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《2009年2月24日》
診療センター無床化問題で住田、紫波を調査
現場は困惑、県議会の論戦に注目


 2月24日、診療センターの無床化計画が19日に最終決定されたことを踏まえ、改めて住田町、紫波町の診療センターと自治体を訪問し現場の状況と地域の声を聞き調査してきました。
 午前11時に住田町役場を訪問し、出張中の多田町長に代わって小泉きく子副町長、千葉忠行保健福祉課長と懇談しました。小泉副町長は、10日に6市町村が診療センターの無床化計画について説明を受けたが、12日に開催した地元の会では、無床化の4月実施の一時凍結、地元自治体・住民との協議を継続して求めていくことを確認したと述べました。そのうえで、県議会の論戦に注目している。予算案の修正・凍結の可能性もあるのではないか、地元選出の県議に働きかけるとともに、地域の会として県議会の傍聴にも取り組むことになっていると述べました。
 地域医療の実態としては、「特養ホーム住田荘(52床)の場合、常時入院、外来で診療センターを利用しており、入院できなくなると大変だ。町の高齢化率が38.1%となっており、高齢者の健康と生活を支える医療が切り捨てられかねない」と危惧を表明しました。また、「医療・保健・福祉の連携が必要で、関係機関が毎月会議を開いてきたが、医療が切り捨てられれば崩れてしまいかねない」と述べました。町の特徴として「高血圧疾患が多い」と述べ、「大船渡病院やリハビリの後住田診療センターで自宅に戻るまで療養できたことが大きい役割を発揮してきた」とも述べました。「県は地域の声、住民の声に耳を傾ける姿勢を見せてほしい」と強く要望されました。

4月実施で現場は困惑
準備・態勢も示されず

 午後からは住田診療センターを訪ね加藤貞之センター長、事務長から現状を聞きました。「無床化の4月実施は新聞報道等で知っているがその準備等の具体的な指示はない。県議会の動向もあり本当にどうなるのか心配している」との話が出されました。加藤センター長は、「現在医師2名体制で十分やっており6施設一律に無床化というのはどういうものか、入院患者の実態は高齢者で慢性疾患が多く大船渡病院に肩代わりすることができないのではないか。訪問診療は2名の医師で月実人員で20人行っており、医師が確保されないと継続は難しい」と指摘。「訪問診療は入院があって連携して実施しているもので、入院がなくなると訪問診療も難しくなる」と述べました。看護師の当直問題についても、「実際は何もできないのではないか、責任が問えない」と指摘しました。
 また、沿岸・県北地域は入院施設が少なく、中間施設も少ない、老人世帯が多い、老老介護で将来行き場がなくなるのではないか、今の対策を進めると地域医療が持たなくなると危惧を表明しました。
 午後3時半に紫波町の診療センターに併設する特養ホームにいやま荘を訪問。中田興冶所長から話を聞きました。中田所長は、「紫波診療センターは特養ホームと併設した県内初の医療福祉連携モデルで、特養ホームとしても病院が併設しているから安心して介護度の高い重度の高齢者を受け入れることができている」と述べました。平均介護度は4.6〜4.7で4〜5が47人を占めているとのこと。入所者の入院も多く、入院期間は短いのが特徴。施設で亡くなった入所者は20年間でわずか1人とのことでした。「もし診療センターに入院できなくなると遠くへ搬送しなければならないが、そのためには看護師、介護士の増員が必要になってくるのではと危惧している」、「実際に近くに入院できる老人病院はどこも満床で行き場がないのが実態」とも指摘しました。入所待機者は100人を超えており、重度の高齢者の行き場がなくなると指摘。お年寄りには「安心」が一番大事と強調しました。国は医療と介護の連携と言っているが県の施策は違うのではないかとも訴えられました。

