人学級を小学校全学年、中学校1年まで拡充し教員の採用枠を拡大すること、5)、任期付教員、常勤臨時職員、非常勤職員などの正職員化を図ること、6)、自由にものが言える学校と教育の環境を作ること―の6項目です(申し入れ全文は「政策と活動」をご覧ください)。
 法貴教育長は、「教員採用制度については、試験問題の解答や配点について公表するなど、できるところから改善を図っていく。校長・教頭の承認選考試験についても複数ルートを改善するなど透明化を図りたい」と述べました。また、答案用紙の保存期間が1年となっていることについて検証できるように延長しなければならないと述べました。県議等の口利き・照会については、5年ぐらいさかのぼって関係者に聞き取り調査を行ったが不正はなかったと述べました。県民からの情報提供については、実名を挙げた情報は3件あったが10年ちょっと前の情報で確認できてないと述べました。
 私は、県民の疑念を晴らすような徹底した調査と教員採用制度の抜本的な改善、少人数学級の拡充による教員採用枠の拡大を改めて強く求めました。
 この問題については、8月5日の県議会・商工文教員会でも取り上げる予定です。