《2010年9月30日》
見直し検証対象の簗川ダムを調査
付け替え国道・県道工事は8〜9割進捗、ダムは見直すべき
9月30日、党盛岡市議団とともに国のダム見直し検証の対象となっている簗川ダムの現地調査を行いました。
簗川ダム建設事務所で、簗川ダム建設事業の進捗状況、大雨の際洪水が予想される河川の流下能力と想定氾濫区域図、簗川流域の貴重な動植物の状況について説明を受けました。付け替え国道は昨年度までで92.5%、付け替え県道は77.1%の進捗状況とのこと。流域の貴重な動植物については、クマタカなど重要種111種に及び、ケヤキ群落など3群落も重要種となっているとのことです。
現地調査では最も流下能力が低い、洪水になりやすいという盛岡河川漁協事務所・ふ化場付近を見ました。川の左側に水田があり洪水の時には有効な遊水地の役割を果たすと感じました。その後、ダムサイト建設予定地を見ました。当初の位置から40メートル上流に変更されています。地質調査の結果と言うことですが、これまでの地質調査の制度が問われる問題です。その後、簗川道路に入り湖面上の橋となる9号橋(エクストラドーズド箱桁橋)から簗川と根田茂川の合流地点を眺めました。3号橋まで13の橋と4つのトンネルを走りました。簗川道路は延長7キロメートルで280億円の事業費です。
付け替え県道大迫東和線に入り真っ先に見えるのは「西松トンネル」と言われる1466メートルのトンネルです。小沢一郎事務所が「天の声」を出し、西松建設が談合で24億9000万円、落札率94.5%で受注したと検察が明らかにしたトンネルです。その後県道に降りて簗川の下流、人口密集地帯で洪水氾濫区域の入り口に当たる葛西橋前後の状況を見ました。十分な河道と堤防の高さがあり、堤防が破堤・決壊しない限り大丈夫と感じました。
簗川は簗川流域面積(35.1平方q)の2倍以上の根田茂川(82.1平方q)と合流していますが、自然の流れで洪水のピークを調節している河川です。もし合流地点にダムを建設するなら、かえって洪水のピークを合わせてしまいます。また北上川から1q地点までは十分な流量を流せる堤防と川幅があり、破堤・決壊しにくい堤防の強化こそ必要です。1qより上流は掘り込み河道・山地河川となっており、水田や畑地を活用した流域全体の洪水対策が必要と考えます。貴重な動植物の保全を含めて、簗川ダムは見直し、河川改修に転換すべきと改めて感じさせられた調査でした。
県は10月25日の大規模評価専門委員会の簗川ダムの再評価調書を提出して審議が開始される予定です。また、国のダム見直し基準に基づく検証と対案については11月に提出する予定とのことです。ムダづかいと自然を破壊しかねないダムを見直す絶好の機会です。
《2010年9月28日》
知事に米価暴落への緊急対策を申し入れ
40万トンの過剰米の買い入れで需給と価格の安定を
9月28日、日本共産党岩手県委員会として達増岩手県知事に対して「米価暴落への緊急対策を求める申し入れ」を行いました。申し入れには瀬川貞清県書記長、高田一郎一関市県議予定候補が参加し上野善晴副知事が対応しました。
申し入れでは、県産ひとめぼれで2010年産米が8700円と前年比3600円も大幅に下落した中で、「もうコメで自立できない」「こんな米価では農業が続けられない」など農家の悲痛な声が寄せられていることを述べ、県知事として政府に対して以下の緊急対策を講じるよう求めました。その内容は、@緊急に過剰米40万トン以上を政府が買い入れ、米価の安定対策を講じるよう求めること。A「棚上げ備蓄制度」を今年から前倒しで実施するよう求めること。Bコメの再生産を保障する価格・所得補償と転作作物についても再生産が可能な対策を講じること。C県として農業予算の大幅な削減路線を転換し、米価暴落と農業再生の具体的な対策を講じることです。
高田一郎氏は、米価暴落で来春の肥料代も農薬代もなくなってしまったという農家の声を紹介、土地改良区の設備改修の対策もできない状況だと訴えました。
上野副知事は、「今回の概算金の下落は大変厳しいもので、所得の減少と生産意欲の減退につながりかねない。関係団体・機関が役割を果たすことは必要」と述べました。米価の安定対策については、「個別所得補償を米価の下落分も補填するものになるよう要望している。棚上げ備蓄については緊急措置として前倒しで実施するよう要望していく」と答えました。コメ、畑作などの所得補償については、「来年度から対象となることから安定した財源確保を求める。米価下落については国の責任で補てんするべきだ」と述べました。