紫波診療センター
4月以降の体制見えず準備の仕様がない


 その後、紫波診療センターで小野満センター長、藤村光良事務長から現状について聞きました。一番患者が困惑している、現在の入院患者は7人となっていると述べ事実上入院抑制になっている実態にありました。4月以降の体制が示されず準備の仕様がない。当日の新聞に「外来専門医」の募集記事が出ていたことに驚き、診療センターはリタイアした医者が担うことになるのではと危惧の念を表明しました。地域の実情に応じた対策が必要との指摘もありました。






藤原孝紫波町長、及川剛住民組織連絡会会長とも懇談

 藤原町長は、「今日、町村会として達増知事に申し入れを行っている」と述べ、「県議会での論戦と対応を注目している。地域の声を聞かない県の進め方については地元自治体としては納得できない」と改めて強調しました。
 その後、及川剛住民組織連絡会会長を訪ね懇談し、県議会の26名連名による申し入れや今後の取り組みなどについて説明し意見交換しました。





《2009年2月23日》
1100人規模の配転合理化は見直しを
富士通ML岩手工場に申し入れ


 2月23日、富士通マイクロエレクトロニクス岩手工場を訪問し、「雇用の確保と企業の社会的責任を求める申し入れ」を行いました。これには瀬川貞清県書記長、奥州市議団、北上市議団、金ヶ崎町議ら11人が参加。俵山佳也岩手工場長、畠山義教総務部長が対応しました。富士通MLは全体で2000人、岩手工場で1100人規模の配転合理化計画を明らかにしています。申し入れでは、@1100人規模の配転合理化計画の見直し、A配置転換に当たっては労働者の意思を尊重し、強制しないこと。B退職せざるを得ない労働者の再就職に責任を持つこと。C富士通全体の内部留保(8093億円)を活用し雇用と地域経済への社会的責任を果たすこと。新規事業の展開を含め岩手工場の存続に全力を挙げることを求めました。
 俵山岩手工場長は、「昨年10月以来の大幅な受注減少と世界経済の急激な悪化のもとで、LSI前工程製造体制の再編とグループ全体の間接業務の効率化の実施を決めた。2010年3月までに約2000人、岩手工場では1100人の配置転換を進める計画だ」と説明しました。第1次の面接が行われているようですが、まだ配置転換先も示されておらず、4月には示したいとのこと。配置転換は会津若松から始まり、岩手工場は9月以降になる見通しも示しました。今回の受注減少は、これまでのシリコンサイクルとも違って自動車関係でも落ち込み、全体が落ち込んでいるとのこと。再就職のあっせんには再就職支援会社と契約もし取り組むと述べました。
 従業員の多くは地元密着で生活しており北上市約700人、奥州市約550人、金ヶ崎町約250人で、うち女性従業員が約500人に及ぶとのこと。金ヶ崎町では消防団にも所属し、鬼剣舞など郷土芸能の継承にも取り組んでいる労働者が多く影響が大きいと阿部洋子町議が述べました。

 申し入れ文書は「政策と活動」をご覧ください。


《2009年2月23日》
青年の切実な実態を訴え
民主青年同盟県委員会が県に要請


 2月23日、日本民主青年同盟県委員会の青年ら10人が達増知事にたいして、「景気悪化と大量解雇から青年の雇用と生活を守ることを求める要請」を行いました。これには斉藤県議、吉田恭子岩手1区青年雇用相談室長が同席し、商工労働観光部の伊藤昇太郎雇用対策労働室長らが対応しました。
 佐々木委員長は、「114人の青年から生活実態調査をし、多くの青年が低賃金と不安定雇用のもとで、将来に不安を抱えていることが明らかになった」と述べ、@失業者への衣食住・雇用の確保をするため、対策を強化することA違法・無法な「雇い止め」・解雇を許さない指導・監督を強化するよう、労働局に求めること―など7項目を要請しました。
 伊藤室長は、「青年の雇用は大変だと承知しており、やれるところから取り組んでいきたい」と回答。
 参加者からは、「知人の派遣労働者が2月末で雇い止めになってしまう。本人は納得いかず明後日(25日)に会社と団体交渉をする予定だ」「昨年12月まで派遣で働いていたが、2ヶ月仕事がない。パートやアルバイトの職を探すと1人の求人に20〜30人の応募がある」などの声が出されました。


《2009年2月23日》
関東自動車に雇用確保要求書を送付
2月中に文書での回答を求める


 2月20日、日本共産党岩手県委員会は菅原則勝県委員長と県議会議員斉藤信の連名で「大量解雇を中止・撤回し雇用を守る社会的責任を果たすことを求める要求書」を関東自動車工業株式会社、服部哲夫社長あてに送付しました。
 昨年12月から関東自動車に雇用確保の申し入れに応じるよう求めていましたが、残念ながら今日に至るまで応じてもらえていません。文書での申し入れには回答するということなので今回の要求書の送付ということになりました。県内最大の誘致企業としては説明責任、社会的責任を軽視する態度だといわなければなりません。
 要求書では、期間社員340人、派遣社員50人を4月までに雇い止めするという計画ですが、08年3月期で1024億円もの内部留保をため込んでおり、その一部を活用するだけで雇用を守ることができると指摘。@期間社員340人、契約社員50人の雇い止め・解雇を中止・撤回すること。A3年以上働いている期間工についてはただちに正社員に登用すること。低い正社員比率を高めること。Bこれまでため込んだ内部留保(1024億円)の一部を雇用核に活用すること。C以上の内容について2月28日までに文書で回答すること―を求めています。

 申し入れ文書は「政策と活動」をご覧ください。


《2009年2月20日》
2月定例県議会開会―知事演述、中身のない自画自賛
県立病院―県民の声を聞かないゴリ押し県政でいいのか


 2月19日、2月定例県議会が開会されました。来年度予算を審議する重要な議会で、3月25日までの日程です。今議会の最大の焦点は6000人に及ぶ大量解雇・雇い止めなど雇用対策と県立病院・診療所の無床化など医療問題です。

これ以上の大量解雇を許すのかどうかが雇用問題の焦点
雇用・景気悪化の背景に外需頼みの県政の推進


 達増知事が所信を表明する知事演述を行いました。一言で言って、中身のない自画自賛の演述でした。雇用問題と景気対策については、何よりもこれ以上の大量解雇を許さない取り組みが求められていますが、その対策はなく事後対策となっていること。その中身も常用雇用(4ヶ月)で2700人の雇用確保では全く不十分です。莫大な内部留保をため込んできた大企業・誘致企業に、そのほんの一部を活用させ、雇用を守る社会的責任を果たさせるべきです。
 景気対策では、アメリカのカジノ資本主義の破綻がその原因ですが、アメリカに追随し、外需頼みの日本経済がアメリカ以上の景気後退となっていることこそ問題です。岩手県政はそれに輪をかけて自動車・半導体の外需頼みの産業振興を進めてきました。その責任が厳しく問われています。ところが達増知事は、「我が国がグローバル化に十分対応できていなかった」と述べ「私たち一人一人が直面する危機を自分の問題としてとらえ、その解決に向けて行動していくことが重要」と述べ、ピンボケの分析と県民に責任転嫁する暴論を展開しました。知事は、「昨年策定した『いわて希望創造プラン』は、今、日本や世界が取り組もうとしている経済社会の危機の克服を先取りしたもの」と述べましたが何の根拠もない、反省もない極楽トンボというべき演述です。多くの県議が驚いて聞きました。