県の対策については、「財政は厳しいが考えていきたい」と答えました。
また、岩手県農民連も同日「米価の暴落の歯止めをかけ、再生産できる米価の実現を求める」知事あての要請を小田島智弥農林水産部長に行い、私も同席しました。
申し入れでのやりとりの大要については、こちらをご覧ください⇒申し入れでのやりとり大要
《2010年9月25日》
民主党農政の動向と岩手県農業の展望
「岩手の再生」連続講座で横山英信岩大教授が講演
9月25日、岩手地域総合研究所の「岩手再生」連続講座で「民主党農政の動向と岩手県農業の展望」のテーマで横山英信岩大人文社会学部教授(農業経済論)が講演しました。
横山氏は、岩手県の農業算出額が3251億円(95年)から2541億円(05年)に大幅に低下している最大の要因がコメの産出額が1093億円から688億円に減少したこと。稲作減反の拡大もさることながら米価の低落によると頃が大きいと指摘。1995年からのWTO・新基本法下での農産物輸入拡大と市場原理導入(価格政策の放棄)がもたらしたものと述べました。
民主党農政の特徴について、自公政権の品目横断的経営安定対策への怒りから農業者個別所得補償制度を進めようとしていることは1歩前進の側面があるものの、コメ個別所得保障モデル事業には、補償水準の低さ、水田利活用持久力向上事業の問題点を指摘。コメ暴落の過剰米対策を放置している問題と食料自給率向上を前提にコメ以外の他作物の採算性の確保が不可欠と述べました。
私も会場から発言し、「鹿野道彦農相は首相から経済連携協定、自由貿易協定の推進を言われ農相を引き受けた」との平野達男参院議員の発言を紹介し、コメ暴落で危機に直面しているときに平気で農産物の自由化推進を支持する菅政権の実態を指摘しました。また、18日の県JAの1000人が参加した集会について、県の幹部職員が「百姓一揆が起きてもおかしくない」と述べる状況だったこと。過剰米の政府緊急買い入れの必要性を訴えました。一方で県の農業水産業予算がこの10年で1396億円(98年)から658億円(10年)に半減している状況では農林水産業の衰退は食い止められないと報告しました。
《2010年9月24日》
9月定例県議会開会―達増県政の4年間を検証する議会に
教育委員の選任には10人が反対、森のトレー問題の説明会も
9月24日、9月定例県議会が開会となりました。決算審査を含め10月22日までの長丁場で、達増県政の4年間を検証する議会となります。深刻な雇用と暮らし、地域医療と高すぎる国保、介護保険の問題、米価暴落と農林水産業の再建、簗川ダム・津付ダムなど無駄と浪費の大型開発事業の見直しなど、県民の声と要求をできるだけ届け、県民の暮らしを一歩でも二歩でも前進させることができるよう奮闘する決意です。皆さんの要求・ご提言などお気軽にお寄せ下さい。
開会日に提案された教育委員の選任に議会の同意を求める人事案件に私を含め10人(共産党、地域政党いわて、社人党、無所属)が反対するという事態となりました。不十分ながら議会運営委員会で初めて質疑、討論が行われたことが反映した結果です。
本会議終了後、農林水産部長から森のトレー問題の説明会が行われました。25億円余の損害賠償を求めた裁判が全面敗訴し、控訴も断念と追う説明で、私は裁判の経過をふまえ改めて森のトレー問題の検証が必要ではないかと質しました。今議会の重要な課題です。
《2010年9月18日》
一関市で県政学習会開く
達増県政の特徴と日本共産党の役割を熱く語る
9月18日、一関市のアイドーム・会議室で「県政学習会」が開かれ会場いっぱいの80人余が参加しました。
私が達増民主党県政の実態と特徴について、県立病院・診療センターの無床化・民間移管強行など、県民の声に背を向けた強権的な県政運営を行っていることをリアルに報告しました。また、県政の実態は簗川ダム・津付ダム事業の推進など大型開発優先で自民党政治と全く変わらないこと。その背景に小沢一郎氏の「政治とカネ」問題で問われている利権政治の構造があることも指摘しました。
県民の声・要求で県政動かす日本共産党の役割
日本共産党は県議会ではわずか1議席ですが、県民の切実な願い・要求で県政を動かしてきました。深刻な雇用問題では、県に雇用対策本部を設置させるとともに、内部留保をため込み体力のある誘致大企業の工場閉鎖・リストラを許さない徹底した論戦を行ってきたこと。退職者の再就職に責任を持たせる取り組みをさせてきたこと。関東自動車にもこの4年間で期間工を233人正社員に登用させるなどの抜群の取り組みを行ってきたことを紹介しました。また、全国に先駆けて県内各地でワンストップサービスを実施させてきました。
地域医療と高すぎる国保税の問題についても、異常な花泉診療センターの民間移管の経過を詳しく報告、地域医療を守る検証と監視の住民運動の重要性を強調しました。高すぎる国保税の問題では県平均の年所得が89万円で、国保税が14万7千円、負担率が16.56%となっていることを指摘し、負担能力を超えた国保税となっていること。その責任が国の負担の削減にあることを述べ、保険証の取り上げとなる資格証明書発行を取りやめる県議会での論戦を紹介しました。
県財政破たんの原因を明らかにするとともに、530億円の簗川ダム・164億円の津付ダム、1400万円の知事車購入などのムダ遣いを指摘し、県民の立場で頑張る日本共産党のかけがえのない役割を強調しました。
そして、この間民主党による県議会での強行が1票差で行われていることを示し、日本共産党が複数議席を実現すれば達増県政の暴走を止める確かな力になると述べ、一関市から高田一郎さんを必ず県議会に送ってほしいと訴えました。
前回わずか200票差で次点となった高田一郎さんが、13000人の訪問対話と500回の街頭宣伝を目標に340軒を訪問対話し、地域医療や米価暴落対策など切実な要求を寄せられたことを述べ、県議選必勝の決意を述べました。
《2010年9月15日》
人事同意案件についての本会議での質疑・討論を封殺
議会改革の流れに背を向ける民主党・ゆうあいクラブ
9月15日開催された議会運営委員会で、副知事選任問題で紛糾した人事同意案件の質疑・討論のあり方について議論がありました。民主党・ゆうあいクラブは、議会運営委員会で質疑を行うよう求め、自民党も同調しました。地域政党いわては本会議での質疑・討論を主張しました。
私は傍聴席から、本会議での質疑または討論はすでに15道県で実施されており、委員会付託での審議も5件実施していることを改めて強調し、議会基本条例を制定し、議会改革に真剣に取り組んできた岩手県議会として全国の流れに逆行することなく、本会議と常任委員会での質疑・討論を行うよう求めました。社民党の久保孝喜氏、公明党の小野寺好氏、無所属の阿部富雄氏も、本会議での質疑・討論を主張しました。
しかし、民主党・ゆうあいクラブは本会議での質疑・討論にあくまで反対し、議会運営員会での質疑に固執しました。副知事選任問題では本会議での質疑・討論を主張した自民党は、あっさり民主党・ゆうあいクラブの意見に同調する豹変ぶりでした。議会改革の流れに逆行する民主党・ゆうあいクラブの姿勢が明らかになりました。
9月県議会には教育委員と土地利用審査会委員が提案されますが、22日の前日議運で質疑が行われることになりました。
議会運営委員会では、9月定例県議会の日程について決めました。9月24日開会。10月1、4、5日、本会議・一般質問、6日常任委員会、8日本会議、12〜21日、決算特別委員会、22日、最終本会議となります。
《2010年9月11日》
太田で「暮らしの懇談会」開く
井上和子さんの喜楽ホールで
9月11日の午後、雨の降る中太田の井上和子さんの喜楽ホールをお借りして、「安心して暮らせる政治を求め―暮らしの懇談会」が開かれ、私と鈴木努市議が参加し国政から県政、市政について話し、ざっくばらんに懇談しました。
私からは、この1年間の政権後退、鳩山内閣退陣、参院選、民主党代表選を振り返り、政治の激動の根本に新しい政治を求める国民の声と投票行動があること。政治の混迷の根本に財界・アメリカいいなりの政治から抜け出せないことを具体的に示し、達増民主党県政の実態と問題点にも触れました。鈴木市議は、国保問題、高齢者の見守り、太田地区の区画整理事業の事業費削減問題などを報告しました。
参加者からは、「区画整理事業の予算が削減され、計画が立てられない。もうついていけない」「交差点に横断歩道の設置を」「子どもたちが安心して遊ぶ場所がない」などの意見や要望が次々と出されました。
《2010年9月11日》
いわて労連第22回定期大会であいさつ
JR採用差別事件の「政治解決」報告集会開く