地域医療の切り捨て―聞く耳持たない姿勢でいいのか
県民の信頼を壊す県政運営


 県立病院・診療所の無床化計画は、昨年12月県議会でも、2回にわたる地域説明会・懇談会でも、パブリックコメントでも強い反対の声が出されただけでなく、地元の医師の皆さんから診療所のベットを守るための建設的な提案・応援の提案が出されました。ところが、知事と医療局はこうした意見に全く耳を傾けることなく無床化を4月に強硬実施する計画を決めました。知事は演述で「県政は、県民の信頼の上に成り立つものであり」と述べましたが、知事自らが県民の信頼を壊す県政運営を行っているといわなければなりません。地域医療は医師・医療関係者を基より地域住民によって支えられるものです。県立病院は地域住民が自ら作り上げてきた歴史をもっています。県民の切実な声に耳を傾け、医師の皆さんの建設的な提案を真剣に検討・協議することこそ必要ではないでしょうか。県議会の多数を占める26人の県議が2月16日、計画の4月実施の凍結と地域住民との協議と計画の見直しを求める申し入れを行いましたが、県民の声、県議会の声を無視することは許されないことです。県政全体への信頼が失われかねません。県民への説明責任と理解と合意形成に努めるべきです。それが行われないなら民主主義の破壊です。

35人学級が中学1年生で試行実施に
市町村合併推進・4広域振興局再編は問題


 35人学級は来年度中学校1年生で試行という形で実施されます。県民の運動が動かした前身です。
 一方で、相変わらずの市町村合併の推進、4広域振興局の再編は、リストラありきの無謀なものです。
 平成28年の国体に向けた主会場の問題も、県営運動公園に多目的室内練習施設の整備という形で事実上決めようとする進め方は問題です。
 
 2月県議会は、県民の暮らしに直結する予算の審議、県政全般の審議が行われます。皆さんの声をぜひお寄せください。
 斉藤県議の一般質問は、3月3日(火)午後2時過ぎの予定です。ぜひ傍聴にいらしてください。また、県議会のホームページでもインターネット中継されます。


《2009年2月20日》
現行法を活用し違法な「派遣切り」をやめさせる指導の強化を
志位委員長の国会質問を踏まえ岩手労働局に申し入れ


 2月20日、日本共産党岩手県委員会が岩手労働局長に対して現行法を活用してこれ以上の違法な「派遣切り」「雇い止め」をやめさせるよう申し入れを行いました。これには私と瀬川貞清県書記長、吉田恭子岩手1区青年雇用相談室長が参加しました。大屋勝紀労働基準局監督課長、田村正廣職業安定課長、黒澤勝治需給調整指導官が対応しました。
 申し入れでは、2月4日の志位和夫委員長の国会質問で明らかにした偽装請負や偽装クーリング期間も派遣期間に算入されるとの答弁を踏まえ、派遣労働者の多くは本来派遣先が直接雇用を申し出るべき労働者であることを示し、@3年を超えて働いている派遣労働者に対して派遣先が直接雇用を申し入れるよう指導を強化すること。A労働契約法に違反する派遣労働者等の契約期間中の「雇い止め」・解雇を中止させること。B2年11カ月を超えて契約が更新されている期間社員の場合も、一方的な「雇い止め」を中止させ、正社員に登用するよう指導を強化することを求めました。
 田村課長は、「厚生労働省の通達、パンフを示し指導している」と答えましたが、派遣先の契約解除・解雇に対しては十分な対応ができておらず、3年以上働いている派遣労働者の場合は派遣先が直接雇用の申し出義務があり、派遣先企業に対する指導を強化するよう求めました。また、3月末に向けて大量解雇が予定されており、これからの対策が重要と強く指摘。これ以上の違法な「雇い止め」を許さず、失業者の生活・住居・再就職確保の取り組みを強化するよう求めました。


《2009年2月17日》
生命尊重行政の西和賀町、沢内病院を訪問
高橋町長、佐々木病院事務長から現状と課題について聞く


 2月17日、朝7時30分盛岡を出発し西和賀町に向かいました。前日と打って変わって快晴、沢内支所には9時到着し高橋和子町議と合流して西和賀町役場に向かいました。沢内も昨日は吹雪で30センチの積雪があったとのことでしたがこの日は快晴、道路もきれいに除雪され雪の壁もいつもの半分ぐらいとのこと。
 さっそく高橋繁町長を訪問し話を聞きました。国のガイドライン、県が示した改革指針について高橋町長は「命を守る課題は最低守るべき人権で、自治体のもっとも重要な仕事。その他の事業と同じではない」「国のガイドラインはモノが命よりも大事だというようなもの。深沢晟雄氏が主張したように命あってのものではないのか」「医師不足で苦労していた3年間の病床利用率で診療所化の検討を指針で指摘されたが、現在は医師3人態勢で入院患者も増えてきている。机上の計算だけではなく実態と努力を見てほしい」と強調しました。
 その後沢内病院を訪問し、佐々木一事務長から話を聞きました。佐々木事務長は「仕事そっちのけで医師確保に取り組まざるを得ない状況」とこの間の厳しい状況について述べました。また、今後の課題について、不採算地区での医療事業であり、病院経営の状況や負担の問題を含めて住民の理解が必要と述べました。また、診療所化ではさらに赤字が増えるので、何としても医師を確保して病院経営を維持する必要があると述べました。4月からはリハビリの体制を強化するとのことでした。
 
生命尊重行政の継承と再生めざす
輝けいのちネットワーク代表の高橋典成氏に聞く


 午後からは「輝けいのちネットワーク代表の高橋典成氏の自宅を訪ね、生命尊重行政の継承と再生めざす取り組みについて聞きました。高橋さんからは、昨年11月23日に開かれた老人医療費無料化発祥の地記念碑「いのちの灯」の集いや今年2月8日に開かれた「福祉フォーラムin西和賀」の取り組みの内容について聞きました。ネットワークでは「地域用語の在り方研究員会」と「生命尊重行政史検証チーム委員会」が専門家を含めて設置されており、フォーラムではその研究活動の中間報告が行われたとのことです。生命尊重行政は「健やかに生まれ、健やかに育ち、健やかに老いる」精神で取り組まれた地域包括医療で、老人医療費の無料化を全国に先駆けて実施するなど貧困な村が全国に発信した偉大な取り組みでした。これは国の医療政策に影響を与えるとともに、逆に国の医療費抑制政策・臨調行革政治のもとで何度も困難に直面してきました。介護保険制度の導入や後期高齢者医療制度、湯田町との合併も大きな影響を与える出来事でしたが、老人医療費助成制度は外来1500円、入院5000円の一部負担が導入されたものの継続実施されています。高橋さんからはたくさんの資料をいただいてきました。全国に誇れる生命尊重行政の継続と再生を強く願うものです。


《2009年2月16日》
県議26人の連名で県立病院改革における議会意思の尊重を求める要請行う

 2月16日、12月県議会で請願採択に賛成した県議が中心になって民主会派を除く26人の連名で「県立病院改革における議会意思の尊重を求める要請」を達増知事宛に行いました。これには不在の達増知事に代わって宮舘副知事が対応しました。要請では@計画案の4月実施を一時凍結すること。A当該自治体・住民と地域医療確保における合意形成を図るべく協議を継続し、改めて県政の最重要課題としてあらゆる分野、方法での同計画案の再検討を実施すること―を求めました。
 宮舘副知事は、「今日の内容は知事に伝え医療局とも相談していきたい」と述べたうえで、「厳しい医師の勤務状況で現体制を維持するのは困難。効率的な医療体制にすべく計画案を示したことをご理解いただきたい。今後も住民に対する説明は尽くしていかなければならない」と回答しました。
 参加した県議からは、「あまりにも拙速で計画を強行することは理解できない。住民の行政への信頼が損なわれる」「医師不足の現状は十分理解しているが計画は住民の命にかかわる問題。しっかり時間をかけて協議し納得を得る計画にすべき」などの意見が出されました。