9月11日、いわて労連第22回定期大会が盛岡市国保会館で開かれ、日本共産党を代表して連帯のあいさつ(別記)を行ってきました。大会では鈴木露通議長が「県内の深刻な雇用問題を正面に見据え共同闘争を強めるとともに、公的病院の充実・強化を基本に地域医療を守る運動を発展させる」とあいさつしました。私も日本共産党を代表して連帯の挨拶を述べました。この1年間の政治の激動の底流に国民の声と投票行動があり、政治の混迷の背景には財界・アメリカいいなりの政治から抜け出せない問題があることを強調、民主党代表選挙も「総理大臣になる資格のない人と資質のない人のたたかい」(民主党秋田県連会長)と言われるような「国民不在の権力闘争」となっていると述べました。また、達増民主党県政について、県立病院の無床化・民間移管の強行など強権的な県政となっていること。県政の実態は簗川ダム推進など自民党政治そのもので、「コンクリートから小沢へ」と言うべき談合利権政治にゆがめられていると指摘し、県政の革新的打開が必要と述べ、いわて労連の雇用と地域医療を守る取り組みの前進とともに県政の確信に役割を発揮するよう期待を述べました。
大会後には、JR採用差別事件の「政治解決」報告岩手集会が同会場で開かれました。鈴木露通いわて労連議長のあいさつに続き、建交労国鉄闘争推進委員会委員長の坂田晋作氏が、6月28日に最高裁判所において勝利的和解が実現したこと。1人当たり約2200万円、総額約200億円の和解金を支払うことになったこと。23年間にわたるたたかいと今後JRや関係機関に雇用させる問題など情熱をこめて報告しました。集会後、懇親会も行われ全動労関係者なども参加してこの間のたたかいを振り返り、勝利和解を祝いました。
《2010年9月5日》
消費税をなくす岩手の会総会であいさつ
9月5日、消費税をなくす岩手の会の第20回総会が盛岡市の盛岡医療生協組合員センターで開かれ、斉藤県議が来賓として挨拶しました。
斉藤県議は、この1年間の政治の激動について触れ、自民党政治を終わらせたのも、8カ月で鳩山首相を退陣させたのも、消費税10%増税を打ち出した菅民主党が参院選で大敗したのも「政治を変えたい」と願う国民の世論であり選択だったことを強調しました。同時にこうした国民の期待を日本共産党がつかみ切れず後退したことについて深く総括と検討をしていると述べ、消費税問題での論戦上の弱点と財政危機論などへの対応について、志位委員長の記念講演をふまえ訴えました。
消費税問題は国民の暮らしと営業の根本にかかわる問題であり、日本政治の戦略的課題です。「孫子の大まで借金を増やしていいのか」「社会保障の財源はどうなるのか」など国民の率直な疑問などに丁寧に答えて消費税増税を許さない多数派の形成が重要と訴え、消費税なくす会の草の根からの取り組みに期待を表明しました。
《2010年9月3日》
商工文教委員会で雇用対策について質す
ソニー千厩テック退職者の半数が再就職、ワンストップサービスは全ての管内で実施へ
9月3日の県議会・商工文教委員会で斉藤県議は、県の雇用対策について徹底して追及しました。
新規高卒者の就職対策について斉藤県議は、「八幡平市で市内の中小企業が新規高卒者を採用した場合、月10万円を2年間助成する」といった市町村独自の取り組みを示し、市町村独自の取り組み状況と県の支援について質しました。津軽石昭彦雇用対策課長は、「18市町村が独自に制度を立ち上げており、200人程度が対象となる見込み。定着支援は市町村の部分が高いと思うので、就職促進に県の支援をしていきたい」と回答。斉藤県議は、「積極的な取り組みをしているところには分け隔てなく支援すべき」と求めました。
また、ソニー千厩テック、富士通ML岩手工場の退職者の再就職状況について、津軽石雇用対策課長は、「7月末現在でソニー千厩テックの退職者の半数が再就職し、富士通は4分の1が再就職した」と答弁。斉藤県議は、昨年10月末からの退職者は雇用保険が切れる時期にきている問題も指摘し、最後の一人まで再就職に責任をもたせるよう改めて強調しました。
さらに、失業が長期化する中でワンストップサービスを県内全ての地域で定期的に実施すべきと主張。津軽石雇用対策課長は、「これまで5地区で開催したが、少なくとも年内に全てのハローワーク管内で開催するよう労働局に要請し、労働局も『年内に全ての管内で少なくとも1回はやりたい』という回答をいただいた」と答えました。