《2009年2月13日》
奥州市、ハローワーク水沢から雇用状況を聞く
深刻さを増す雇い止め、正社員の大規模配転計画も


 2月13日、朝8時30分に盛岡を出発し奥州市に向かいました。午前10時に柏葉明党中部地区委員長とともに岩井憲男奥州市副市長を訪ね、奥州市の雇用状況と市の対策について聞きました。1月15日現在の発表では、非正規の雇い止め221人、正規社員の解雇48人で合計269人となっているとのこと。その後も調査を行っており、2月市議会の開会までに新たな状況については公表する予定とのことです。
 特に重大な問題は、中部工業団地の誘致企業、富士通マイクロエレクトロニクスが、1000人規模の正社員の配転・合理化の計画を明らかにしていることです。奥州市は2月10日、市役所を訪れた俵山佳也岩手工場長に対して、事業再編の見直し、やむを得ない場合も従業員の意向を最大限に尊重し、再就職の支援を行うよう要請したとのことです。従業員1700人のうち1000人を超える規模の配転・合理化計画は、多くの労働者がマイホームを持ち地元に定着している中で、大変な課題だと痛感させられました。従業員の約3割、約500人が奥州市民とのことです。
 東京エレクトロン(従業員約600人)も報道の通り約100人規模の削減の計画とのことです。また、下請け中小企業も受注が3〜5割減少しているとのことです。
 雇用対策としては、基金事業については3月に補正予算で対応する予定で、緊急雇用対策事業は予定より配分が小さく、条件の厳しいふるさと再生雇用対策事業は逆に枠が大きいと指摘があり、改善が必要と感じてきました。
 
1100人規模の配転・合理化計画
行くも地獄、残るも地獄か?


 富士通の関係者からも状況を聞きました。労働組合には会社から1135人の配転・合理化計画が示されているとのこと。受注が減少していることと工場の設備・ラインが古くなっていることが理由とのこと。富士通岩手工場は、昨年3月に富士通マイクロエレクトロニクスとして子会社化されており、三重、会津若松、岩手の3工場で約2000人の配転・合理化の計画です。2000人は富士通グループで吸収するとはいうものの、半導体生産とは違う部署ということになります。行き先が全く不明、仕事の中身も不明で労働者には不安が広がっています。労働者の平均年齢が43歳と多くが20年以上働いているベテランで、マイホームのローンと子育て真っ最中の労働者が多いとのこと。600〜700人は配転に応じられないのではないかとの話を聞きました。本来、労働組合の出番の状況ですが、労働組合の姿、行動が見えないとの指摘もありました。
 富士通本体は、昨年3月期末決算で約8000億円の内部留保をもっており、4年間で約2400億円も増やしています。雇用を守る体力は十分ある状況です。合理化の後は統合・撤退の可能性もあるのではないかと不安もあるとのこと。内部留保資金も活用して岩手工場で新規事業に転換することを求めるべきではないかと感じてきました。
 午後4時に、ハローワーク水沢を訪問し菅野晴男所長から管内の雇用状況を行き来ました。12月の管内の有効求人倍率は0.41と急減しています。派遣バブルがはじけた状態と述べました。雇用促進住宅は25戸入居可能で5軒が入居している、離職者対策資金は1件の利用にとどまっているとのこと。雇用調整助成金・中小企業対策の利用は40件を超えているとのことでした。北上にある派遣事業所の雇い止めの影響がこれからさらに出てくるのではないかと心配な状況です。求人あっせんの窓口は10か所で、自己検索パソコンは20台、1日で500人が番号札をもらう状況となっているとのこと。思い切った体制強化が必要と感じました。
 急遽、県南振興局の川上裕二経営企画部長を訪ね、県南振興局の取り組みについても聞きました。緊急雇用アドバイサーを7人配置してこの間約70人の求人を確保してきているとのこと。機敏な対策と行動を心がけているとのことでした。


《2009年2月10日》
医療局が岩手県立病院等の新しい経営計画の成案を発表
地域の声、実情を無視した計画は撤回を


 2月10日、岩手県医療局は「岩手県立病院等の新しい経営計画」の成案の説明会が行われました。計画では、当初の通り5つの地域診療センター(紫波、大迫、花泉、住田、九戸)は4月から無床診療所に、2010年4月から県立沼宮内病院を無床診療所に移行する内容となっています。
 計画案は昨年11月に公表されましたが、地域説明会やパブリック・コメントでは圧倒的に無床化に反対する声が多く、こうした地域住民の声に背を向けるものです。12月県議会では無床化に反対する請願が採択され、党県委員会も二度にわたり申し入れを行ってきました。
 説明会で質疑に立った斉藤県議は「医療を支えているのは医療関係者はもとより地域住民。地域住民の意見を無視する計画で、本当に県立病院が運営できるのか」と追及。田村均次局長は「深刻な医師不足の中で医療局ができることとして示した」と回答しました。さらに斉藤県議は、「計画先にありきで地域住民の信頼を失うもの。住民と協力・協同して地域医療をどう守るか示さず、4月から患者を追い出すやり方はあまりにも県民無視である」と厳しく指摘。「国の医療費削減政策を根本的に打開し、地域医療を守る視点に立った計画にすべき」と求めました。

 質疑の大要については「議会報告」をご覧ください。


《2009年2月7日》
元特攻隊員の佐藤洸さんが平和への思い語る
城東地区9条の会結成3周年のつどい開く


 2月7日、城東地区9条の会は結成3周年記念のつどいを高校会館会議室で開催しました。会場いっぱいの地域の方々が参加しました。
 記念講演は、元特攻隊員で盛岡ハリストス正教会執事長・聖歌隊指揮者の佐藤洸さん。3月で80歳になるという佐藤さんはアコーディオンを奏でながら歌と語りで平和への熱い思いを訴えました。盛岡中学3年の16歳の時に陸軍特別幹部候補生(第1期)として入校、「特別というのは消耗品、弾よせとして早く命を投げ出すということ。戦争になると人はキチガイになる。キチガイにならないと人を殺せない」と話し、特攻隊員だった友人の手紙や日記を紹介しました。話の合間に「だれか故郷を想わざる」(古賀政男作曲)を歌い、これは当初は戦意高揚に反すると禁止されたが多くの兵士に歌われて解禁になった歌と話しました。「昴」(谷村新司作詞・作曲)の歌詞は、石川啄木の歌が原型になっていると啄木研究家の遊佐昭吾氏が谷村新司氏に確かめたことも紹介。素晴らしい歌とお話で参加者を魅了させました。
 参加者からは、「感銘を受けました。ぜひ、また、先生のお話をお聞きしたい」「生きてる限り青春、人は言語をもっている。いつまでも人を殺しているのは人らしくない―とても印象に残る言葉でした」などの感想が寄せられました。


《2009年2月3日》
少人数学級の拡充求め教育長交渉
教育長―「中一で試行的に行いたい」


 2月3日、30人学級を実現する岩手の会(代表:新妻二男氏)は法貴敬県教育長にたいし、51006筆の署名とともに少人数学級の拡充を求める要望書を提出しました。これには斉藤県議はじめ、自民、民主、政和・社民の各県議が同席しました。
 要望項目は、@学級増に見合う教員を増やして、少人数学級を小・中・高校に拡充することA2009年度から小学校3・4年と中学校1年に「35人学級」を拡充することB国に対し少人数学級(30人以下学級)の法制化をはたらきたけること―の3項目に加え、新たにC文部科学省が措置している「発達障害児のための支援員」を確実に各学校に配置できるようにすることDこれから新・改築する校舎は、小中高とも30人学級に対応できる教室を確保できるようにすることE年度末に数名の児童生徒数減で、学級減となり「過大学級」となるような場合は弾力的な措置がとれるよう、配慮するとともに教職員の加配措置をするなどの援助を強めること―の6項目です。
 法貴教育長は、「市町村の反応もさまざまあるが、中学校1年生で試行的に行いたい。現在最終調整を行っている」と回答。
 新妻代表は、「他県のように県単での予算措置の努力をしていただきたい」と述べました。